2023/02/14 UMAJiN.net/データ部「重賞攻略データ」
【フェブラリーS(GI)攻略データコラム】驚愕の鉄板データ発見! 馬体重や種牡馬系統も要注意
フェブラリーS(GI) 4歳上 定量 東京ダ1600m
※近10年分のレースデータを基に分析する。
■人気
・1番人気/【4.2.2.2】
勝率40.0% 複勝率80.0%
・2番人気/【3.2.0.5】
勝率30.0% 複勝率50.0%
・3番人気/【1.0.2.7】
勝率10.0% 複勝率30.0%
・4番人気/【1.0.1.8】
勝率10.0% 複勝率20.0%
・5番人気/【0.3.0.7】
勝率0.0% 複勝率30.0%
・6-9番人気/【0.2.5.33】
勝率0.0% 複勝率17.5%
・10番人気以下/【1.1.0.66】
勝率1.5% 複勝率2.9%
1番人気は過去10年で4勝、複勝率80.0%と、馬券の軸として信頼できる。さらに、単勝オッズ3倍未満だと【3.2.1.0】で勝率50.0%、複勝率は100.0%と、“完全データ”となる。
2番人気も3勝、連対率50.0%と、上々の成績。特に単勝回収率は152%と、大幅な黒字収支を残している。妙味を狙うなら、2番人気の1着付けになるか。
3番人気から5番人気は今ひとつの成績。ただし、過去10年の連対馬20頭のうち、15頭が5番人気以内。連対ベースなら5番人気以内でまとめるのが効率的か。
6-9番人気になると、1着がゼロで複勝率も低下。好走してもヒモ止まりだ。10番人気以下はさらに好走率が落ち、とても手が出せない。6番人気以下は、どうしても買いたい馬以外は静観するのが無難だ。
■年齢
・4歳/【4.1.1.19】
勝率16.0% 複勝率24.0%
・5歳/【4.4.4.24】
勝率11.1% 複勝率33.3%
・6歳/【2.1.2.25】
勝率6.7% 複勝率16.7%
・7歳/【0.2.1.36】
勝率0.0% 複勝率7.7%
・8歳/【0.2.2.18】
勝率0.0% 複勝率18.2%
勝率は4歳馬がトップで、複勝率は5歳馬が最上位。勝ち数自体はどちらも4勝ずつ。こう見ると4歳馬と5歳馬は成績が拮抗しているように映る。
しかし詳細を調べると、5歳馬が優勝した年は、4歳馬の出走自体が少なかったり(2022年はダート2戦目のソダシ1頭、2019年は2頭)、人気薄が多かったり(2015年は4頭すべて7番人気以下)で、4歳のライバル自体が少ないケースが目に付いた。その点を考慮すると、若干4歳馬に分があるように思える。
いずれにせよ、全体としては若めの馬のほうが有利なレースであるのは間違いない。
6歳以上となると好走率は落ちるものの、それでも馬券にはなっているので、無視するまでには至らない。また、8歳馬の複勝率18.2%は年齢を考えると健闘の部類。ただし、馬券になった4頭のうち3頭は中央のGIレース(芝含む)で連対経験があった。
実は6歳以上で馬券になった馬は全馬、ほぼ同様の実績(GI級で2着以上)を有していた。高齢馬については、GI級で好走経験がある馬に限って狙いが立つといえそうだ。
☆4歳馬⇒スピーディキック、セキフウ、ドライスタウト
☆5歳馬⇒レモンポップ
☆6歳以上でGI級連対経験がある馬⇒シャールズスパイト、ショウナンナデシコ、ソリストサンダー、テイエムサウスダン、ヘリオス、メイショウハリオ、レッドルゼル
■キャリア
・8戦以下/【5.0.0.1】
勝率83.3% 複勝率83.3%
・9-10戦/【1.1.1.6】
勝率11.1% 複勝率33.3%
・11戦以上/【4.9.9.121】
勝率2.8% 複勝率15.4%
キャリアについて調べたら、驚くべき“鉄板データ”を発見した。本番を迎えるまでキャリア8戦以下だった馬(5戦以下での出走はなし)は、6頭出走して5勝。唯一敗れたのは初ダートのカレンブラックヒル(15着)ただ1頭。前走ダートに使われていた馬に限れば、5頭全馬優勝していたのだ。
さらに、この5頭の中に最低人気の16番人気で優勝した14年勝ち馬・コパノリッキーが含まれていた点も見逃せない。
年齢別データでも若い馬が有利と記したが、それ以上にキャリアが浅く、フレッシュで使い減りしていない馬が走るレースなのだ。それは上掲データのように、出走数が増えるにしたがって好走率が低下する“反比例関係”からも明らかだ。
今年キャリア8戦以下で出走するのは、ドライスタウトただ1頭(6戦)。1番人気はレモンポップに譲りそうな雰囲気なので、1着になれば馬券妙味もある。
キャリア9-10戦に収まるのもレモンポップのみ(10戦)。キャリア数データからは、「人気2頭の一騎打ち」という“回答”が出た。
■馬体重
・440-459キロ/【1.1.0.7】
勝率11.1% 複勝率22.2%
・460-479キロ/【0.0.1.20】
勝率0.0% 複勝率4.8%
・480-499キロ/【1.2.1.30】
勝率2.9% 複勝率11.8%
・500-519キロ/【2.3.4.34】
勝率4.7% 複勝率20.9%
・520-539キロ/【6.3.3.27】
勝率15.4% 複勝率30.8%
・540キロ以上/【0.1.1.10】
勝率0.0% 複勝率16.7%
ダート戦は基本的に大型馬に有利なのだが、ここは砂の頂上戦ということもあり、“超”がつく大型馬の活躍が目に付く。
過去10年で500キロ以上の馬が8勝2着7回3着8回と、馬券圏内の大半を“巨漢馬”が占めている。なかでも520-539キロのゾーンは勝率も複勝率も平均値(勝率6.3%、複勝率19.0%)を大きく上回っていた。狙い目はここだ。
一方、一般的なレースでは好走率が高くなりやすい480-499キロのゾーンは平均値をかなり下回っており、460-479キロのゾーンになると連対例がゼロ。440-459キロのゾーンは1勝2着1回で、好走率も一見良く映るが、この2度の好走はいずれもノンコノユメが記録したもの。
同馬はほかに大井のジャパンダートダービーを制し、チャンピオンズCや帝王賞・東京大賞典でも好走したほどの活躍馬。例外扱いして構わないだろう。
前走520-539キロ⇒ケイアイターコイズ、ドライスタウト、レモンポップ
■前走着順
・1着/【6.3.3.25】
勝率16.2% 複勝率32.4%
・2着/【0.3.3.14】
勝率0.0% 複勝率30.0%
・3-5着/【0.2.1.41】
勝率0.0% 複勝率6.8%
・6-9着/【2.2.1.27】
勝率6.3% 複勝率15.6%
・10着以下/【2.0.2.20】
勝率8.3% 複勝率16.7%
前走の着順には興味深い傾向がある。前走1着馬が過去10年で6勝と成績がひじょうに優秀な一方、2着から5着の掲示板組は勝ち星なし。ところが6着以下になると、勝ち馬が現れ、10着以下でも2頭の優勝馬が生まれている。
つまり前走の着順については、「前走1着馬」か「前走6着以下」かという両極端な傾向が出ているのだ。
この前走着順傾向は、前走の“レース”でさらに絞り込むことができる。
「前走1着」から好走しているのは、根岸Sと東海Sのいわば“前哨戦組”が大半。6勝のうち、それぞれ3勝ずつ分け合っている。
この2レース以外ではチャンピオンズC(前身のジャパンCダート含む)と川崎記念のGI級競走の勝ち馬も好走しているのだが、いずれも2着止まり。1着馬はいないうえ、そもそも今年は該当馬がいない。
「前走6着以下」は好走馬9頭のうち8頭までが前走GI級のレースでのもの。さらにその8頭のうち6頭がチャンピオンズCを走った馬。また、「前走6着以下」4勝のうち3勝が同レースを経由していた。
例外の1頭はOP特別のフェアウェルS9着から最低人気で優勝した2014年のコパノリッキー。同馬はのちにGI級を10勝もする歴史的な名馬で、先のノンコノユメ以上に“例外的扱い”で構わないだろう。
一方、このコパノリッキーを除いて、根岸Sや東海SなどGII以下のレースで6着以下だった馬が馬券になったことはない。前走6着以下で狙えるのは、前走GI級組だけと見てよさそうだ。
それと、「前走2着」は勝ち馬は出せていないものの、2、3着にはよく来ている。そこで内訳を見てみると、好走馬6頭のうち、3頭が根岸S組、残る3頭はチャンピオンズCや東京大賞典などGI級組だった。
まとめると、「前走1着」で狙えるのは根岸Sと東海Sの前哨戦組。「前走6着以下」はGI級組。「前走2着」は根岸S組かGI級組、ということになる。
☆前走根岸S1着⇒レモンポップ
☆前走GI級6着以下⇒ショウナンナデシコ、ソリストサンダー
☆前走GI級2着⇒シャールズスパイト
■種牡馬系統
・サンデーサイレンス系/【4.4.1.46】
勝率7.3% 複勝率16.4%
・ミスタープロスペクター系/【4.2.2.24】
(※キングマンボ系を除く)
勝率12.5% 複勝率25.0%
・ノーザンダンサー系/【1.0.2.12】
(※ストームキャット系を除く)
勝率6.7% 複勝率20.0%
・ストームキャット系/【1.0.1.8】
勝率10.0% 複勝率20.0%
・キングマンボ系/【0.2.2.13】
勝率0.0% 複勝率23.5%
・ボールドルーラー系/【0.2.2.17】
勝率0.0% 複勝率19.0%
最後に種牡馬系統の傾向を調べてみた。
連対数がもっとも多いのはサンデーサイレンス系だが、出走数も最多のためか好走率は平均的。しかも【3.3.1.12】と好走の大半を占めていたゴールドアリュールはすでにこの世になく、今年は直仔の参戦がない。同種牡馬を除いたサンデー系は【1.1.0.34】勝率2.8%、複勝率5.6%と一気に成績が悪化し、むしろ軽視したほうがいいレベルである。
一応、ゴールドアリュール後継・スマートファルコン産駒のオーヴェルニュは登録しているが、同産駒の出走は2年前の同馬自身の1度だけで、結果は13着に惨敗していた。
勝率・複勝率ともにトップに立つのが、キングマンボ系を除くミスタープロスペクター系。カフェファラオ(2021年、2022年連覇)とノンコノユメ(2016年2着、2018年1着)というリピーターのおかげで成績が良くなっている面はあるものの、7番人気3着の2016年アスカノロマンや5番人気2着の2022年テイエムサウスダンといった穴での好走もある。
また、ミスプロ系の血は母方に入ってもよく、母父ミスプロ系は【4.2.4.33】勝率9.3%、複勝率23.3%と平均値より上の成績を残している。これらのデータから、ミスプロ系がこのレースと相性がいいのは間違いなさそうだ。
フェブラリーS史上初の外国馬参戦となるシャールズスパイト(カナダ)は、キングマンボを経由しないミスプロ系・スパイツタウンの産駒。日本のダートにどれだけマッチするかは不明だが、種牡馬面に関しては“適性アリ”と判断してもいいかもしれない。
ミスプロ系の一大勢力であるキングマンボ系も複勝率23.5%と相性はいいほう。9番人気で2着に激走した2021年エアスピネルや、8番人気3着の2019年ユラノトなど、人気薄が走った例もある。
だがしかし、1着がない点は大いに気になる。サンプル数わずかながら、それは母父に入っても同様(3戦3着1回)だった。
今年1番人気濃厚なレモンポップは父がキングマンボ系のレモンドロップキッド。根岸Sからの連勝を狙う同馬にとっては好ましくないデータではある。
☆父ミスタープロスペクター系(キングマンボ系以外)⇒シャールズスパイト、テイエムサウスダン
☆父キングマンボ系⇒スピーディキック、レッドルゼル、レモンポップ
(Text:sakura kyosuke)
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