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競馬サロン

血統サイエンティスト ドクトル井上

2024/08/03 18:30

レパードステークス2024 最終結論【血統】満点あげたい好配合 素質馬が初重賞タイトル奪取だ!

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≪今週の動画・レパードS≫
▼「満点あげたい好配合」の素質馬とは!?

https://uma-jin.net/new/salon/salon_detail/18873/0/111



皆さま、お元気ですか。血統サイエンティストのドクトル井上です。

先週の土曜日にイギリスのアスコット競馬場で開催された、欧州芝12F路線の大一番・キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(“キングジョージ”)は、フランスの伏兵ゴリアットがオーギュストロダンやレベルスロマンスといった人気馬を押さえて勝利。GI初挑戦の人気薄が勝利したことで、現地ブックメーカーでもなかなかの高配当になったようです。

ディープインパクト産駒オーギュストロダンが最後失速して5着に終わったようにやはりアスコットの12Fはタフ。雨が降ったパリロンシャンと同じかそれ以上に日本馬にとっては鬼門と言える条件です。

思い出される2006年。有馬でディープに土をつけ、ドバイSCをブチ抜き、当時の12F路線で世界最強格だったハーツクライが、直線で敢然と抜け出しておきながら、ラスト1Fでフラフラになり、最後ハリケーンランとエレクトロキューショニストに差し返されたシーンは未だに軽くトラウマだったりするので……。

その点、ゴリアットはドイツに根を張るサドラー系アドラーフルークが父で、母系も由緒正しきドイツ牝系。タフなレースならこちらに一日の長があったということでしょう。直線向いたときの手応えがもげてたし。抜け出してからは煽り運転のごとく後ろを振り返っていたスミヨンの姿も印象的でした。

ただどうにもモヤモヤするのが名前の読み方。JRAは“Goliath”を「ゴリアット」と読ませていますが、これはさすがに「ゴライアス」ちゃうんかいと。

フランス調教馬のため、仏語発音の「最後の子音は読まない」ルールに則って「ゴリアット」としたんでしょうが(※Ribotがリボーみたいなもん)、英語実況ではゴライアスを連呼していたので思考がショートフリーズしました。

JRAも馬名のカナ表記をサラっと変えることがあるので次回ビッグレースに出る時は気を付けておきましょう。

さてこの記事では新潟のメイン・レパードSの最終結論をば。

考察
何はなくとも逃げ先行馬から入りたいレース。数字にもそれが表れていて、当レース創設以降、過去15回のレパードSにおける脚質別成績は以下のとおり。

▼レパードSの脚質別成績
逃げ・先行【10-12-9-37】
 勝率14.7% 連対率32.4% 複勝率45.6%

差し・追込【5-3-6-138】
 勝率3.3% 連対率5.3% 複勝率9.2%


直線こそ長いがコーナーが急なコースレイアウトのため、どうしてもそこでスピードが緩む。そこで息が入る分、先行勢が残しやすい傾向にある。

血統面を見ると、あまり相性が良くないのはキングマンボ系を除く父ミスタープロスペクター系。【0-1-1-25】で複勝率7.4%に留まる。

また【2-1-3-19】で複勝率24.0%と一見調子の良さそうな父キングマンボ系も、好走したのは全て偉大なキングカメハメハの産駒。孫の代に入ってからは18年3人気9着アドマイヤビクター(父ルーラーシップ)、21年2人気15着ルコルセール(父ロードカナロア)など、人気に推されて走り切れない結果が続いている。

全体として、ミスプロ系は下げる発想を持っておきたい。

また該当例は少ないが「デカいストームキャット系」が強いレースなのも特徴。過去15回のレパードSで、当日馬体重が500キロ以上あった父ストームキャット系は【1-1-2-4】で複勝率50.0%をマークしている。

ちなみに馬券になった4頭のうち3頭は、当日馬体重が530キロ以上。このパターンはデカけりゃデカいほど良い

ミッキーファイトはストームキャット系ドレフォンの産駒。母父スペシャルウィークに入るセントクレスピンや3代母エアグルーヴに入るトニービン、ガーサント、ノーザンテーストなどによって、欧州的な底力を強化する形となった。ドレフォン産駒として満点をあげられる配合で、重賞を勝って何ら不思議ない好配合だ。

ユニコーンSでは内で包まれ、仕掛けが遅れる格好になっての3着。力負けではないし、砂を被る経験を積めたのはキャリアの浅い同馬にとってプラス。好タイムで制した2戦目を見ても力があるのは明らかだし、ある程度の位置を取れるのもレースの性質にマッチしている。

ブルーサンの牝系からはダート短距離の重賞で活躍したリュウノユキナ、TCK女王盃勝ち馬サウンドザビーチ、東海S3着のスマハマなどが出る。

逃げないとどうしようもない馬で、ここまで馬券になったのはいずれもハナを切ったとき。大敗した前走は古馬が相手だったうえに、ヤマニンウルスにマクリ潰される厳しい形に。ノーカウントで良いだろう。

平坦コースに強いモーニン産駒なので、新潟コースは歓迎材料。一見押せ押せのローテーションではあるが、レースを調教替わりに使う川村厩舎なので、この間隔でも心配は要らない。

前走の大敗で人気を落とすようならシメたもの。一発の期待も。

ジーサイクロンはダート1800mに強いサンダースノー産駒。晩成傾向も強い同産駒なので、ジーサイクロンが3歳春以降、軌道に乗ったのも納得。典型的な「サンダースノー曲線」という感じがする。

母ジーベロニカはキンカメ×サンデーサイレンス×スプリングコートという配合で、このパターンはキンカメの祖母パイロットバードとトニービンを介してホーンビームのクロスが発生するため、上がりのかかる長い直線をズドンと追い込む馬に出やすい。中京記念のラスト1Fでミッキードリームが飛んでくるのが典型的だ。

ジーサイクロンもその特徴を受け継いだ模様。タフな末脚が持ち味なので、ハヤヤッコが勝った年のような上がりのかかるレースになればチャンスは広がる。

ソニックスターは北米が誇る稀代の名種牡馬イントゥミスチーフの産駒。牝系を見ると、近親に日本で種牡馬生活を送っているビーチパトロールがいる。

美浦坂路で実施した1週前の追い切りでラスト1F11秒4をマークしたように体調はすこぶる良さそう。ちなみにこのラスト1F11秒4、昨年9月に美浦坂路が改修されて以降の最速タイムだったりする(それまでの記録はグランベルナデットとペリファーニアがマークした11秒5)。

アメリカン血統らしく、というか母父のスペイツタウンらしく、砂を被る競馬は苦手なようだが、OP特別勝ちが示すとおり地力は十分と見たい。

レパードステークス最終結論
◎1 ミッキーファイト
○11ブルーサン
▲8 ソニックスター
△4 ジーサイクロン
△13ロジアデレード
△9 ミッキークレスト
△2 ハーバーライト

【3連複/軸1頭流し】1=11,8,4,13,9,2(15点)
【3連単/フォーメ】1→11,8→11,8,4,13,9,2(10点)


ミッキーファイトとした。配合はこの世代のドレフォン産駒でもトップクラスだし、既に重賞級の地力を見せているのも心強い。

ストライドで走る馬なので最内枠は確かに歓迎できないものの、近くにいる馬がいずれも中団より後ろで競馬を進めるタイプなのは不幸中の幸い。最初の直線で促してしまえば、うまいこと動きやすい外に寄せることは可能だろう。

ブルーサンはハナさえ切れれば。ピュアキアン陣営からも逃げたいようなコメントが出ているが、バスラットレオンのハナすら叩けるブルーサンがテンのスピードで劣るとは思えない。マイペースなら巻き返せる。

ソニックスターは実績と先行力を評価して。距離は1800mならこなせるはずで、そこを不安視されて人気を落とすようならかえってありがたい。

この並びなら外のメイショウ、ブルーサン、ロジを先に行かせたうえで、その後ろの外好位を確保できる。内で包まれて砂を食べ続ける形にはならないだろう。

ちなみに印上位3頭はいずれも前走時点で「デカいストームキャット系」に該当する。

ハーバーライトはミッキーファイトの後ろをコバンザメのようにヒタヒタついていってくれると嬉しい。ミッキーファイトの真後ろがベスポジになるはずなので、超人気薄とはいえ枠の近いこの馬を拾っておく。

馬券は◎からの3連複15点と、○▲を2列目に置いた3連単フォーメーションで。

<プロフィール>
“血統サイエンティスト”ドクトル井上

在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。
好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。
凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。

=重賞深掘りPROJECT関連動画=
【DATA診断・レパードS】お宝DATAハンター リーダー・ハットリ


【馬体診断・レパードS】馬体アナリスト・伊藤


【調教診断・レパードS】調教ライター・西村武輝


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