JRAの牝馬限定重賞は計25レース。その中で、最も早い時期におこなわれるのがアルテミスSです。

一方、先週の月曜日には「お姉さん」たちの戦い、府中牝馬Sがおこなわれ、ブレイディヴェーグが11ヶ月ぶりの実戦をものともせず優勝。GI馬の貫禄を見せつけた一方で、3着に敗れた1番人気マスクトディーヴァはその後、左前肢屈腱炎が判明し、18日に引退が発表されました。GIを勝てる実力を有していただけに、本当に残念でなりません。
しかも、この秋、屈腱炎で戦線離脱となってしまったのはマスクトディーヴァだけでなく、日曜日の天皇賞で有力視されていた皐月賞馬ジャスティンミラノや、中山グランドジャンプ連覇のイロゴトシ。京都新聞杯を勝ち、神戸新聞杯でも2着に好走して菊花賞に出走予定だったジューンテイク。GI7勝キタサンブラックの半弟で、ダービートライアルの青葉賞を勝ったシュガークンなど相次いでおり、とりわけ関西の重賞勝ち馬に多いのが気になります。

一方で明るい話題もあり、マスクトディーヴァの半弟マスカレードボールが姉の無念を晴らすように、引退発表翌日のアイビーS（2歳リステッド）を快勝しました。アイビーSは近年、ソウルスターリングやクロノジェネシス、ドウデュースなど、名馬への登竜門といっても良いレース。姉が果たせなかったGI制覇をスター候補となったマスカレードボールが実現するか、さらなる飛躍が期待されます。

それでは予想に。

今回は、こちらも出世レースとして名高いアルテミスSの過去5年を深掘り調査。好走傾向から買い条件を探し出し、本命馬を見つけます。

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（1）騎手の東西別
（2）前走馬体重
（3）生産牧場
（4）前走の枠順
（5）今回の枠順
（6）東西別成績
（7）馬主
（8）前走人気
（9）前走クラス
（10）前走着順

近年の好走傾向から買い条件となったのは、上記10項目。その中で（1）は騎手の東西別について。
アルテミスSは、栗東所属騎手騎乗馬が断然強く［4-5-2-8/19］。勝率21.1％、複勝率57.9％。単勝回収率171％、複勝回収率112％。好走率は6割に迫ります。
◇該当馬＝ミストレス、ブラウンラチェット、ショウナンザナドゥ、カムニャック

（2）は前走馬体重。
牝馬限定重賞とはいえ、440kg未満の小型馬は厳しい結果に終わっている当レース。一方、前走が芝、かつ良馬場のレースに440kg以上で出走し、毛色が黒鹿毛以外の馬は［4-3-3-8/18］。勝率22.2％、複勝率55.6％。単勝回収率193％、複勝回収率114％。文句なしの成績でした。
◇該当馬＝マイエレメント、シホリーン、ミリオンローズ、マピュース、カムニャック

次は（3）生産牧場です。
過去5年の3着内馬15頭中12頭はノーザンファーム生産馬。そのうち、前走と同じ騎手が騎乗する馬（継続騎乗）は［3-5-3-4/15］。勝率20.0％、複勝率73.3％。単勝回収率42％、複勝回収率122％。これだけ該当馬がいながら好走率は7割超えという、驚異的な成績でした。
◇該当馬＝ブラウンラチェット、ショウナンザナドゥ

（4）は前走の枠順について。
前走、内枠もしくは外枠を引いた馬の好走率が高い当レース。具体的には、前走枠が1、2、8、かつ2、3月生まれが［2-3-2-5/12］。勝率16.7％、複勝率58.3％。単勝回収率211％、複勝回収率112％。（1）と同レベルの好走率でした。
◇該当馬＝ミストレス、マピュース

（5）は今回の枠順。
一方、今回の枠順に注目すると、アルテミスSは外枠有利のレースでした。とりわけ、今回の枠が6から8、かつ前走3コーナーで4から8番手に位置していた馬は［3-1-2-5/11］。勝率27.3％、複勝率54.5％。単勝回収率282％、複勝回収率110％。文句なしの成績でした。
◇該当馬＝カムニャック、クレオズニードル

（6）は東西別成績です。
栗東所属騎手が強いのと同様に、関西馬も強い当レース。とりわけ、前走の出走頭数が今回の頭数より多かった関西馬は［2-1-3-4/10］。勝率20.0％、複勝率60.0％。単勝回収率48％、複勝回収率119％と、素晴らしい成績を残していました。
◇該当馬＝ミストレス、マイエレメント、ザラタン

続いては（7）。馬主について。
（3）とやや重なりますが、アルテミスSは大手クラブ法人の所有馬が驚異的な強さを発揮しているレース。中でも、サンデーレーシング、シルクレーシング、キャロットファームが所有し、前走15頭立て以下のレースに出走した馬は［3-5-0-1/9］。勝率33.3％、複勝率88.9％。単勝回収率118％、複勝回収率122％。なんと、好走率は9割に迫ります。
◇該当馬＝ブラウンラチェット

続いては（8）の前走人気で、ここは2パターン紹介します。まずは、前走1番人気だった馬。
こちらは、母の父がネイティヴダンサー系かロイヤルチャージャー系かナスルーラ系種牡馬、かつ前走からの間隔が中9週から18週だと［2-4-0-2/8］。勝率25.0％、複勝率75.0％。単勝回収率117％、複勝回収率106％と、これまた驚異的な成績。
◇該当馬＝ミリオンローズ、ショウナンザナドゥ、カムニャック

一方、前走中山か中京のレースに3から5番人気で出走した馬も［1-0-4-3/8］。勝率12.5％、複勝率62.5％。単勝回収率273％、複勝回収率176％と、負けていません。
◇該当馬＝クレオズニードル

（9）は前走クラス。
前走、未勝利戦か1勝クラスに出走した馬の好走率と期待値が高い当レース。その中でもロイヤルチャージャー系種牡馬の産駒は［1-1-2-4/8］。勝率12.5％、複勝率50.0％。単勝回収率273％、複勝回収率146％。該当馬の半数が好走していました。
◇該当馬＝シホリーン、キョウエイボニータ、ショウナンザナドゥ

そして最後は（10）。前走着順です。
アルテミスSは、前走2から4着と惜敗した馬が［0-0-4-3/7］。複勝率57.1％、複勝回収率138％。該当馬は少なくすべて3着ではあるものの、好走率は文句ありません。
◇該当馬＝ミリオンローズ、キョウエイボニータ

これら10の買い条件を踏まえ、印と買い目を下記のとおりとしました。

◎8ショウナンザナドゥ
○10カムニャック
▲2ブラウンラチェット
☆5ミリオンローズ
△1ミストレス
△11クレオズニードル
△3マイエレメント
△6マピュース

【馬単/マルチ】8⇔10,2,5,1,11,3,6（14点）
【ワイド】8＝10,2,5,1,11,3,6（7点）
【3連複/軸2頭】8,10＝2,5,1,11,3,6（6点）

本命候補は、4項目に合致したショウナンザナドゥとカムニャック。非常に迷うところですが、ここはショウナンザナドゥを本命にとります。

世代最初の新馬戦で2着に惜敗するも、そこから中2週の未勝利戦を圧勝し休養に入っていたショウナンザナドゥ。セレクトセールにおいて税込2億350万円の高値で落札された馬が、出世レースに満を持して出走してきました。
リーディングを快走するキズナの産駒で、半姉ミスエルテとミアネーロは重賞ウイナーと血統面は文句なし。また、過去2戦も素晴らしいタイムで走破しており、初の左回りさえこなせば好勝負は必至とみました。

馬券は、ショウナンザナドゥからの馬単マルチ、ワイド。さらに、対抗カムニャックとの3連複軸2頭ながしを買います。

それでは土曜日も競馬を楽しみましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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