【競馬サロン】読者の皆さん、こんにちは。

調教ライター・西村武輝です。今週は前置きなしでシンプルに各重賞の調教採点をお届けいたします。

それでは以下「みやこS」全頭追い切り診断となります。

●11月3日　みやこS（GIII、京都、ダ1800m）
　
■アウトレンジ　助手騎乗　栗東CW単走　行きがけは頭が高いがいつものこと。直線への入り際で別厩舎の内を突いてきたがリズムを崩さず、負荷を掛けられた直線でいい伸びを示した。中間の負荷もしっかり掛かっており、4カ月ぶりの前走で快勝した反動は感じられない。高いレベルで安定。【7】

■オメガギネス　杉原騎手騎乗　美浦ウッド併せ馬　準オープン馬を6馬身ほど先に行かせて追走。直線半ばでもまだ前との差はあったが、満を持して促されると一気に体を沈めて切れ、1馬身抜け出しての先着とした。この馬としては短い間隔の中4週となるが、動きは文句なし。いい状態を維持できている。【7】

■ゲンパチルシファー　助手騎乗    　栗東坂路単走　全体、ラストともに平凡で鞍上が懸命に追ってジワッと伸びた程度だが、良くも悪くも稽古ではトボけて真面目に走らない馬。ここまでハード追いを3本こなしたことは評価していいだろう。走れる状態。【6】

■サンライズジパング　鮫島駿騎手騎乗　栗東坂路併せ馬　JBCクラシック出走を控えるノットゥルノと最終スパーリングを敢行。坂の手前で取り付き併走に持ち込んだが、先に手が動いた僚馬に対し、こちらは終始落ち着いた走りでアオる。最後まで優勢の手応え、好バランスを保って楽々併入とした。GI後の中3週だが、反動はなくむしろ上向きか。最高潮のデキ。【8】

■ダンテバローズ　助手騎乗　栗東CW併せ馬　2歳1勝馬を外で先導し胸を貸したような内容。インから迫ってきた相手の加速に対しワンテンポだけ対応が遅れたが、ジワッと反撃し併入とした。一頓挫明けの前走で接戦を制した反動は少なからずありそうだが、極端なデキ落ちまではないか。【6】

■デリカダ　助手騎乗　栗東坂路単走　中2週を考慮して終いだけ重点の内容。脚はしっかり溜まっていたはずだが、気難しい面を出したのかラストは促されても一本調子のままで本来の切れがなかった。前走の反動はまだ抜けきっていないようで、状態面は強調しづらい。【5】

■トウセツ　鷲頭騎手騎乗　栗東坂路単走　使い詰めの中2週とあって終いだけ伸ばす内容。ラストは切れを欠いたが、もともと稽古では動かない馬。素軽さを保って走れていたのはいい。大幅上積みはどうかも、この馬なりに順調。【6】

■ドゥラエレーデ　助手騎乗　栗東坂路単走　1週前にCWで猛時計を出したのが実質の最終追い。今週は疲れを残さず、リラックスして走らせることに専念したような内容だった。終始右に張り気味ではあったが素軽さは十二分。手前を機敏に変換し、鋭い脚を使って駆け抜けた。中10週でしっかり立ち直ってきた印象。持てる力をフルに出せそうだ。【7】

■ハピ　助手騎乗　栗東坂路単走　1週前に僚馬アウトレイジを相手にハードな併せ馬を消化。これで負荷は十分掛かっており、今週は微調整程度の内容。緩いペースでの入りだったが、馬自身のモチベーションが高そうな前向きな雰囲気で登坂し、ラストまでまったくの馬なりでスムーズに加速し駆け抜けた。前走時も状態としては上々で、引き続きいい状態を維持できている。【7】

■プロミストウォリア　西村淳騎手騎乗　栗東CW単走　1週前に速い全体時計を出しており、今週は鞍上との意思疎通を深めることに専念。序盤はまったく力まず体を大きく使って進んでいく。直線でも柔軟な脚捌きで、前脚を高く上げて自然体で加速。不良馬場を感じさせない力強い動きだった。13カ月ぶりだった前走時から一気に良化を果たしたよう。万全の状態だ。【7】

■ミッキーヌチバナ　助手騎乗　栗東ポリ単走　1週前のCW追いである程度負荷を掛けられており、当週ポリで流すのはいつも通り。重苦しさを一切感じさせず、滑らかなコーナリングから直線に向かいスルスルと加速できていた。休養効果てきめんといった感があり、好気配と言える。【7】

■ミトノオー　木幡巧騎手騎乗　美浦ウッド併せ馬　先行2頭を追い直線では最内へ。促されての反応がやや鈍く、加速もそこそこに留まり1頭には先着したが、もう1頭には遅れ入線だった。本数自体はここまで順調にこなせているが、帰厩以来坂路メインで、本来のウッド調整は最終追いだけというのがどう出るか。【6】

■リプレーザ　助手騎乗　栗東坂路単走　中1週とは思えない速いラップを刻む坂路調整。坂に入って走路上に別組の併せ馬がいるのが視界に入ってミスステップしてしまうが、体勢を立て直してからは軽快そのものの伸びを見せた。いかにも短いところが良さそうな走りだが、気配そのものは上々。【7】

■ロコポルティ　助手騎乗　栗東坂路単走　西園厩舎勢の併せ馬2頭を視界に入れて気持ちを乗せつつ、ロコポルティ自身は単走でリズミカルに走らせるという内容。序盤は力強さがあったが、ラストは渋った馬場に勢いを削がれ、気持ちも途切れたのか減速ラップとなってしまった。それでも一定の素軽さはあったし、中間の攻めも順調。前走から一段階良化といったところ。【6】

■ロードアヴニール　岩田望騎手騎乗　栗東CW併せ馬　福島記念を予定しているダンディズムを外で先導。直線で体を並べると、素軽さでは芝馬の相手が目立ったがロードアヴニールも強い気持ちでしっかり対応し併入とした。久々だった前走を使われ、気配はグンと上昇か。【7】

＜追い切り評価＞は最終追いを含めた中間の調整全体の総合評価となり、10段階評価（10が最高、1が最低）です。