【競馬サロン】読者の皆さん、こんにちは。

調教ライター・西村武輝です。今週は前置きなしでシンプルに各重賞の調教採点をお届けいたします。

それでは以下「京王杯2歳S」全頭追い切り診断となります。

●11月2日　京王杯2歳S（GII、東京、芝1400m）

■エイシンワンド　幸騎手騎乗    栗東坂路単走　1週前の坂路追いで4F50秒8を出したのが実質の最終追い。今週は自身初の東京遠征を控えて終いだけ重点の内容をこなした。前後走路に馬がいる状況だったが力まずぴったり折り合って進み、ラストは前に行く馬を見てしっかり気持ちを乗せて切れた。中間は50秒台連発。文句なしの好仕上がりだ。【8】

■エンドレスサマー　横山和騎手騎乗　美浦ウッド併せ馬　古馬2勝クラスを追走し、取り付く際に若干力みはあったが馬なりを保ってジワッと加速。最後は切れ負けして半馬身遅れだものの、余力は十分残っていた。1週前の動きは上々で、この馬の力は出せそう。【6】

■カガバベル　石川騎手騎乗　美浦ウッド併せ馬　1週前に速い時計を出しており、今週は折り合いを強化する内容。2勝クラスを外で先導し直線で迎え入れ併走とする。手応えはこちらが優勢のまま進み、最後は相手の勢いが鈍った感じで半馬身の先着とした。溜めた分あと少し切れて欲しい感はあったが、気持ちの乗りは上々。2カ月ぶりだった前走よりはいい状態で走れそう。【6】
　
■キタノクニカラ　杉原騎手騎乗　美浦ウッド併せ馬　2頭を先行させて追走。直線では最内に進路を取ったが、促されてもスッとギアが上がらない感じで結局2頭に1馬身ほどの遅れ入線。それでも一定の素軽さはあり、切れ負けしたのは渋った馬場に脚を取られた面もあったか。全体的にこれからの成長待ちという感は否めないが、この馬なりに順調。【6】

■クラスペディア　小崎騎手騎乗　栗東CW単走　1週前の坂路で自己ベストを更新しているが、今週も序盤から速いラップを刻む意欲的な調整。いい意味で遊びを感じさせつつ進み、直線序盤で気合いを入れられると体を大きく使って力強く伸びた。中8週を感じさせない好気配。【7】

■シンフォーエバー　松本騎手騎乗　栗東坂路単走　序盤はやや気難しい面を見せたが、鞍上がしっかり制御し坂の中盤あたりからはまとまりのフォームで加速。ラストは渋った馬場ものともせず馬なりを保って伸びた。コンスタントに使われている疲れは感じさせず、以前好調キープ。【7】

■バニーラビット　中井騎手騎乗　栗東坂路単走　1週前にCW5F66秒2と速い時計を出しており、これが実質の最終追い。今週は坂路で終い重点の内容を消化した。他厩舎の馬が走路におり、やや力み加減に。ラストも渋った馬場に脚を取られて勢いは削がれたが、なんとか余力を残しラスト1F12秒8でまとめている。初戦快勝の反動は少なからずありそうな気配だが、極端なデキ落ちまではなさそう。【6】

■パンジャタワー　助手騎乗　栗東坂路単走　渋った馬場を気にせず気持ちを乗せて登坂。ややこぢんまりとしたフォームながら軽快に回転数を上げ、ラストは加速ラップで締めくくった。距離は短い方が良さそうな走りだが、体調は上々の部類。【6】

■ヒシアマン　助手騎乗　美浦ウッド併せ馬　1週前に速い時計を出しており、今週はゆったり入って4Fから時計を出す併せ馬。準オープン馬を柔軟なコーナリングがら直線手前で取り付いていく。直線では若干だけ勢いで見劣ったが、馬なりのままスッと加速し併入とした。サウジアラビアRCを回避した影響は感じさせず、好仕上がり。【7】

■マイネルチケット　助手騎乗　栗東坂路単走　1週前にある程度速い時計を出しており、今週は輸送と悪い馬場を考慮して14-14程度の内容に留まる。落ち着いて走れており、バランスのいい脚捌きのまま駆け抜けた。中3週を感じさせず、高いレベルで安定。【7】

■マリノトニトゥルス　大江原比    騎手騎乗　美浦坂路併せ馬　1勝クラスに取り付き坂で併走。相手が動かな過ぎた印象もあるが、相手よりまとまりのある走りでアオり併入とした。あと少し鋭さは欲しいが、悪くない仕上がり。【6】

■ヤンキーバローズ　岩田康騎手騎乗　栗東坂路単走　日曜に坂路4F52秒6を出したのが実質の最終追い。輸送を控える今週は馬場が悪かったこともあり、ゆったり走らせ疲れを残さないことに専念した。時計は平凡だったが、他馬が走路にいる状況でも変に力まずまとまりのあるフォームで最後まで駆け抜けている。乗り込み量は十二分だし、ほぼ万全のデキと言える。【7】

■リアルショット　三浦騎手騎乗　美浦ウッド併せ馬　2歳未勝利馬を追走し取り付いていくが、完全に手応えでは劣勢。グイグイ追われてなんとか併入に持ち込んでいる。追われて一定の力強さは発揮したが、いかにもギアの枚数に限度があるような走り。芝の重賞ではどうか。【5】

■レモンバーム　嘉藤師騎乗　美浦ウッド併せ馬　先行させた2歳未勝利へコーナーワークで取り付いていき、直線では終始勢いで圧倒。相手に合わせて併走していたが、最後は自然と切れで勝り半馬身ほど抜け出しての先着とした。快勝した前走から中2週だが、デキ落ちはなく好調キープ。【7】


＜追い切り評価＞は最終追いを含めた中間の調整全体の総合評価となり、10段階評価（10が最高、1が最低）です。