≪今週の動画その1・愛チャンピオンS≫
▼シンエンペラー＆海外馬をガッチリ分析！




皆さま、お元気ですか。血統サイエンティストのドクトル井上です。

この記事では、日曜の中京メイン・ローズステークスの最終結論をば。

■考察
改修後の中京芝2000mが舞台のローズSで馬券になった9頭のうち、実に8頭がディープインパクト産駒かその孫。

母数も多いので複勝率は34.8％に留まるが、穴馬の台頭も多いおかげで複勝回収率は223％と高水準。狙うならまずはここ。

▼レガレイラ
昨年のホープフルS勝ち馬で、春は牡馬クラシックに挑戦。実は牝馬限定戦を走るのは初めてだったり。

中山芝2000mのホープフルSを勝ったとはいえ、ストライドで走るので本質的には大箱向き。東京ベストだとは思うものの、中京も問題ないだろう。京都内回りの秋華賞よりはローズSの方が買いやすいタイプと見る。

▼チェレスタ
父はハービンジャー、母カリンバはJRA2勝。祖母アフリカンピアノの兄弟にはワールドエース（マイラーズCなど重賞2勝）、ワールドプレミア（菊花賞＆天皇賞・春）、ヴェルトライゼンデ（日経新春杯など）といった活躍馬の名前が。

比較的完成の遅いマンデラ牝系のアフリカンピアノにルーラーシップ→ハービンジャーと重ねられているので、チェレスタ自身も晩成だろう。ここへきてようやく軌道に乗ったのは血統から受ける印象どおり。

2000m以上で負けたのは「友道厩舎の秘密兵器」（と勝手に呼んでいる）オールセインツのみで、2戦目ではオークス5着馬ランスオブクイーンを下していることから重賞でも力は通用する。多頭数の内枠をうまく捌けるようなら面白い。

▼オーロラエックス
2連勝中のサトノダイヤモンド産駒で、半兄ビヨンドザファザーはOP特別アハルテケS勝ちの実績。

新潟記念の予想でも触れたようにサトノダイヤモンドはカーリアンを持つ繁殖牝馬と相性が良く、重賞勝ちの2頭（サトノグランツ、シンリョクカ）はいずれもこのパターン。

カーリアンに限らず、マルゼンスキーやラストタイクーンなどアルザオにニアリーな血を持ってきて芝向きの切れを引き出すのがサトノダイヤモンドの王道。そのなかでも特にカーリアンとの相性が良いのは、カーリアンの母父ラウンドテーブルが、サトノダイヤモンドの父ディープインパクトと同じフェオラの牝系に属するのがキモなのでは？　というのが今回の仮説のポイント。

英1000ギニー勝ち馬ハイペリカム、ヨークシャーオークス勝ち馬アンジェロア、名種牡馬オリオール＆ラウンドテーブルなどといった名馬の祖となった名血をうっすらとはいえクロスさせるのが「サトノダイヤモンド＆カーリアン」のニックスを決定づける鍵になっているのではなかろうかと。

その観点でオーロラエックスの配合を見てみると、母母ソングトゥリメンバーがストームキャット×ラウンドテーブルという配合形になっているのがとってもグッド。

ストームキャットの父ストームバードとカーリアンの父ニジンスキーがニアリーな関係（ノーザンダンサー、ブルページなどが共通）のうえ、母父ラウンドテーブルが共通なので、ソングトゥリメンバーとカーリアンはかなり近しい血統構成にある。ソングトゥリメンバー≒カーリアンと整理してしまって問題なかろう。

だとすればオーロラエックスは十分に重賞を勝てるサトノダイヤモンドの配合であるといえ、休み明けの初重賞でも高く評価せざるを得ない。新星誕生に期待。

▼サフィラ
みんな大好きサロミナの仔でハーツクライ産駒。2歳時にちょろっと重賞で好走して春のクラシックはサッパリというのは、典型的なハーツクライの成長曲線という感じ。

このパターン、ひと夏越して良くなるのはあるあるだし、そもそもサロミナの仔は晩成傾向。2歳時で540キロあったサリオスがよっぽど例外なのであって、普通のサロミナはようやくパンとし始める頃。狙うならこのあたりの時期からという感じがある。

揉まれ弱い牝系なので、馬の個性だけを考えれば桃帽も悪くない。距離ロスを低減しつつ運べるようなら。

≪今週の動画その2・セントライト記念≫
▼複勝率53.8％！ 父サンデー系は●●のクロスを狙え！


■ローズステークスの最終結論
◎3 オーロラエックス
○15レガレイラ
▲4 チェレスタ
☆14サフィラ
△2 クイーンズウォーク
△5 タガノエルピーダ
△1 カニキュル
△8 ラビットアイ

【馬連】3＝15,4,14,2,5,1,8（7点）
【3連複/フォーメ】3＝15,4,14＝15,4,14,2,5,1,8（15点）
【ワイド/BOX】3,4,14（3点）

◎オーロラエックスの3連勝に期待したい。重賞を勝てるサトノダイヤモンドの配合で、ここでも素質はヒケを取らない。サトノダイヤモンドにラウンドテーブルが入って京都外回りベストのタイプかもしれないが、京都と同じく3角から下る中京なら対応できると見て。

○レガレイラは実績に敬意を表して。直線の長い中京もプラス。

▲チェレスタ、☆サフィラは晩成牝系の本格化を重視した恰好。いずれもほどほどの人気に収まりそうで、配当的にも楽しみ。

馬券は◎オーロラエックスからの馬連と○▲☆を2列目に置いた3連複が本線。印上位4頭のうちレガレイラを除いた3頭についてはワイドでもそこそこ配当が貰えそうなので、この3頭でワイドBOXも組んでおこう。

＜プロフィール＞
“血統サイエンティスト”ドクトル井上
在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。
好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。
凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。

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