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競馬サロン

調教ライター 西村武輝

2024/11/29 18:00

ステイヤーズステークス2024 最終結論【調教】3000m級レースへの資質十分!格上挑戦の伏兵馬に◎【重賞深掘りPROJECT】

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カレンダー上はまだ11月ですが、いよいよ師走競馬に突入。明日土曜、開幕迎える中山で行われるのは名物マラソンレース「ステイヤーズS」ですね。

今年で58回目を迎える伝統の一戦。他路線でちょっと強い馬がおいそれとタイトルを奪うことができない、まさに生粋のスタミナ&パワータイプのためのレースで、ここだけ隔絶された世界といった感さえ。となれば“リピーター”が多いのも頷けるところです。

ではさっそく過去の上位入線馬の調教傾向から見ていくことにしましょう。対象は2021-2023年の馬券対象9例。

最終追いはコースが6例、坂路が3例でコース組が優位。坂路3例のうち坂路オンリーは昨年1着アイアンバローズ、同3着マイネルウィルトスの2例でした。アイアンバローズはそれまで併用型でどちらかと言えばCWメインだったのが、立て直した秋初戦のアルゼンチン共和国杯でもさっぱり走らず、なんとか変化を求めて上村師が坂路オンリーに切り替えたのが奏功したもの。

このあたりの柔軟さは、さすが若き名伯楽ですね。

なおコース組は6例中5例が坂路も併用しており、併用組が優位。コースオンリーは昨年2着テーオーロイヤルの1例だけ。こちらはこちらで併用でビシッと追った骨折明けの復帰戦・アルゼンチン共和杯でさっぱり走らず、レース感覚を取り戻すべく中間は帝王賞ホース・メイショウハリオとの併せ馬3本などCW調整に徹したものでした。

ここでの2着で自信を取り戻したか、今年前半に圧巻の3000m級重賞3連勝を果たしたのは皆さまご存知の通り。

なお日曜追いは9例すべてが実施。調教負荷は中3週だった2021年2着アイアンバローズ、軽め調整で結果を残していた2022年2着プリュムド?ルの2例が馬なりオンリーでしたが、残り7例は中間どこかでしっかり負荷を掛けられていた。やはりスタミナ比べの前に、強い攻めをこなしているのが理想的か。

以上を踏まえ「ステイヤーズS」追い切り診断で【8点】【7点】と上位評価された馬を見ていきましょう。

■ゴールデンスナップ【7】
坂井騎手騎乗 栗東CW併せ馬 先行させた2勝クラスへ楽々取り付き併走。やや一本調子ではあったが、上々の素軽さを保って加速し馬なりのまま併入とした。序盤の折り合いは申し分なかったし、精神面はいい状況にありそう。一連の好調キープだ。

■シュヴァリエローズ【7】
助手騎乗 栗東坂路単走 セーブ気味の入りながら前向きな雰囲気で登坂。渋った馬場にも勢いを削がれることなく、馬なりのまま駆け抜けている。土曜の3頭併せで遅れたが、大差を追走したもので問題なしだ。依然好調域にある。

■ダンディズム【7】
助手騎乗 栗東坂路単走 渋った馬場を苦にせず、まとまりのあるシャープなフォームで登坂。ラストまでまったくの馬なりを保ってラスト2F12秒5-12秒4と失速せずにまとめていた。前走の反動は感じられず、引き続き好調。

■フェーングロッテン【7】
助手騎乗 栗東坂路単走 1週前に強い負荷を掛けられており、輸送を控える今週は息遣いを確認する程度の内容だった。終始前向きな雰囲気で登坂し、仕掛けへの反応も機敏。体調面はすこぶる良さそうだ。上々の気配。

■フォワードアゲン【7】
内田騎手騎乗 美浦ウッド単走 やや掛かり気味に進むが、鞍上がしっかり制御したようで素軽さを保って直線では馬場の真ん中を進む。ラストまで馬なりのまま軽快に駆け抜けた。秋に2戦使われ、いよいよ本調子か。

■マイネルケレリウス【8】
助手騎乗 美浦ウッド併せ馬 今週のラピスラズリSに出走するオープン馬キミワクイーンのリードホース役を務める。序盤から軽快に進んで相手を待ち、稽古駆けする相手との併走でも一切切れ負けせず、馬なりを保って併入とした。折り合い、加速ともに申し分なくこの秋でいちばんいい状態では。

■メイショウブレゲ【7】
助手騎乗 栗東坂路単走 ブレの少ないフォームで加速し、ラストは重心がやや高くなったが許容範囲。渋った馬場でも馬なりを保ってラスト2F12秒7-12秒8   でまとめており、連戦の疲れをまったく感じさせない。中間の本数も十二分で、依然好調域にある。

▼「ステイヤーズS」全頭追い切り評価はコチラ
https://uma-jin.net/new/salon/salon_detail/20585/0/112

スプリント重賞、マイル重賞などと異なり、やはりというかそこまで派手に見せない馬が多い傾向にありますね。

そんななか最高【8】点としたのはマイネルケレリウス

前走の大敗が不可解ですが、直前の攻めが芝コースで70-40程度だったことを考えると、休み明けだった2走前を叩いてなんらかの反動があったと考えるべきでしょう。

そこから休ませて立て直すことを選ばず、中6週の今回は明らかに前走を凌駕する攻め気配。まず距離延長を意識し、ゆっくり入り折り合いをしっかり教え込み、1週前追いではこの秋初めて目一杯まで負荷を掛けスタミナの底上げを図りました。

今週はキミワクイーンを先導してある程度のラップを刻みつつ、終いまで素軽さを保たせる絶妙な調整。短距離路線の活躍馬相手に切れ負けしなかったのは大いに評価していいでしょう。

ただし、ここまでの最長が2000mまでで、いきなりGIIの3600m戦は試金石にも程があるのは確か。“へばったことがない”との陣営コメントですが、ならば条件戦時代に長いところを試して欲しかった。伯父に長距離砲マイネルキッツがいるのは魅力的ですが、しばらく左回りにこだわっており、今回なんと2歳12月の葉牡丹賞(8着)以来の右回り戦というのも試練。

デキの良さを信頼したいですが、さすがに中心視までは……ということで▲まで。ここでメドを立て、ダイヤモンドSあたりで勝ち負けの競馬というのが現実的なセンか。

ゴールデンスナップ

3勝クラスの立場で、別定GIIへの挑戦はいささか家賃が高く感じるところですが、同様のシチュエーションだった今年3月の阪神大賞典で5着は大いに評価できる内容。

着差こそ1秒2差ですが、勝ち馬テーオーロイヤルが強すぎただけ。2着ワープスピードには0秒4差。叩き4戦目で体を大きく減らしていたコンディション面を考えると、3000m級のレースならGIIレベルで通用するスタミナの持ち主と考えていい。

近2走は連続2着でパンチに欠ける嫌いがあるものの、タイランドCは再三の不利があったし、前走・古都Sは8頭立てでスローペースとなり直線平坦の決め手比べで分が悪かったか。

阪神大賞典で追ってバテずジワジワと脚を伸ばしたあたり、ある程度頭数が揃っての消耗戦かつ坂でのパワー比べの方が、この馬にとって望ましいシチュエーションでしょう。

攻めは順調で坂路2本、CW併せ馬2本と理想的。日曜追いの坂路でしっかり負荷は掛かっており、なにより5週前の前走経験がいい調教代わりとなって心肺機能の底上げはしっかり測れている。古都S組は2021年勝ち馬ディバインフォース、2022年2着プリュムドールを送り出しています。

主戦・浜中騎手が裏のチャレンジCでディープモンスターに騎乗するため乗り替わりとなるのだけが残念ですが、代打が坂井騎手なら心強い。ここをステップに来期の長距離戦線では主役を担う存在になって欲しい。

対抗にメイショウブレゲ。秋初戦の京都大賞典で最低11番人気から3着に入りアッと言わせた馬ですね。

今年の春は相手関係の強さ以前に攻めで覇気が感じられず、明らか本調子になかった。それが京都大賞典時の攻めでは活気を取り戻しており、あの激走も個人的には驚きはありませんでした。前走のアルゼンチン共和国杯時の攻めも上々。結果は7着凡走でしたが、異様に外が伸びるトラックバイアスのなか枠(1枠2番)なりに内々を回さざるを得ず、直線もインを突いた分でしょう。手応え自体はしっかり残っており、状態が良かったのは間違いない。

その前走が不完全燃焼だったおかげで、まだ余力が残っているのかこの中間の攻めもキビキビ。この秋は本当に状態がいいんだと思います。

平坦巧者のイメージがあり、初体験の中山でどこまで……という分、対抗としましたが3000mオープンを勝っている実績は大きい。一発があっても。

シュヴァリエローズは今年ジワジワとパフォーマンスを上昇させ、休み明けの前走・京都大賞典で待望の重賞初勝利。ここへ来て力をつけていますね。

しかしやはり初体験の3000m級レース、過去【0.0.0.5】の中山で勢い持続となるかは、半信半疑でもある。

今週の攻めこそ上々に見えましたが、中7週のこの中間で馬なりオンリーなのもちょっと引っ掛かります。ある程度人気となりそうですが☆まで。

ダンディズムは高いレベルで安定。福島記念から中2週という昨年と同ローテで臨んでおり、出遅れて6着だった昨年のリベンジ……という陣営の意欲を感じるところでもあります。ならば昨年以上の着順があっても。

フェーングロッテンは近2走の走りからだとちょっと手を出しづらいんですが、前走時も攻めだけは本当に良かった。この中間の攻めもいい。

本来ならチャレンジCに進みそうなところ登録すらせずこちら一本に絞ったのは不気味に感じるところで、一票を投じておきたい。

アイアンバローズは攻めではどうも気乗りしない雰囲気があり、調教採点は【6】。陣営コメントも「アルゼンチン共和国杯を叩きたかった……」と控えめですが、やはりスペシャリストがリピーターとなるレース。攻め本数自体は足りていると判断し、適性に期待して押さえます。

フォワードアゲンは体調こそ良さそうも、掛かり気味で折り合い面でどうか。無印としました。

以下、最終結論です。どうぞご参考に!


<調教ライター・西村武輝「ステイヤーズS」最終結論>
◎14 ゴールデンスナップ
○7 メイショウブレゲ
▲11 マイネルケレリウス
☆4 シュヴァリエローズ
△1 ダンディズム
△10 フェーングロッテン
△3 アイアンバローズ

【単勝】14(1点)
【馬連】14=7,11,4,1,10,3(6点)
【3連複/フォーメ】14,7=14,7,11,4=14,7,11,4,1,10,3(19点)
【3連単/フォーメ】14,7→14,7,11,4→14,7,11,4,1,10,3(30点)


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