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血統サイエンティスト ドクトル井上

2024/07/13 18:00

函館記念2024 最終結論【血統】内枠の「函館記念ニックス」で大波乱を狙い撃て!

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≪今週の動画・函館記念≫
▼好相性の「函館記念ニックス」に迫る!

https://uma-jin.net/new/salon/salon_detail/18621/0/111



皆さま、お元気ですか。血統サイエンティストのドクトル井上です。

先日、川田騎手が2週間の休養を取ることを発表しました。そのため今週と来週は騎乗なし。ルメール騎手もそうですが、アスリートにとってやはりオーバーホールは重要になるのでしょう。ある意味これも働き方改革ですな。

かくいう私も従前のお知らせのとおり、来週は夏休みをいただく予定でして。放牧を挟んでアイビスSD&クイーンSの週から戦線復帰となります。

さてさてこの記事では日曜の函館メイン・函館記念の最終結論をば。いい気分で夏休みを迎えられますよう。

過去のレース傾向
近年の函館記念は血統表のどこかにロベルトの血が入った馬の活躍が目立つ

昨年3着のブローザホーン(父エピファネイア)のような父ロベルト系はもちろん、昨年の勝ち馬ローシャムパークや一昨年の勝ち馬ハヤヤッコもこれに当てはまる。気付きにくいがハービンジャーやクロフネもこっそりロベルトを抱えているのだ。

過去10年の函館記念を対象に「血統表のどこかにロベルトを抱える」馬の成績を調べてみると【4-5-9-50】で複勝率26.5%、複勝回収率136%とベタ買いでもプラスになる数字が出ている。

とはいえさすがに該当馬が多過ぎるきらいもあるので、何か絞るポイントを発見したいところ。

今回はロベルトにプラスして組み合わせたい血脈を整理し、「函館記念ニックス」としてご紹介しよう。

(1)ミスプロ&スペシャル
ロベルトにミスプロを組み合わせるととゴールドディガー≒ブラマリーのニアリークロスが発生する。そこにヌレイエフやサドラーズウェルズなどを経由してスペシャルの血が入ると、ナシュア≒ナンターラのニアリークロスとして、これをさらに継続する格好となる。

この組み合わせは馬力を強化することに繋がりやすく、ともするとダートで狙いが立つタイプを多く出すのだが、最終週の洋芝という函館記念特有の条件において効果を発揮するようだ。

手っ取り早いのがミスプロとヌレイエフ経由でのスペシャルを抱えるキングマンボにロベルトを入れるパターン。過去10年の当レースで馬券に絡んだ父もしくは母父キングマンボ系は7頭いたのだが、このうち5頭がロベルトを併せ持っていた。

(2)ノーザンテースト&ディクタス
これはシンプルに函館記念適性の上昇を見込んだもの。それこそ1990年以前、サッカーボーイやディクターランドの頃から、函館記念はディクタス×ノーザンテーストが席巻してきた。

血統表内にディクタスとノーザンテーストを併せ持つ馬の函館記念成績は【2-4-5-18】で複勝率37.9%。複勝回収率も100%を超える。ディクタスの産駒デビューは昭和の最後なので、実に30年以上もベタ買いしてプラスだったことになる(年数に比してサンプルの数は少ないが……)。

そしてこのディクタス&ノーザンテーストの組み合わせにロベルトを入れると、函館記念では【1-1-4-6】、複勝率50.0%と2頭に1頭が好走する計算に。近年の王道はステイゴールドにロベルトを入れるパターンで、マイネルミラノやバイオスパーク、マイネルファンロンなどがこれに該当した。

▼「函館記念ニックス」に該当する出走馬
(1)ロベルト&ミスプロ&スペシャル
⇒チャックネイト、ハヤヤッコ、プラチナトレジャー、ホウオウビスケッツ、リカンカブール


(2)ロベルト&ノーザンテースト&ディクタス
⇒マイネルクリソーラ


各馬の個別検討
リカンカブール
父のシルバーステートからロベルトを、母アンブラッセモワからミスプロとスペシャルとうっすらロベルトを引いてくるため、先に取り上げたポイントを満たす形に。母のアンブラッセモワはゾファニー×ピヴォタル×カーリアンというノーザンダンサー色の濃い配合。洋芝適性という点を考えると、これくらいノーザンダンサーが色濃い方が好材料だろう。

ただでさえシルヴァーホークの影響が強いシルバーステートだが、さらにロベルトをクロスさせると前々で立ち回る機動力が強化されるよう。ロベルトをクロスさせたシルバーステート産駒はウォーターナビレラもセッションもケイアイサンデラもラヴァンダもみんな似たような先行脚質になった。

同様にロベルトクロスを抱えるリカンカブールも、差して勝ったことはあるものの、基本的には中山金杯のようにインの前を立ち回る競馬が理想だろう。

前走の大阪杯はGIで相手が強かったことに加え、イン前が強かった競馬で8枠15番というのがかなり影響した。大敗だったがノーカウントで良さそう。コーナー4つの立ち回り勝負であればGIIIなら十分に通用する力がある。ハンデは気持ち見込まれたものの、好枠を引いたし巻き返しに期待したい。

マイネルクリソーラ
父はロベルト系のスクリーンヒーロー。母父がムタファーウエクなので、シルヴァーホーク3×3というなかなか強烈なクロスを抱えている。母マイネトゥインクルは1400-2000mでJRA4勝。その母マイネブリリアンもJRA3勝を挙げた。

マイネブリリアン→マイネトゥインクルの親子が牝馬ながらに中距離で結果を残したのは、サッカーボーイ由来のスタミナに加えて、ダイオライト5×4とハイペリオン&サンインローをたっぷり抱える牝祖タケノフラッグ由来のスタミナもしっかり伝わっているからだろう。

前述したとおりロベルト&ディクタス×ノーザンテーストは函館記念でなかなかの好成績。ステイゴールド経由でないのは珍しいが、マイネルクリソーラはスクリーンヒーローとサッカーボーイ経由でこの組み合わせを引いている。

前走の新潟大賞典は4角で不利を受け、そこでレースが終わってしまう恰好に。また小回り向きの血統構成を考えると、ワンターンのコースも合っていなかったのだろう。

中山金杯では1キロもらいでリカンカブールに敗れているとはいえ、向こうは中山2000mの内枠だったのに対しこちらは不利とされる8枠。通ったコースの差を考えればそう差はないはずだ。

ハンデも手ごろだし狙い目になると思っているので、後は金曜日に突如現れた「枠が遠い問題」をどう誤魔化すか。どうして大外枠……。

チャックネイト
父はハーツクライ、母ゴジップガールは芝10FのGIアメリカンオークスの勝ち馬。近親にはアルゼンチンの重賞勝ち馬がいる。母はロベルト×キングマンボという配合なので函館記念的な組み合わせ。そこにハーツクライなので、発想としては22年3着のスカーフェイスに近いものがある。

異なる点と言えばこちらの方がノーザンダンサー色がやや薄いところ。個人的には欧州適性・洋芝適性という意味ではもう少しノーザンダンサー色が濃くても良かったのかな? という感は否めない。

とはいえ前走の天皇賞はさすがに距離が長かったのと、イン有利の馬場で8枠を引いた時点で厳しかった印象。それに初めての関西遠征というのも影響したのだろう。早い段階でアラアラになりラストは流していた。見た目の着順を気にする必要はない。

勝ったAJCCもそうだし3着だったアルゼンチン共和国杯を見ても、GIIIレベルでは地力は一枚上手の感だが、今回のネックはハンデと枠。覚悟していたとはいえやはりハンデは気になるし、マイネルに続いてなんでこの方も桃帽を被っているのか……。

プラチナトレジャー
キングカメハメハ×クロフネ×サンデーサイレンスという配合のアウトラインは、厩舎の先輩ハヤヤッコと全く同じ。異なるのは残り1/8の部分で、ハヤヤッコがトップサイダーやスタードナスクラといったアメリカダート色が濃い組み合わせなのに対し、プラチナトレジャーはカーリアンとハッピートレイルズということで、芝向きのパターンとなっている。

「函館記念ニックス」に該当することから、どちらも函館記念への適性はバッチリ。そのうえで、北米ダートの馬力が活きるタフ馬場だとハヤヤッコ、芝らしいスピードが求められればプラチナトレジャーというイメージで捉えてみたい。日曜の函館は晴れ予報で良馬場想定。ならばハヤヤッコではなくプラチナを上にとる選択肢はあろう。

エンパイアウエスト
ドゥラメンテ×サドラー×スリップアンカー(英ダービー馬)という重厚さしかない配合。見るからに洋芝は合っているし連勝の勢いもある。

ひょっとしてここを使ってクイーンS狙いな気がしないでもないが、タフな条件で53キロなら一発狙ってみても。

函館記念の最終結論
◎6 リカンカブール
○8 プラチナトレジャー
▲16マイネルクリソーラ
☆3 エンパイアウエスト
△4 グランディア
△5 サンストックトン
△10トップナイフ

【馬連/フォーメ】6,8=6,8,16,3,4,5,10(11点)
【ワイド/BOX】6,8,16,3(6点)


「函館記念ニックス」に該当した6頭のうち、内寄りの1-4枠に入った◎リカンカブール、○プラチナトレジャーを中心に据える。外枠からは手頃なハンデに収まったマイネルクリソーラのみをピックし、後は5枠より内の馬で固めた。

大阪杯におけるリカンカブールの大敗は無視できるという見立て。ハンデは気持ち重いものの、立ち回り力を活かせるこの枠なら巻き返しがある。プラチナトレジャーはハヤヤッコ大先生の後継襲名に期待して。

馬券は◎○からの馬連フォーメーションが本線。印上位4頭のワイドBOXを足しても合成オッズが取れそうなので追加でここは押さえておきたい。

【お知らせ】
次週、中京記念週(7月15日-21日)は重賞深掘りプロジェクトチーム夏季休業のため、YouTube動画、コラムの掲載をお休みさせていただきます。
アイビスSD/クイーンS週(7月22日-28日)以降の動画/コラムにつきましてはお盆期間も含め、通常どおりの掲載を予定しております。
休載期間中は大変ご不便をおかけいたしますが、今後とも重賞深掘りプロジェクトをお楽しみいただければ幸いです。

<プロフィール>
“血統サイエンティスト”ドクトル井上

在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。
好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。
凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。

=重賞深掘りPROJECT関連動画=
【DATA診断・函館記念】お宝DATAハンター リーダー・ハットリ


【馬体診断・函館記念】馬体アナリスト・伊藤


【調教診断・函館記念】調教ライター・西村武輝


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