【競馬サロン】読者の皆さん、こんにちは。

調教ライター・西村武輝です。それではさっそく「ステイヤーズS」全頭追い切り診断となります。

●11月30日　ステイヤーズS（GII、中山、芝3600m）
　
■アイアンバローズ　助手騎乗　栗東坂路単走　序盤は気乗りしないようなトボけた雰囲気で登坂。仕掛けられたラストも一定の素軽さはあったものの、ギアが上がり切らないままフィニッシュを迎えている。1週前にある程度速い時計を出せており、体調は悪くなさそうだが、気持ちの面ではまだ整っていないか。【6】

■ウェルカムニュース　助手騎乗　栗東CW併せ馬　外先導で後方からの新馬を迎え撃つ併せ馬。直線で体が並んでからの加速では重心が高くなり、結局終始アオられた末にクビほどの遅れ入線に終わっている。まったく稽古駆けしない馬なので致し方ない面もあるが、攻めからの強調材料は乏しい。【5】

■クールミラボー　助手騎乗　栗東CW併せ馬　チャンピオンズCに出走するセラフィックコールらとの3頭併せだったが、直線半ばで脱落する格好に。それでも気持ちの強さは感じさせ、仕掛けに反応してジワッと脚を伸ばせていた。単純に芝でどうかも、2カ月ぶりだった前走よりはいい状態で走れるのでは。【6】

■ゴールデンスナップ　坂井騎手騎乗　栗東CW併せ馬　先行させた2勝クラスへ楽々取り付き併走。やや一本調子ではあったが、上々の素軽さを保って加速し馬なりのまま併入とした。序盤の折り合いは申し分なかったし、精神面はいい状況にありそう。一連の好調キープだ。【7】

■サンライズソレイユ　助手騎乗　栗東坂路単走　中1週の再東上となるため坂路で流した程度。ラストは1F13秒1（馬なり）と要したが、渋った馬場で無理をさせなかったものだろう。全体時計は悪くないし、爪不安明けを2回使われ順当に良化。【6】

■シュヴァリエローズ　助手騎乗　栗東坂路単走　セーブ気味の入りながら前向きな雰囲気で登坂。渋った馬場にも勢いを削がれることなく、馬なりのまま駆け抜けている。土曜の3頭併せで遅れたが、大差を追走したもので問題なしだ。依然好調域にある。【7】

■シルブロン　稲垣師騎乗　美浦坂路単走　ラストで気を抜くような場面はあったものの、指揮官が気合いを入れ直すよう仕掛けると体を大きく使って伸びることができていた。3カ月ぶりを考えると本数はいかにも少ないが、このひと追いで走れる態勢は整ったか。【6】

■ダンディズム　助手騎乗　栗東坂路単走　渋った馬場を苦にせず、まとまりのあるシャープなフォームで登坂。ラストまでまったくの馬なりを保ってラスト2F12秒5-12秒4と失速せずにまとめていた。前走の反動は感じられず、引き続き好調。【7】

■フェーングロッテン　助手騎乗　栗東坂路単走　1週前に強い負荷を掛けられており、輸送を控える今週は息遣いを確認する程度の内容だった。終始前向きな雰囲気で登坂し、仕掛けへの反応も機敏。体調面はすこぶる良さそうだ。上々の気配。【7】

■フォワードアゲン　内田騎手騎乗　美浦ウッド単走　やや掛かり気味に進むが、鞍上がしっかり制御したようで素軽さを保って直線では馬場の真ん中を進む。ラストまで馬なりのまま軽快に駆け抜けた。秋に2戦使われ、いよいよ本調子か。【7】

■フルール　助手騎乗　美浦ウッド併せ馬　2歳未勝利に胸を貸す形の併せ馬。内後方から来た相手を迎え入れ直線で併走に持ち込むと、若干の重苦しさがあり勢いも見劣ったが、この馬なりに気持ちを乗せて反撃し併入とした。稽古でそこまで派手に動かないのはいつものこと。大型馬が3カ月ぶりを使われ、型どおり上昇だ。【6】

■マイネルケレリウス　助手騎乗　美浦ウッド併せ馬　今週のラピスラズリSに出走するオープン馬キミワクイーンのリードホース役を務める。序盤から軽快に進んで相手を待ち、稽古駆けする相手との併走でも一切切れ負けせず、馬なりを保って併入とした。折り合い、加速ともに申し分なくこの秋でいちばんいい状態では。【8】

■ミクソロジー　助手騎乗　栗東坂路単走　セーブ気味の入りでやや行きたがる素振りを見せ、ラストは重い馬場に勢いを削がれて失速に終わっている。それでも一定の素軽さはあり、長期休養明けを2回使われジワジワと良化中。【6】

■メイショウブレゲ　助手騎乗　栗東坂路単走　ブレの少ないフォームで加速し、ラストは重心がやや高くなったが許容範囲。渋った馬場でも馬なりを保ってラスト2F12秒7-12秒8   でまとめており、連戦の疲れをまったく感じさせない。中間の本数も十二分で、依然好調域にある。【7】

＜追い切り評価＞は最終追いを含めた中間の調整全体の総合評価となり、10段階評価（10が最高、1が最低）です。