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開催が1週前倒しされ、開幕週の阪神から最終週の京都で開催されることになった阪急杯。わずか1週とはいえ、条件は大きく変わりました。

前回、京都で阪急杯が開催されたのは30年前で、その年の1月に発生した阪神・淡路大震災によって阪神競馬場が甚大な被害を受けたためでした。また、当時の阪急杯は6月の開幕週（5月は中京開催）、現在でいえば安田記念の前日におこなわれており、そのせいか、この週の京都は超高速馬場。結果は、父トウショウボーイ譲りのスピードを武器に逃げたボディーガードがゴール前で二枚腰を発揮し、ゴールドマウンテンらの追撃をハナ差封じて4頭横一線の大接戦を制しました。

ちなみに、ボディーガードは函館3歳Sとデイリー杯3歳Sで後の三冠馬ナリタブライアンに2度先着していますが、これはナリタブライアンがシャドーロールを装着する前の話。続く京都3歳Sからシャドーロールを装着し「怪物」へと変身した同馬は、その後、朝日杯3歳Sと共同通信杯4歳Sでボディーガードに雪辱を果たし、三冠も達成。年末には有馬記念も制して、現役最強馬へと駆け上がりました。

一方、ボディーガードは勝利から見放されたものの、松永幹夫騎手（現・調教師）とのコンビ再結成2戦目となったこの阪急杯で見事に復活。デイリー杯3歳S以来1年7ヶ月ぶりに味わった美酒はコースレコードのおまけ付きで、価値ある重賞2勝目でした。

それでは予想に。

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今回は、阪急杯の過去5年と、リニューアル後の京都芝・外1400ｍを深掘り調査。好走傾向から買い条件を探し出し、本命馬を見つけます。

まずは阪急杯の過去5年の成績。買い条件は下記9項目でした。

（1）前走着順
（2）前走距離
（3）前走人気
（4）キャリア
（5）馬齢と前走上がり
（6）前走の枠順
（7）前走場所
（8）乗り替わりの有無
（9）生月

続いて京都芝・外1400ｍの成績。買い条件は下記2項目でした（期間は2023年4月22日から2025年2月16日まで）。

（10）調教師
（11）騎手

近年の好走傾向から買い条件となったのは計11項目。その中で（1）は前走着順について。 過去5年の阪急杯は、前走2着以内に好走した馬が［3-4-2-10/19］。勝率15.8％、複勝率47.4％。単勝回収率、複勝回収率とも155％。複勝率はわずかに50％を下回っているものの、非常に分かりやすい買い条件です。
◇該当馬＝フルメタルボディー、フォーチュンタイム

次は（2）。前走距離。
近年の阪急杯は、前走も1400ｍを走った馬が有利。そのうち、ニアークティック系かロイヤルチャージャー系かナスルーラ系種牡馬を母の父に持つ馬は［3-3-2-8/16］。勝率18.8％、複勝率50.0％。単勝回収率184％、複勝回収率155％。該当馬の半数が好走していました。
◇該当馬＝フルメタルボディー、フォーチュンタイム、モズメイメイ、ソーダズリング、ダノンマッキンリーなど8頭

（3）は前走人気です。
前走、同級2番人気以内の馬が［0-0-1-8/9］と、不振の当レース。一方、前走、重賞かリステッド含むオープンで3、4番人気か、3勝クラスで3番人気以内。なおかつ前走、芝・良馬場のレースに出走した馬は［4-3-1-7/15］。勝率26.7％、複勝率53.3％。単勝回収率212％、複勝回収率133％と、文句なしの成績でした。
◇該当馬＝フォーチュンタイム、スズハローム

（4）はキャリアについて。
キャリア11戦から15戦と、21戦以上の馬が［1-2-1-49/53］と、振るわない阪急杯。これに対し、キャリア10戦以下か16から20戦。かつ前走時、馬体重が4kg以上増えていた馬は［4-2-2-6/14］。勝率28.6％、複勝率57.1％。単勝回収率90％、複勝回収率135％と、素晴らしい成績でした。
◇該当馬＝フォーチュンタイム、モズメイメイ、ソーダズリング、ダノンスコーピオン、ダノンマッキンリー

（5）は馬齢と前走上がり。
前項とやや重なりますが、5歳以下の若馬が強い当レース。そのうち、前走上がり10位以内、かつ、そのレースの3コーナーで7番手以内に位置していた馬は［2-3-1-6/12］。勝率16.7％、複勝率50.0％。単勝回収率60％、複勝回収率177％。（2）と同じく、該当馬の半数が好走していました。
◇該当馬＝フルメタルボディー、フォーチュンタイム

（6）は前走の枠順です。
近年の阪急杯は、どういうわけか前走2枠からスタートした馬が［4-0-1-5/10］。勝率40.0％、複勝率50.0％。単勝回収率326％、複勝回収率148％。勝率の高さは魅力といえます。
◇該当馬＝シュバルツカイザー、ヴァトレニ、モズメイメイ

続いては（7）。前走場所について。
前走、東京か中山のレースに出走した馬の好走率が高い阪急杯。そのうち、栗東所属騎手騎乗馬は［1-2-2-5/10］。勝率10.0％、複勝率50.0％。単勝回収率223％、複勝回収率264％。こちらも、該当馬の半数が好走していました。
◇該当馬＝ドナベティ、スズハローム

（8）は乗り替わりの有無。
過去5年の阪急杯は、継続騎乗組の成績が乗り替わり組の成績を大きく上回っていました。そのうち毛色が鹿毛か栗毛。なおかつ、前走17頭立て以下のレースに出走した馬は［3-3-0-3/9］。勝率33.3％、複勝率66.7％。単勝回収率98％、複勝回収率163％。該当馬は多くないものの、凄まじい成績を残しています。
◇該当馬＝フルメタルボディー

そして（9）は生月です。
遅生まれが強い当レース。とりわけ、5月以降に生まれた馬が、前走から中3週以上の間隔を開けて出走してくると［2-1-2-3/8］。勝率25.0％、複勝率62.5％。単勝回収率81％、複勝回収率137％。（8）と同じく、複勝率は6割を超えていました。
◇該当馬＝ヴァトレニ

ここからは、リニューアルオープン以降の京都芝・外1400ｍの成績で、（10）はこのコースに強い調教師について。4名取り上げます（カッコ内は回収率。以下、同じ）。

・清水久詞調教師［4-0-2-9/15］　勝率26.7％（218％）、複勝率40.0％（123％）
・吉村圭司調教師［3-2-2-6/13］　勝率23.1％（150％）、複勝率53.8％（174％）
・吉岡辰弥調教師［2-0-3-9/14］　勝率14.3％（102％）、複勝率35.7％（154％）
・矢作芳人調教師［0-7-1-10/18］　複勝率44.4％（127％）
◇該当馬＝フルメタルボディー、オオバンブルマイ、フォーチュンタイム、ドナベティ

4名とも文句なしの成績ですが、特に触れたいのが吉村圭司調教師。京都芝・外1400ｍのレースに管理馬を10回以上出走させたすべての調教師の中で最も複勝率が高く、昨年もエイシンスポッターがリステッドの安土城Sを勝利。秋には、オフトレイルがスワンSで2着、阪神Cでも3着と連続して好走しました。今回はオオバンブルマイが出走します。

そして最後は（11）。このコースに強い騎手。1名ピックアップしました。

・北村友一騎手［3-3-3-11/20］　勝率15.0％（61％）、複勝率45.0％（123％）
◇該当馬＝ダノンマッキンリー

阪急杯に騎乗するジョッキーに限らず、当コースで10回以上騎乗したすべてのジョッキーの中で最も複勝率が高い北村友一騎手。今回はダノンマッキンリーに騎乗しますが、昨年のファルコンSで同馬に初タイトルをもたらしました。

これら11の条件を踏まえ、印と買い目を下記のとおりとします。

◎8フォーチュンタイム
○3フルメタルボディー
▲17ダノンマッキンリー
☆12モズメイメイ
△13ソーダズリング
△10スズハローム
△15ダノンスコーピオン
△9ヴァトレニ

【単勝】3（1点）
【馬単/マルチ】8⇔3,17,12,13,10,15,9（14点）
【ワイド】8＝3,17,12,13,10,15,9（7点）
【3連複/フォーメ】8＝3,17,12＝3,17,12,13,10,15,9（15点）

本命は、6項目に合致したフォーチュンタイム。以下、5項目合致のフルメタルボディーを対抗とし、3項目に合致した馬が2頭いました。

重賞初出走とはいえ、ここまで5戦4勝2着1回とまだ底を見せていないフォーチュンタイム。父グレーターロンドンや、その母ロンドンブリッジと同じ名門・下河辺牧場の生産馬です。
1400ｍ戦に出走したのは前走が初めてでしたが、2着に2馬身半差をつける完勝。鞍上のR・ムーア騎手も「1400ｍがベスト」とコメントしていたそうで、同じ舞台でおこなわれる今回も非常に楽しみです。
上記のコメントから、次走、高松宮記念に出走するかはわかりませんが、短距離界のスターになってもおかしくない逸材。ここはなんとしても勝利し、今後のために賞金を加算して欲しいところです。

馬券はまず、フォーチュンタイムからの馬単マルチとワイドを購入。ただ、単勝に関しては妙味のある対抗フルメタルボディーを買い、さらに、1列目にフォーチュンタイム、2列目に○▲☆、3列目にフォーチュンタイム以外の印7頭を塗った3連複フォーメーションも買います。

それでは土曜日も競馬を楽しみましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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