2022/12/29 UMAJiN.net/データ部「重賞攻略データ」
【京都金杯(GIII)攻略データコラム】フタ桁人気が4年連続で激走! キングマンボ系に要注意
京都金杯(GIII) 4歳上 ハンデ 中京芝1600m
※近10年分のレースデータを基に分析する。ただし、前2年に続き2023年も例年の京都ではなく中京で代替開催されるので、コース適性に依拠するデータは中京芝1600mのデータを参考にする。
■人気
・1番人気/【3.1.1.5】
勝率30.0% 複勝率50.0%
・2番人気/【0.2.1.7】
勝率0.0% 複勝率30.0%
・3番人気/【2.1.0.7】
勝率30.0% 複勝率30.0%
・4-6番人気/【3.4.2.21】
勝率10.0% 複勝率30.0%
・7-9番人気/【1.0.3.26】
勝率3.3% 複勝率13.3%
・10番人気以下/【1.2.3.69】
勝率1.3% 複勝率8.0%
ハンデ戦とはいえ、1番人気は複勝率50%。近3年連続で着外に沈んでおり、2、3番人気も振るわず上位人気はアテにならない。
それならば、同程度の好走率である中穴勢のほうが狙いやすい。4-7番人気の合算成績は【4.4.5.27】勝率10.0%、複勝率32.5%、単勝回収率93%、複勝回収率108%と上々の成績なので、このあたりのゾーンを馬券の中心に据えるのがよさそうだ。
10番人気以下は好走率こそ低いものの、馬券に絡むことは多く、ここ4年連続でフタ桁人気馬が3着内に入っている。特に中京で代替開催された近2年は、一昨年が3連単122万馬券、昨年も同19万馬券が飛び出し、いずれも10番人気以下の馬が波乱を演出していた。
今年も中京で行なわれるので、荒れる可能性は大いにありそう。無印の馬であっても、いいところがあれば、積極的に狙っていきたい。
■年齢
・4歳/【3.2.2.34】
勝率7.3% 複勝率17.1%
・5歳/【4.3.1.25】
勝率12.1% 複勝率24.2%
・6歳/【3.2.4.37】
勝率6.5% 複勝率19.6%
・7歳/【0.2.2.27】
勝率0.0% 複勝率12.9%
・8歳以上/【0.1.1.4】
勝率0.0% 複勝率33.3%
好走率的には5歳馬の成績がもっとも優秀なのだが、3着内に来ている実数自体は、4、5、6歳で大きくは変わらない。
また7歳以上になると、勝ち馬こそ出していないものの、2、3着にはそこそこ来ている。昨年は8歳馬のダイワキャグニーが11番人気で2着に激走し、高配当の使者となった。
荒れる傾向にあるレースでもあり、年齢はあまり気にする必要がない。高齢だから…という理由だけで人気を落としている馬は、むしろ注意したほうがいい。
■ハンデ
・52キロ/【0.0.0.6】
勝率0.0% 複勝率0.0%
・53キロ/【2.0.1.12】
勝率13.3% 複勝率20.0%
・54キロ/【0.1.4.29】
勝率0.0% 複勝率14.7%
・55キロ/【3.1.0.29】
勝率9.1% 複勝率12.1%
・56キロ/【1.2.3.29】
勝率2.9% 複勝率17.1%
・56.5キロ/【1.0.0.4】
勝率20.0% 複勝率20.0%
・57キロ/【2.3.0.15】
勝率10.0% 複勝率25.0%
・57.5キロ/【1.2.1.9】
勝率7.7% 複勝率30.8%
・58キロ/【0.1.1.2】
勝率0.0% 複勝率50.0%
そこまで大きな差はないものの、どちらかといえば重いハンデのほうが好走率が高くなっている。また53キロでの2勝はいずれも牝馬であり、2キロのセックスアローワンスを考慮すれば、それは“55キロ”での勝利ということでもある。
そう考えると、55キロ以上が“好走ライン”として浮かび上がってくる。
特に中京で行なわれた近2年の好走馬6頭はすべてハンデ56キロ以上。6頭のうち4頭は7番人気以下、3頭がフタ桁人気であったことを考えると、重いハンデで人気を落としている馬は軽視禁物ということができる。
トップハンデは【0.3.2.10】と、1着馬こそ出していないものの、複勝率は33.3%。ここからも重いハンデは減点材料にはならないようだ。
■前走クラス
・3勝クラス/【0.1.1.13】
勝率0.0% 複勝率13.3%
・OP特別/【5.1.5.53】
勝率7.8% 複勝率17.2%
・GIII/【1.4.1.32】
勝率2.6% 複勝率15.8%
・GII/【2.1.2.18】
勝率8.7% 複勝率21.7%
・GI/【2.3.1.19】
勝率8.0% 複勝率24.0%
前走のクラス別成績を調べると、まず3勝クラスから勝利したケースはゼロ。そこから先は、GIIIだけ少し成績を落とすものの、全体としてはクラスが上がるにつれて少しずつ好走率が上昇していく。どちらかといえば、前走クラスが高いレース、GIかGIIに使われたほうが有利といえそうだ。
前走GI・GII⇒アルサトワ、エアロロノア、エントシャイデン、カイザーミノル、ダイワキャグニー、ピースワンパラディ、マテンロウオリオン、ミッキーブリランテ
■枠順
・1枠/【12.2.5.63】
勝率14.6% 複勝率23.2%
・2枠/【6.12.8.59】
勝率7.1% 複勝率30.6%
・3枠/【7.10.5.70】
勝率7.6% 複勝率23.9%
・4枠/【5.7.10.75】
勝率5.2% 複勝率22.7%
・5枠/【6.5.10.80】
勝率5.9% 複勝率20.8%
・6枠/【6.12.7.83】
勝率5.6% 複勝率23.1%
・7枠/【10.2.10.90】
勝率8.9% 複勝率19.6%
・8枠/【8.10.6.90】
勝率7.0% 複勝率21.1%
・1-4枠/【30.31.28.267】
勝率8.4% 複勝率25.0%
単勝回収率60% 複勝回収率75%
・5-8枠/【30.29.33.343】
勝率6.9% 複勝率21.1%
単勝回収率54% 複勝回収率61%
ここからはコース適性に依拠した項目になるので、近3年の中京芝1600m・古馬戦60レース分のデータを基に分析を進めていく。
まず枠別成績から。そこまで大きな差はないものの、全体的に内めの枠(1-4枠)のほうが、外めの枠(5-8枠)より成績がいい。
特に1枠は勝率が14.6%、2枠は複勝率が30.6%と、それぞれ枠別トップ。また回収率も1枠は単勝が、2枠が複勝が、それぞれ唯一の100%超えを記録している。
一昨年の京都金杯では、1枠2番のケイデンスコールが12番人気の低評価を覆して、見事先頭でゴールを駆け抜けた。また昨年は2枠4番のダイアトニックが12番人気で3着にアタマ差の4着と善戦している。今年も内枠には注意が必要だ。
■距離変更
・同距離/【28.38.35.250】
勝率8.0% 複勝率28.8%
・距離延長/【8.8.9.141】
勝率4.8% 複勝率15.1%
・距離短縮/【24.14.17.217】
勝率8.8% 複勝率20.2%
前走からの距離変更を調べると、勝率ベースでは距離を縮めてきて「距離短縮組」が、複勝率ベースで前走も同じマイル戦だった「同距離組」が、それぞれトップ。一方、前走から距離を延ばしてきた「距離延長組」は勝率・複勝率ともに成績が振るわない。
2年前の勝ち馬・ケイデンスコールは前走1400m戦からの距離延長で大穴をあけているので、一概に距離延長がダメとは決めつけられない。とはいえ全体的な傾向としては、距離延長組は若干不利と見ていいだろう。
■血統傾向
・キングマンボ系/【15.12.22.114】
勝率9.2% 複勝率30.1%
・ロベルト系/【11.9.5.63】
勝率12.5% 複勝率28.4%
・サンデーサイレンス系/【26.21.29.322】
勝率6.5% 複勝率19.1%
・ミスタープロスペクター系/【1.4.1.13】
(キングマンボ系を除く)
勝率5.3% 複勝率31.6%
・ノーザンダンサー系/【2.8.2.59】
(ストームキャット系を除く)
勝率2.8% 複勝率16.9%
・ストームキャット系/【3.0.0.8】
勝率27.3% 複勝率27.3%
・グレイソヴリン系/【1.4.0.8】
勝率7.7% 複勝率38.5%
種牡馬系統別のデータを調べると、複勝率ベースではキングマンボ系が優秀。中京で開催された近2年も、昨年11番人気2着のダイワキャグニー(父キングカメハメハ)、一昨年12番人気1着のケイデンスコール(父ロードカナロア)と、どちらも波乱の立役者はキングマンボ系種牡馬の産駒だった。
数は多くないものの、キングマンボ系以外のミスタープロスペクター系も好走率が高いので、この系統は中京芝1600mに適性があるのは間違いなさそうだ。
勝率ベースではロベルト系の数字の良さが目に付く。ただし集計期間内の11勝はすべて4番人気以内と人気サイドでの勝利。さらにディヴィーナが3勝、ノルカソルカが2勝2着2回、メモリーエフェクトとジャスティンカフェがいずれも1勝2着2回と、特定の産駒による複数好走が多いので、好走馬がバラけているキングマンボ系ほどには評価はできない。
一方、一般的な芝重賞では好走率上位につけるサンデーサイレンス系は勝率・複勝率とも平均値を下回る数字。出走数が多いぶん馬券になるケースは多いので、簡単に軽視はできないものの、それでも“買い”とは言えない。
ただし、昨年はトーセンラー産駒のザダルが7番人気で1着、一昨年はディープインパクト産駒のエントシャイデンが14番人気で3着と、ディープインパクト系種牡馬の産駒が中京で開催された近2年連続で穴をあけている。やはり“ディープ系”には一目置いたほうがいいだろう。
ノーザンダンサー系はサンデー系以上に振るわない。同系のストームキャット系は見た目の勝率は高いのだが、出走頭数が少ないうえに3勝のうち2勝はワールドバローズによるものなので、このデータは鵜呑みにはできない。
☆父キングマンボ系⇒アルサトワ、エアロロノア、オニャンコポン、カイザーミノル、タイムトゥヘヴン、ダイワキャグニー
☆父ディープインパクト系⇒エントシャイデン、シャーレイポピー、ミッキーブリランテ
(Text:sakura kyosuke)
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