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コラム

2022/05/10  UMAJiN.net/データ部「重賞攻略データ」

【ヴィクトリアマイル(GI)攻略データコラム】阪神牝馬S組を仕分けるポイントとは?

ヴィクトリアマイル(GI) 4歳以上牝馬 定量 東京芝1600m
※データについては過去10年分を参照した。

■人気別成績
1番人気【3.2.0.5】
2番人気【0.0.1.9】
3番人気【0.1.1.8】
4番人気【1.2.0.7】
5番人気【2.0.3.5】
6-9番人気【3.1.3.33】
10番人気以下【1.4.2.80】

1番人気の勝率は30%、連対率・複勝率はいずれも50%ということでそれほど人気馬に信頼を置けないレース。そのうえ勝った1番人気のうち2頭は2020年アーモンドアイ、2021年グランアレグリアと牝馬限定戦に出てくるのはある意味“反則”レベルの馬だった。

2番人気、3番人気はさらに苦戦しており、この10年で2番人気が馬券になったのは2016年のショウナンパンドラだけだ。

反対に10番人気以下からでもポコポコと馬券になる馬が出ている。それを象徴するのが2015年のレースで、5番人気ストレイトガール→12番人気ケイアイエレガント→18番人気ミナレットの順で決まった3連単の配当は2070万5810円。一攫千金の夢を見れるGIであることには間違いない。

■年齢別成績
4歳【4.6.3.63】
勝率5.3%、連対率13.2%、複勝率17.1%
5歳【4.3.6.55】
勝率5.9%、連対率10.3%、複勝率19.1%
6歳【1.1.1.24】
勝率3.7%、連対率7.4%、複勝率11.1%
7歳【1.0.0.5】
勝率16.7%、連対率16.7%、複勝率16.7%

一応の主力は4歳馬、5歳馬だが6歳以上もそれほど大きな差はない。思っていた以上にフラットな構図となっており、それほど年齢を気にする必要はないだろう。

■所属別成績
関東馬【4.3.4.52】
勝率6.3%、連対率11.1%、複勝率17.5%
関西馬【6.7.6.95】
勝率5.3%、連対率11.4%、複勝率16.7%

コチラも年齢別成績と同じくフラットな構図。数としては関西馬の方が多いが率に直すとほぼ互角だ。無理にどちらかを重視したり、反対に軽視したりする必要はない。

■枠番別成績
1枠【0.0.4.16】
勝率0.0%、連対率0.0%、複勝率20.0%
2枠【2.1.2.15】
勝率10.0%、連対率15.0%、複勝率25.0%
3枠【3.0.1.16】
勝率15.0%、連対率15.0%、複勝率20.0%
4枠【0.3.0.16】
勝率0.0%、連対率15.8%、複勝率15.8%
5枠【0.3.0.16】
勝率0.0%、連対率15.8%、複勝率15.8%
6枠【3.0.0.17】
勝率15.0%、連対率15.0%、複勝率15.0%
7枠【2.0.1.26】
勝率6.9%、連対率6.9%、複勝率10.3%
8枠【0.3.2.25】
勝率0.0%、連対率10.0%、複勝率16.7%

複勝率ベースでみるとほぼ横並びで、いわゆる「死に枠」は存在しないといっていいだろう。

注目したいのは人気馬の枠別の成績。内寄り枠(1-4枠)に1-3番人気が入った際の成績は【1.1.1.11】で勝率7.1%、複勝率21.4%だったのに対し、外寄り枠(5-8枠)に1-3番人気が入った際の成績は【2.2.1.11】で勝率12.5%、複勝率31.3%と差がついている。

昨年はグランアレグリアが3枠6番から勝ち切ったが、レースを見ると早い段階で鞍上のC.ルメール騎手が馬群の外へと誘導していた。人気馬は馬群に包まれることのないポジションを早めに確保することがこのレースで好成績に繋がるのだろう。

■前走距離別成績
今回延長【2.1.3.44】
勝率4.0%、連対率6.0%、複勝率12.0%
今回短縮【5.4.3.46】
勝率8.6%、連対率15.5%、複勝率20.7%
同距離 【3.5.4.57】
勝率4.3%、連対率11.6%、複勝率17.4%

成績がいいのは今回短縮、すなわち前走でマイルより長い距離を使っていた組。2019年ノームコア、2020年アーモンドアイ、2021年グランアレグリアと近3年の勝ち馬はいずれも短縮組だった。

距離延長で馬券に絡んだのはノームコア(2020年3着)、ストレイトガール(2015年3着、2015年1着)、ヴィルシーナ(2014年1着)、ホエールキャプチャ(2013年2着)、マルセリーナ(2012年3着)といずれもヴィクトリアマイルより前にGIで馬券になった実績がある馬たちだった。距離延長組はGIで通用する脚力をあらかじめ示していないと少々買いづらい。

■前走クラス別成績
条件戦【0.0.0.10】
勝率、連対率、複勝率いずれも0.0%
OP特別【0.0.0.2】(※リステッド競走含む)
勝率、連対率、複勝率いずれも0.0%
GIII【2.5.2.44】
勝率3.8%、連対率13.2%、複勝率17.0%
GII【5.5.6.70】
勝率5.8%、連対率11.6%、複勝率18.6%
GI【3.0.2.18】
勝率13.0%、連対率13.0%、複勝率21.7%
海外・地方【0.0.0.3】(※格付け問わず)
勝率、連対率、複勝率いずれも0.0%

前走で重賞を走っていた馬でなければ馬券に絡むことができないのは面白い傾向。条件戦組は苦戦を強いられている。

前走で国内GIを走っていた馬のうち、距離短縮でここへ挑んだ馬は【2.0.0.1】。東京芝マイルでスタミナが問われた際に長い距離を走っていた経験が活きるということか。ちなみに今年の登録馬のうち、前走で2000m以上の国内GIを走っていたのはアカイイト、レイパパレの大阪杯組2頭だ。

前走GII組の大半は【4.4.5.60】の阪神牝馬S組。近10回のうち、2015年を除く9回で馬券に絡んでおり無視できない存在だ。阪神牝馬S組の取捨選択のために覚えておきたいのは「チョイ負け組」を狙うこと。

阪神牝馬Sを勝ってここに臨んだ馬が【0.1.0.9】なのに対し、2-3着馬は【1.2.4.9】で複勝率43.8%。また阪神牝馬Sで0秒2差以内の負けだった馬は【1.2.4.16】で複勝率30.4%と狙える数字になる。今年の登録馬でこの2つの条件を満たすのはアンドヴァラナウトとデゼルだ。

GIII組の主力は【2.2.0.8】の中山牝馬S組。同じ牝馬限定戦の福島牝馬Sから臨んだ馬は【0.1.2.22】なので、より間隔をとれる中山牝馬S組の方が優位となっている。今年の登録馬ではテルツェット、ミスニューヨーク、ローザノワールが該当する。

前走でJRA以外の競走を走っていた馬は1頭も馬券になっていない。サンプル数は少ないが少々気になる傾向だ。前走が香港のデアリングタクトは長期休養に加えてその辺りがどうか。

■前走上がり3F順位別成績
前走上がり3F1-5位【3.6.5.76】
勝率3.3%、連対率10.0%、複勝率15.6%
前走上がり3F6位以下【7.4.5.68】
勝率8.3%、連対率13.1%、複勝率19.0%

直線の長い府中で行われるGIとしては少々意外な傾向なのだが、前走の上がり3F順位がそれほど良くなかった馬の方が好成績を収めている。

2015年の12番人気2着ケイアイエレガントや18番人気3着ミナレット、2014年の11番人気ヴィルシーナなどはいずれも前走の上がり3F6位以下。上がりの脚を使える馬に人気が集まりがちということもあり、高配当の使者は前走で切れ負けした馬の中に潜んでいるかもしれない。

■種牡馬別成績
※今回の登録馬の父のうち、産駒がヴィクトリアマイルに出走したことがある馬を抽出した。

ディープインパクト【4.5.5.38】
勝率7.7%、連対率17.3%、複勝率26.9%
クロフネ【1.1.0.7】
勝率14.3%、連対率22.2%、複勝率22.2%
ハーツクライ【0.1.0.7】
勝率0.0%、連対率12.5%、複勝率12.5%
キングカメハメハ【0.1.0.14】
勝率0.0%、連対率6.7%、複勝率6.7%
ダイワメジャー【0.0.0.10】
勝率、連対率、複勝率いずれも0.0%
マンハッタンカフェ【0.0.0.9】
勝率、連対率、複勝率いずれも0.0%
キズナ【0.0.0.2】
勝率、連対率、複勝率いずれも0.0%
オルフェーヴル【0.0.0.1】
勝率、連対率、複勝率いずれも0.0%

ディープインパクト産駒はここでもさすがの強さを誇る。他の追随を許さない4勝の実績だ。クロフネも悪くない成績。ただ馬券に絡んだのはいずれもホエールキャプチャによるものだった。

意外なのはダイワメジャー産駒の大不振。のべ10頭が出走しておきながら馬券に絡んだ馬が0頭というのは少々寂しい結果だ。昨年もレシステンシアが2番人気で6着に敗れている。

キズナ、オルフェーヴルの産駒はサンプルが少なく、エピファネイア産駒は出走歴すらない。この辺りについては今後のデータ蓄積が待たれるところ。

ちなみにクラス問わず東京芝1600mにおける成績を見てみると以下の通りになる(集計期間は2021年の1年間)。

ディープインパクト【15.7.9.63】
勝率16.0%、連対率23.4%、複勝率33.0%
エピファネイア【5.3.4.22】
勝率14.7%、連対率23.5%、複勝率35.3%
キングカメハメハ【4.4.4.20】
勝率12.5%、連対率25.0%、複勝率37.5%
モーリス【4.3.3.25】
勝率11.4%、連対率20.0%、複勝率28.6%
ハーツクライ【3.5.5.16】
勝率10.3%、連対率27.6%、複勝率44.8%
キズナ【2.3.1.20】
勝率7.7%、連対率19.2%、複勝率23.1%
リアルインパクト【2.2.2.10】
勝率12.5%、連対率25.0%、複勝率37.5%
ダイワメジャー【2.0.0.26】
勝率7.1%、連対率7.1%、複勝率7.1%
American Pharoah【1.2.0.2】
勝率20.0%、連対率60.0%、複勝率60.0%
クロフネ【1.0.0.4】
勝率20.0%、連対率20.0%、複勝率20.0%
オルフェーヴル【0.1.1.10】
勝率0.0%、連対率8.3%、複勝率16.7%
キングズベスト【0.0.0.1】
勝率、連対率、複勝率いずれも0.0%
マンハッタンカフェ【0.0.0.1】
勝率、連対率、複勝率いずれも0.0%

昨年の成績を見てもやはりディープインパクト産駒が強いことが分かる。またエピファネイア産駒もそれに次ぐ成績を残しており相性は良さそうだ。

一方でコチラのデータからもダイワメジャー産駒の不振傾向が。のべ28頭が出走し、馬券になったのは未勝利戦と1勝クラスで1レースずつ。上級条件では軒並み苦戦していた。

オルフェーヴル産駒も同様に苦戦ぎみ。10頭以上が出走しながら勝ち馬を出せていないのは少々気になる。

【データからのピックアップ】
・レイパパレ
前走は芝2000mのGI大阪杯で2着。大阪杯からの参戦は昨年のグランアレグリアと同じパターンだ。前走の上がり3F順位は10位で、さらにはこのレースと相性の良いディープインパクト産駒。久々のマイルさえ克服できれば昨年の大阪杯以来のGI戴冠がありそうだ。

・アンドヴァラナウト
前走は阪神牝馬Sで0秒1差の2着。「阪神牝馬S組はチョイ負け組を狙う」方針に合致するのがこの馬だ。その阪神牝馬Sでは勝ち馬の切れに屈した形になったが、負け方としては悪くなかった。中距離もこなせるスタミナを活かしてGI初制覇を目指す。

・ミスニューヨーク
大穴候補として連対率33.3%の中山牝馬S組からこの馬をピック。末脚型のこの馬だが前走は上がり3F6位と弾け切れなかった。しかしながらデータ上ではむしろヴィクトリアマイルで買いになる。デアリングタクトと2頭出しの杉山晴厩舎。「2頭出しは人気薄」という古来より伝わる格言が炸裂する可能性も?

(Text:inoue)

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