【今週の注目重賞】
■京成杯AH
9月8日（日）、中山競馬場で第69回・京成杯AH（3歳上、GIII、ハンデ、芝1600m）が行なわれる。サマーマイルシリーズの最終戦となる。

アスコリピチェーノ（牝3、美浦・黒岩）は今年最大の目玉。デビュー2戦目に新潟2歳Sを制すると、阪神JFも連勝してGI戴冠。桜花賞は2着と初めて土がつき、続くNHKマイルCも2着だったが、デビュー以来、連対を外さずに走っている。今年のメンバーでは実績が突出しており、能力自体は最上位。ただし器用な馬ではないので初の中山マイルは若干不安を覚える。重ハンデが課されるのも確実なので、他馬との力関係よりは自身との戦いとなる。

ディオ（牡5、栗東・辻野）は古馬勢の大将格。同じ中山芝マイルの東風Sを3連勝で制覇。次戦・ダービー卿CTは勢いを買われて1番人気に推されるも、使い詰めが祟って11着に大敗。その後立て直されて、米子Sと関屋記念を連続2着に好走中だ。全21戦中20戦で1600m戦に使われており、掲示板を外したのは先述のダービー卿CT以外は一度もない。ここを勝つとサマーマイル王者に輝くので、陣営のモチベーションも高そうだ。

コラソンビート（牝3、美浦・加藤士）は巻き返しを期す。京王杯2歳Sを牝馬として25年ぶりに優勝。阪神JF3着、フィリーズR2着と、好走を重ねていたが、期待された桜花賞では16着に大敗。その後、春のGIには出走せず、休養に入っていた。3歳牝馬世代では上位の力を持つものの、アスコリピチェーノとは2戦2敗で勝負付けは済んでいる。同馬よりハンデは軽いはずなので、斤量差を活かしてどこまで。

オーキッドロマンス（牡3、美浦・手塚）も3歳での挑戦。未勝利、カンナSと連勝すると、京王杯2歳Sでは3着に健闘。クロッカスSとファルコンSも2着に好走し、葵Sは10着に大敗したが、古馬初対戦となったパラダイスSは53キロのハンデにも助けられて勝利した。京王杯2歳Sでは前出のコラソンビートに敗れているうえ、ベスト距離は1400mでマイルは1ハロン長い印象。能力自体は低くないものの、枠や展開に恵まれないとここは好走が難しいか。

ディスペランツァ（牡3、栗東・吉岡）は伏兵筆頭候補。デビュー以来2000mに使われていたが、距離をマイルに縮めると、いきなり1勝クラスを快勝。続くアーリントンCも連破して重賞初制覇を達成した。しかしNHKマイルCと関屋記念はいずれも不利な内枠に入り、着外に沈んでいる。鋭い決め手が持ち味だが、一方でゲートが悪くポジションを取れない弱みもある。同馬も枠と展開が好走のカギを握る。

そのほかには、昨年の中京記念を逃げ切り、今年の小倉大賞典も3着に逃げ粘ったセルバーグ（牡5、栗東・鈴木孝）、阪急杯3着のサンライズロナウド（牡5、栗東・安田）、長久明けながらリステッド2勝のエアファンディタ（牡7、栗東・池添）、NZT1着、ダービー卿CT2着と中山芝マイル得意のエエヤン（牡4、美浦・伊藤大）なども出走を予定している。

【そのほかの重賞】
■セントウルS
9月8日（日）、中京競馬場では第38回・セントウルS（3歳上、GII、別定、芝1200m）が行なわれる。今年は阪神競馬場改修工事の影響で、本来の阪神ではなく中京芝1200mで代替開催される。主な出走予定馬は、スプリンターズS連覇を狙うママコチャ（牝5、栗東・池江）、ヴィクトリアマイルをブービー人気で勝利したテンハッピーローズ（牝5、栗東・高柳大）、葵Sと北九州記念を連勝中のピューロマジック（牝3、栗東・安田）、今夏のアイビスSDで重賞3勝目を挙げたモズメイメイ（牝4、栗東・音無）、京阪杯連覇など重賞3勝のトウシンマカオ（牡5、美浦・高柳瑞）など。

■紫苑S
9月7日（土）、中山競馬場では第9回・紫苑S（3歳、GII、馬齢、芝2000m）が行なわれる。主な出走予定馬は、クイーンSなど重賞で3度の2着があるボンドガール（牝3、美浦・手塚）、フラワーCで1着のミアネーロ（牝3、美浦・林）、2着のホーエリート（牝3、美浦・田島）、3着のカンティアーモ（牝3、美浦・木村）、函館で1勝クラスと2勝クラスを連勝したエラトー（牝3、栗東・上村）、小倉の1勝クラスを好タイム勝ちしたハミング（牝3、栗東・中内田）など。

（Text:Hattori）