競馬サロン
血統サイエンティスト ドクトル井上
≪今週の動画・京成杯AH≫
▼先行馬は●●の血が狙い目に!
https://uma-jin.net/new/salon/salon_detail/19342/0/111
皆さま、お元気ですか。血統サイエンティストのドクトル井上です。
この記事では、日曜の中山メイン・京成杯AHの最終結論をば。
■考察
野芝開催の開幕週とあって、逃げ・先行馬が強いというのが大前提。中山開催過去10回分の京成杯AHにおける脚質別の成績を調べてみると、逃げ先行馬が【5-6-6-34】で複勝率33.3%、複勝回収率141%に対し、差し追込馬は【5-4-4-83】で複勝率13.5%、複勝回収率45%に留まる。まずは前に行ける馬を中心に組み立てたい。
逃げ先行馬のなかで特に注目したいのがトニービン内包馬。
同じく中山開催過去10回分の当レースにおける「トニービンの血を内包する逃げ先行馬」の成績は【3-0-2-5】で勝率30.0%、複勝率50.0%。単勝回収率181%&複勝回収率145%なので、ベタ買いOKの数字となっている。
特に近年の躍進には目を見張るものがあり、19年&20年連覇のトロワゼトワルや20年13人気3着のボンセルヴィーソ、昨年の勝ち馬ソウルラッシュなど、活躍馬を次々と送り出している。
位置を取ったうえで長く脚を使って押し切るような競馬がこのレースにおける理想形。トニービンの長く良い脚を使える特徴が活きるということだろう。
▼アスコリピチェーノ
父はダイワメジャー、母アスコルティはJRAで2勝。近親にはローズSを制したタッチングスピーチや菊花賞2着のサトノルークス、ホープフルS3着のキングズレインなどがいる。
予告されていたとおりではあるが、ここまでの実績がある馬、しかも3歳馬が京成杯AHで始動するのはなかなか驚きだったり。
ダイワメジャー産駒はこのレースと取り立てて相性こそ良くないものの、勝ち馬を出した実績(13年エクセラントカーヴ)はあるし、晩成傾向に出やすいリッスンの牝系で早枯れということはないだろう。実績を考えれば当然ここは主役級の評価が必要な存在だ。
とはいえ、ここはあくまで叩き台で本番はこの先だろうし、試走と考えるとルメール騎手も脚を測るような乗り方をしてくるのでは? それにリッスン、サドラーズウェルズの重厚さも結構出ている感じがあって、差す競馬なら東京や阪神の外回りの方が良さそう。中山なら先行した方が結果には繋がるイメージも。
取りこぼしての配当ハネまで睨んで馬券を組んでみたい。
▼コラソンビート
コスモチェーロの牝系出身で、近親には香港ヴァーズ、日経賞、オールカマーなどを制したウインマリリンや、先日の札幌クイーンSを制したコガネノソラ、福島でラジオNIKKEI賞を制したウインマーレライなどがいる。
この牝系は牝祖エイプリルワンダーが持つフェアトライアル≒フェロッシャー2×2という強烈なニアリークロスが特徴的。フェアトライアル的、レディジュラー的な機動力を受け継ぎやすいため、コーナリング性能が高く、直線の長い大箱よりも小脚が活きる条件で輝く傾向にある。先に挙げた3頭の重賞勝ち鞍を見ても、そのキャラクターはお分かりいただけるはず。
その一方で、3歳春までの牝馬のビッグレースは基本的に大箱ばかり。コラソンビートにとって適性からズレる条件だったと言わざるを得ない。今回は中山マイルに替わるのが何よりの好材料。コスモチェーロ的な機動力を活かせるコースであれば十分に変身が見込めるはず。
軽快なスピードが武器のヘイローの血を4本引いており、開幕週の良好な馬場でフワッと先行させればここはチャンス。
そのうえスワーヴリチャードの産駒で、注目ポイントとした「トニービン持ちの先行馬」にも合致するとくれば、これはまさに条件ドンピシャ。克服すべきは枠だけだ。
▼エエヤン
父はシルバーステートで、半兄には2014年の京成杯を制したプレイアンドリアルがいる。
とにかく中山マイルに強い馬で、このコースでは4戦して3勝2着1回で連対率100%。血統表を見るとさもありなんで、シルヴァーホークにウッドマンにダンジグにアリダー。要はだいたいざっくりグラスワンダーみたいなもので、小回りを馬力に任せて走らせたらそりゃあ強いよといったところ。
エエヤンが小回り・内回りのマイル以下で唯一連対を外した阪神カップも14着と見た目の着順はヒドいが、勝ち馬との差は0秒8差。先行馬に厳しい展開でもあり、見た目ほどの大敗ではない。
前走のマイラーズCは最下位の17着と大敗しているものの、そもそも外回りで何かできる馬でもないのでノーカウントで無問題。
コース相性抜群かつディープ孫の先行馬とくれば、前走の大敗に目をつぶって狙う価値がある。
▼ジューンオレンジ
前走のマーメイドSでも注目していたものの、さすがに距離が長かった感じの止まり方で結果は12着。ツィンクルブライドやペールギュントが出た牝系なので、適距離はマイル前後ということだろう。
このファミリーは中山と福島で重賞3勝のミッキースワローをはじめ、小回りでパフォーマンスを上げる馬が多いのが特徴。牝祖ツィンクルブライドは旧阪神内回り1600mの桜花賞で2着と好走したし、その仔ペールギュントは中山マイルの朝日杯で3着、改装前中京の高松宮記念で2着の実績がある。
それを思うとトリッキーな中山マイルはジューンオレンジにとって悪くない条件だろう。スタートに難があるのがネックながら、うまく先行できるようなら、トニービン内包馬という点を含めて、オッズ以上にチャンスがあるのでは。
■京成杯AHの最終結論
◎16コラソンビート
○10アスコリピチェーノ
▲6 エエヤン
☆11ジューンオレンジ
△4 ディオ
△8 サンライズロナウド
△12オーキッドロマンス
△13セルバーグ
【単勝】16(1点)
【馬連】16=10,6,11,4,8,12,13(7点)
【3連複/フォーメ】16=10,6,11=10,6,11,4,8,12,13(15点)
枠の不利は承知で◎コラソンビートから入る。確かに大外は不安要素だが、それ以上にコスモチェーロ牝系の小回り替わりは魅力的。ここは黙ってホイホイされる局面と見た。
○アスコリピチェーノは地力を考えるとこれ以上評価を落とせず。▲エエヤンは"プチ・グラスワンダー"な血統表に期待して。☆ジューンオレンジは先行できるといいですね。
馬券は◎コラソンビートからの馬連と○▲☆を2列目に置いた3連複フォーメーションが本線。どうやら枠がかなり嫌われているらしく、この原稿を書いている時点で単勝オッズが20倍以上つくのを目撃したので単勝も買っておこう。
<プロフィール>
“血統サイエンティスト”ドクトル井上
在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。
好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。
凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。
=重賞深掘りPROJECT関連動画=
【DATA診断・京成杯AH】お宝DATAハンター リーダー・ハットリ
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2024/09/07 18:30
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▼先行馬は●●の血が狙い目に!
https://uma-jin.net/new/salon/salon_detail/19342/0/111
皆さま、お元気ですか。血統サイエンティストのドクトル井上です。
この記事では、日曜の中山メイン・京成杯AHの最終結論をば。
■考察
野芝開催の開幕週とあって、逃げ・先行馬が強いというのが大前提。中山開催過去10回分の京成杯AHにおける脚質別の成績を調べてみると、逃げ先行馬が【5-6-6-34】で複勝率33.3%、複勝回収率141%に対し、差し追込馬は【5-4-4-83】で複勝率13.5%、複勝回収率45%に留まる。まずは前に行ける馬を中心に組み立てたい。
逃げ先行馬のなかで特に注目したいのがトニービン内包馬。
同じく中山開催過去10回分の当レースにおける「トニービンの血を内包する逃げ先行馬」の成績は【3-0-2-5】で勝率30.0%、複勝率50.0%。単勝回収率181%&複勝回収率145%なので、ベタ買いOKの数字となっている。
特に近年の躍進には目を見張るものがあり、19年&20年連覇のトロワゼトワルや20年13人気3着のボンセルヴィーソ、昨年の勝ち馬ソウルラッシュなど、活躍馬を次々と送り出している。
位置を取ったうえで長く脚を使って押し切るような競馬がこのレースにおける理想形。トニービンの長く良い脚を使える特徴が活きるということだろう。
▼アスコリピチェーノ
父はダイワメジャー、母アスコルティはJRAで2勝。近親にはローズSを制したタッチングスピーチや菊花賞2着のサトノルークス、ホープフルS3着のキングズレインなどがいる。
予告されていたとおりではあるが、ここまでの実績がある馬、しかも3歳馬が京成杯AHで始動するのはなかなか驚きだったり。
ダイワメジャー産駒はこのレースと取り立てて相性こそ良くないものの、勝ち馬を出した実績(13年エクセラントカーヴ)はあるし、晩成傾向に出やすいリッスンの牝系で早枯れということはないだろう。実績を考えれば当然ここは主役級の評価が必要な存在だ。
とはいえ、ここはあくまで叩き台で本番はこの先だろうし、試走と考えるとルメール騎手も脚を測るような乗り方をしてくるのでは? それにリッスン、サドラーズウェルズの重厚さも結構出ている感じがあって、差す競馬なら東京や阪神の外回りの方が良さそう。中山なら先行した方が結果には繋がるイメージも。
取りこぼしての配当ハネまで睨んで馬券を組んでみたい。
▼コラソンビート
コスモチェーロの牝系出身で、近親には香港ヴァーズ、日経賞、オールカマーなどを制したウインマリリンや、先日の札幌クイーンSを制したコガネノソラ、福島でラジオNIKKEI賞を制したウインマーレライなどがいる。
この牝系は牝祖エイプリルワンダーが持つフェアトライアル≒フェロッシャー2×2という強烈なニアリークロスが特徴的。フェアトライアル的、レディジュラー的な機動力を受け継ぎやすいため、コーナリング性能が高く、直線の長い大箱よりも小脚が活きる条件で輝く傾向にある。先に挙げた3頭の重賞勝ち鞍を見ても、そのキャラクターはお分かりいただけるはず。
その一方で、3歳春までの牝馬のビッグレースは基本的に大箱ばかり。コラソンビートにとって適性からズレる条件だったと言わざるを得ない。今回は中山マイルに替わるのが何よりの好材料。コスモチェーロ的な機動力を活かせるコースであれば十分に変身が見込めるはず。
軽快なスピードが武器のヘイローの血を4本引いており、開幕週の良好な馬場でフワッと先行させればここはチャンス。
そのうえスワーヴリチャードの産駒で、注目ポイントとした「トニービン持ちの先行馬」にも合致するとくれば、これはまさに条件ドンピシャ。克服すべきは枠だけだ。
▼エエヤン
父はシルバーステートで、半兄には2014年の京成杯を制したプレイアンドリアルがいる。
とにかく中山マイルに強い馬で、このコースでは4戦して3勝2着1回で連対率100%。血統表を見るとさもありなんで、シルヴァーホークにウッドマンにダンジグにアリダー。要はだいたいざっくりグラスワンダーみたいなもので、小回りを馬力に任せて走らせたらそりゃあ強いよといったところ。
エエヤンが小回り・内回りのマイル以下で唯一連対を外した阪神カップも14着と見た目の着順はヒドいが、勝ち馬との差は0秒8差。先行馬に厳しい展開でもあり、見た目ほどの大敗ではない。
前走のマイラーズCは最下位の17着と大敗しているものの、そもそも外回りで何かできる馬でもないのでノーカウントで無問題。
コース相性抜群かつディープ孫の先行馬とくれば、前走の大敗に目をつぶって狙う価値がある。
▼ジューンオレンジ
前走のマーメイドSでも注目していたものの、さすがに距離が長かった感じの止まり方で結果は12着。ツィンクルブライドやペールギュントが出た牝系なので、適距離はマイル前後ということだろう。
このファミリーは中山と福島で重賞3勝のミッキースワローをはじめ、小回りでパフォーマンスを上げる馬が多いのが特徴。牝祖ツィンクルブライドは旧阪神内回り1600mの桜花賞で2着と好走したし、その仔ペールギュントは中山マイルの朝日杯で3着、改装前中京の高松宮記念で2着の実績がある。
それを思うとトリッキーな中山マイルはジューンオレンジにとって悪くない条件だろう。スタートに難があるのがネックながら、うまく先行できるようなら、トニービン内包馬という点を含めて、オッズ以上にチャンスがあるのでは。
■京成杯AHの最終結論
◎16コラソンビート
○10アスコリピチェーノ
▲6 エエヤン
☆11ジューンオレンジ
△4 ディオ
△8 サンライズロナウド
△12オーキッドロマンス
△13セルバーグ
【単勝】16(1点)
【馬連】16=10,6,11,4,8,12,13(7点)
【3連複/フォーメ】16=10,6,11=10,6,11,4,8,12,13(15点)
枠の不利は承知で◎コラソンビートから入る。確かに大外は不安要素だが、それ以上にコスモチェーロ牝系の小回り替わりは魅力的。ここは黙ってホイホイされる局面と見た。
○アスコリピチェーノは地力を考えるとこれ以上評価を落とせず。▲エエヤンは"プチ・グラスワンダー"な血統表に期待して。☆ジューンオレンジは先行できるといいですね。
馬券は◎コラソンビートからの馬連と○▲☆を2列目に置いた3連複フォーメーションが本線。どうやら枠がかなり嫌われているらしく、この原稿を書いている時点で単勝オッズが20倍以上つくのを目撃したので単勝も買っておこう。
<プロフィール>
“血統サイエンティスト”ドクトル井上
在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。
好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。
凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。
=重賞深掘りPROJECT関連動画=
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