20年以上にわたって競馬を観てきたこともあり、その勝ち方に驚く場面はほとんどない。ノーステッキでの勝利、大逃げでの圧勝、大外一気のぶっこ抜き。「ああ、あの時のあれか」と該当するシーンが複数浮かんでくる。

ただ、ショウヘイの未勝利戦には驚かされた。

「もう抑えてるじゃん……」

道中は3-4番手を追走し、抜群の手応えで直線へ。そこからアッサリ抜け出すわけだが、残り200m付近で川田将雅は馬にブレーキをかけるような体勢に。5馬身差以上のぶっちぎりではよく見られる光景だが、まだ距離があるし2馬身ほどしか後続を引き離していない。キャリアの浅い2歳馬、下手したら油断騎乗になりかねないだろう。

1分48秒9の勝ち時計、2着に2馬身半差の着差は平凡。馬柱だけで判断すれば光る部分を見出しにくいが、レース映像を観てこそ得られるものがある。私が映像を観てわかったこと、それはショウヘイがシンプルに強いということだ。

この中間は友道康夫厩舎らしくウッド中心の調教。そのなかで4F50秒7、ラスト1F11秒4と申し分ない時計をマークしている。現3歳世代は2歳王者アドマイヤズーム、3戦3勝のエリキングが川田将雅のお手馬候補だが、その勢力図を塗り替えるだけの可能性を秘めていると私は思っている。

いざ、クラシック戦線へ。ショウヘイの本命に迷いはない。

相手本線には同じ前走未勝利組のリンクスティップを抜擢。

早め先頭からそのまま押し切る、C.デムーロの勝ちパターンで突き抜けた前走。4角先頭で上がり3F最速は高く評価できるものだ。2012年以降、京都開催年のきさらぎ賞において前走芝2000ｍを上がり最速で制した馬は【4-1-1-1】。高速馬場とはほど遠いタフな馬場コンディションから、距離短縮ローテもプラスに働きそうだ。

ミニトランザットも軽視禁物。

逃げ切り勝ちの新馬戦から一転、出遅れて後方から追い込む競馬を選択した前走。結果的にドンピシャの展開となり、今回とる戦法の選択肢が広がった一戦だった。サトノシャイニングが控える展開が濃厚なことから、ここで再び逃げる可能性あり。マイペースで運んだ際の押し切りは警戒したい。

サトノシャイニングはこの位置。

逃げる形となった前走東スポ杯2歳S。上がり3F33秒5の脚を使いつつ勝てなかったのだから、素直に勝ち馬クロワデュノールを褒めるべきだろう。とはいえ盤石と言い切るにはまだ早く、2012年以降、京都開催年のきさらぎ賞において前走東スポ杯2歳S組は【0-0-1-4】。高速馬場の東京と冬でタフな京都芝外回りはリンクしづらいとのデータから、何かに先着される可能性は頭に入れておくべきか。

【京都11R　きさらぎ賞予想の印】
◎６ ショウヘイ
〇２ リンクスティップ
▲４ ミニトランザット
☆10 サトノシャイニング
△７ ランスオブカオス
△５ エリカアンディーヴ
△１ ジェットマグナム
△９ ウォーターガーベラ

【馬単】6→2,4,10（3点）
【3連複/フォーメ】6＝2,4,10＝2,4,10,7,5,1,9(15点)