2022/11/08 UMAJiN.net/データ部「重賞攻略データ」
【武蔵野S(GIII)攻略データコラム】差し追い込み勢が強い異質のダート重賞
武蔵野S(GIII) 3歳以上 別定 東京ダ1600m
※データについては、特に記載のない限り、過去10年分を対象としている。
■人気別成績
1番人気【3.1.1.5】
2番人気【1.2.1.6】
3番人気【2.1.0.7】
4番人気【0.1.0.9】
5番人気【0.1.0.9】
6-9番人気【4.3.5.28】
10番人気以下【0.1.3.64】
複勝率を並べると1番人気50%、2番人気40%、3番人気30%と大きな差はない。人気どころにそれほど信頼が置けないというのは先週のみやこSと同様の傾向だ。
上位人気より狙って面白いのは中穴人気。6番人気【1.0.3.6】、7番人気【1.1.1.7】、8番人気【1.2.1.6】で上位人気に匹敵する複勝率を誇るうえ、複勝回収率はいずれも100%を超えている。配当妙味を考えると、この組を積極的に狙っていきたいところだ。
■年齢別成績
3歳【2.3.2.16】
勝率8.7%、連対率21.7%、複勝率30.4%
4歳【1.1.1.19】
勝率4.5%、連対率9.1%、複勝率13.6%
5歳【2.4.3.38】
勝率4.3%、連対率12.8%、複勝率19.1%
6歳【4.1.3.25】
勝率12.1%、連対率15.2%、複勝率24.2%
7歳以上【1.1.1.30】
勝率3.0%、連対率6.1%、複勝率9.1%
各世代まんべんなく馬券に絡んでいるものの、率が良いのは3歳馬と6歳馬。3歳馬はある程度人気で仕分けることが可能で、当日1-2番人気なら【2.1.1.4】で複勝率50.0%。古馬を相手にしてもなお評価されるくらいの馬なら狙っても問題はなさそう。
また3歳で馬券に絡んだ7頭のうち5頭がその後GI(JpnI)で馬券になった。3歳の身で武蔵野Sで好走した馬については継続して追いかけるのが吉と出る。
近年好調なのが6歳馬で、近3回はいずれも6歳馬が制している。単勝回収率222%&複勝回収率159%と期待値の面でも面白い存在。しっかりとケアしておきたいところだ。
■枠番別成績
1枠【0.1.0.18】
2枠【2.2.2.13】
3枠【2.0.0.18】
4枠【1.1.3.15】
5枠【0.2.1.17】
6枠【3.1.2.14】
7枠【1.2.1.16】
8枠【1.1.1.17】
注意しておきたいのは1枠が結果を残せていない点。勝率は0%、複勝率もわずか5.3%にとどまる。芝を走れる距離が短いため外枠有利というのが東京ダ1600mの定説だが、昨年のこのレースで1番人気に支持されたタガノビューティーも1枠から直線で前を捌くのに手間取り6着に敗れた。
反対に6枠-8枠に入った馬の単勝回収率は117%、複勝回収率は103%とベタ買いOKの数字に。昨年も8枠→7枠→6枠と外枠での決着。迷った時は外に入った方という選択肢もあり得るだろう。
■所属別成績
美浦【2.0.0.38】
栗東【8.10.10.90】
関東圏の重賞ではあるものの、成績は圧倒的に栗東所属馬が優勢。美浦所属馬で馬券に絡んだのは12年のイジゲンと15年のノンコノユメのみ。この2頭については「3歳馬」「上位人気」「外国人騎手騎乗」の共通点があった。
他の強いデータが出ていない限りは基本的に栗東の馬から買いたいレース。人気が予想されるレモンポップは美浦所属かつ鞍上は戸崎騎手の予定。このデータからは割引きが必要か?
■脚質別成績
逃げ【1.0.0.9】
勝率10.0%、連対率10.0%、複勝率10.0%
先行【1.3.4.26】
勝率2.9%、連対率11.8%、複勝率23.5%
中団【4.6.2.55】
勝率6.0%、連対率14.9%、複勝率17.9%
後方【4.1.4.38】
勝率8.5%、連対率10.6%、複勝率19.1%
ダート重賞だと逃げ先行馬を狙いたくなるものだが、武蔵野Sでは東京の長い直線を後押しに中団より後ろからの差しが届く。昨年の4角7番手のソリストサンダーが差し切り、4角13番手のオメガレインボーが3着まで追い込んだ。
上記の傾向とも関連した傾向がもうひとつ。武蔵野Sではとにかく上がりの脚、決め手が重要となる。
上がり1位【6.0.3.2】
勝率54.5%、連対率54.5%、複勝率81.8%
上がり2位【1.4.0.6】
勝率9.1%、連対率45.5%、複勝率45.5%
上がり3位【0.4.1.8】
勝率0.0%、連対率30.8%、複勝率38.5%
上がり4-5位【3.1.5.10】
勝率15.8%、連対率21.1%、複勝率47.4%
上がり6位以下【0.1.1.102】
勝率0.0%、連対率1.0%、複勝率1.9%
上がり1位の勝率は54.5%、複勝率は81.8%と驚愕の数字。そのうえ単勝回収率は453%、複勝回収率も398%とくればケチの付けようがない。上がり性能のある馬はしっかりフォローしておきたい。
反対に上がり6位以下の馬はサッパリ結果を残せていない。複勝率1.9%を狙うのはいささか筋悪の感があり、位置取りのアドバンテージより直線での伸び脚を重視すべき重賞と言える。
<データからのピックアップ>
・タガノビューティー
栗東・西園正厩舎所属の5歳馬。追い込み一辺倒の脚質で上がりの脚が魅力の1頭だ。昨年の武蔵野Sでは1番人気に支持されたものの、1枠が祟り6着敗戦。外枠に入るようなら狙い目になりそうだ。昨年のリベンジを期待する手はあるだろう。
・スマッシングハーツ
特別登録時点では除外対象であるものの、妙味がありそうなこの馬の名前も挙げておきたい。栗東所属かつ近年好調の6歳馬であることに加え、常に安定して上がりの脚を使えるのが強み。最大の敵は出走枠に入れるかどうか。出られるようなら要注目だ。
(Text:inoue)
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