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齋藤翔人

2024/10/19 19:00

【菊花賞2024予想】複勝率“77.8%”データをはじめ「9」の好走条件でクラシック最終戦を紐解く【前編】

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ますますスピード化が進む現代の日本競馬。ただ、菊花賞や天皇賞(春)といった長距離GIにも捨てがたい魅力があります。

例えば、GI特有のワクワクや興奮を少しだけ長く味わうことができ、現地で観戦すれば、自身の目の前を二度も通り過ぎてくれる。さらに、途中から仕掛ける馬が複数いて出入りの激しい競馬になるなど、見た目にも分かりやすい駆け引きがたくさんあります。

また、菊花賞に関しては、夏の上がり馬による逆転劇がしばしば起こるのも魅力。昨年のドゥレッツァなどはその典型例で、夏の上がり馬が春の既存勢力を圧倒し世代の頂点に立つ姿は見ていて爽快です。ただ、ヒシミラクルや先日亡くなってしまったデルタブルースなど、自分としてはまったく予想だにしていなかった上がり馬、かつ穴馬が直線半ばで先頭に立ったときは頭の中がぐちゃぐちゃになって整理するのが大変になりますが……、それもまた菊花賞の魅力といえるでしょう。

今年は、ダービー5着内馬が菊花賞の前哨戦に一頭も出走せず、これはグレード制導入以降初めてのこと。そのため、上がり馬にもチャンスがあるかと思ったのですが、トライアルで権利を獲得したのは、前走皐月賞かダービーに出走した馬たち。ただ、中山や中京の2200mと京都3000mでは舞台が大きく異なるため、4着以下に敗れた馬が巻き返しても不思議ではなく、前哨戦に出走しなかった上がり馬も含め、本当に楽しみな顔触れとなりました。

それでは予想に。

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今回はクラシックの最終戦、菊花賞の過去5年を深掘り調査。好走傾向から買い条件を探し出し、本命馬を見つけます。

(1)前走馬体重と着順
(2)今回の枠順
(3)キャリア
(4)市場取引価格
(5)前走からの間隔
(6)前走斤量
(7)前走の枠順
(8)前走人気
(9)前走上がり

近年の好走傾向から買い条件となったのは、上記9項目。その中で(1)は前走馬体重と着順について。
前走490kg以上で出走した馬が[0-1-1-32/34]と、厳しい結果に終わっている菊花賞。対して、前走重賞かリステッド含むオープンか3勝クラスに490kg未満で出走し、3着以内だった馬は[4-3-3-7/17]。勝率23.5%、複勝率58.8%。単勝回収率111%、複勝回収率131%。好走率は6割に迫ります。
◇該当馬=シュバルツクーゲル、エコロヴァルツ、ヘデントール

次は(2)。今回の枠順。
開催場が京都、阪神にかかわらず、近年は外枠優勢の当レース。今回5から8枠を引いたロイヤルチャージャー系種牡馬の産駒で、前走、中山か中京のレースに出走。ただ、3月生まれは不振のため、それを除くと[1-2-4-7/14]。勝率7.1%、複勝率50.0%。単勝回収率29%、複勝回収率143%。非常にややこしい条件ですが、文句なしの成績でした。
◇該当馬=コスモキュランダ、メイショウタバル、エコロヴァルツ

(3)はキャリアです。
過去5年の3着内馬15頭中11頭はキャリア7戦以下。そのうち、前走馬番が偶数。かつ前走時、馬体重がマイナスか増減なしだった馬は[3-3-1-5/12]。勝率25.0%、複勝率58.3%。単勝回収率124%、複勝回収率115%。(1)とほぼ同じ好走率でした。
◇該当馬=ピースワンデュック、アスクカムオンモア、ビザンチンドリーム、エコロヴァルツ、アドマイヤテラ

(4)は市場取引価格について。
菊花賞は、国内のセリにおいて税込7,000万円以上で落札された馬が[2-1-2-6/11]。勝率18.2%、複勝率45.5%。単勝回収率96%、複勝回収率129%。好走率は50%を僅かに切っているものの、まずまずの成績でした。
◇該当馬=アスクカムオンモア、ダノンデサイル、ミスタージーティー、ショウナンラプンタ

(5)は前走からの間隔。
前走からの間隔をみたとき、好走率が高いのは中4週で臨む馬。そのうち、ノーザンファームか社台ファームの生産馬は[1-3-3-3/10]。勝率10.0%、複勝率70.0%。単勝回収率41%、複勝回収率207%。二大牧場の生産馬をひとまとめにしていいのか……と思いますが、凄まじい好走率でした。
◇該当馬=アーバンシック、アドマイヤテラ

続いては(6)。前走斤量です。
過去5年の3着内馬15頭中12頭は、前走56キロ以上の斤量を背負っていました。そのうち、前走3コーナーで4から6番手に位置していた馬は[2-1-3-4/10]。勝率20.0%、複勝率60.0%。単勝回収率145%、複勝回収率144%と、素晴らしい成績でした。
◇該当馬=ダノンデサイル、アーバンシック

(7)は、前走の枠順について。
どういうわけか、前走4、5枠に入った馬が結果を残している菊花賞。そのうち、今回奇数番を引いた馬は[2-0-3-5/10]。勝率20.0%、複勝率50.0%。単勝回収率153%、複勝回収率143%。該当馬の半数が好走。
◇該当馬=コスモキュランダ、エコロヴァルツ

また、前走1枠を引いた馬も[1-3-0-5/9]。勝率11.1%、複勝率44.4%。単勝回収率12%、複勝回収率126%と、まずまずの成績でした。
◇該当馬=アーバンシック

(8)は前走人気。
前走1番人気が強い当レース。ただ、3着内に好走した馬はすべて前走2200m戦に出走しており[4-0-3-2/9]。勝率44.4%、複勝率77.8%。単勝回収率227%、複勝回収率192%と、凄まじい成績を残していました。
◇該当馬=コスモキュランダ、メリオーレム、ヘデントール、アドマイヤテラ

そして最後は(9)。前走上がりです。
ややピンポイントではありますが、近年の菊花賞は前走上がり2位をマークした馬が[2-0-3-3/8]。勝率25.0%、複勝率62.5%。単勝回収率65%、複勝回収率150%。該当馬は少ないものの、素晴らしい成績でした。
◇該当馬=ノーブルスカイ、ハヤテノフクノスケ、コスモキュランダ、ショウナンラプンタ、ヘデントール

【後編】では、これら9項目の買い条件を踏まえ、菊花賞の結論(印・買い目)を導き出します。

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