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競馬サロン

血統サイエンティスト ドクトル井上

2024/06/08 18:30

函館スプリントステークス2024 最終結論【血統】ついに覚醒!? ザ・短距離血統が初タイトル奪取へ【重賞深掘りPROJECT】

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≪今週の動画・エプソムカップ≫
▼梅雨時のレースで躍動する“欧州の首領”を狙う!

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皆さま、お元気ですか。血統サイエンティストのドクトル井上です。

今週から函館開催がスタート。まだ6月とは言え、一足早く夏の訪れを告げる開催です。そろそろ「洋芝」が夏の季語になってもおかしくないと思うのですが。

さてこの記事では日曜日の函館メイン・函館スプリントステークスの最終結論をつらつらと。

過去のレース傾向
函館で開催された過去10回(2013-2020年及び2022-2023年)を対象に振り返ってみると、ロードカナロア産駒が【2-2-0-6】で勝率20.0%、連対率40.0%をマーク。さすが短距離王という成績で、当レースでは札幌開催の2021年を含め4年連続で連対馬を輩出している。

またサンプル数こそ少ないものの、父もしくは父父マンハッタンカフェは函館開催の当レースにおいて通算【1-1-2-1】で複勝率80.0%。洋芝でパワーが求められるため、マンハッタンカフェが抱えるリボーの血が活きてくるようだ。該当馬がいればベタ買いでOKと見る。

☆ロードカナロア産駒
⇒キミワクイーン、サトノレーヴ、ジュビリーヘッド

☆父or父父マンハッタンカフェ
⇒シナモンスティック(ジョーカプチーノ産駒)


各馬の個別検討
アサカラキング
キズナ×キングヘイローの配合はディープボンドと同じパターン。キズナのアルザオ&ストームキャットにダンシングブレーヴを合わせるのは効果的なやり方だ。アサカラキングの場合はここにカーリアンも絡んでくる格好になる。

距離適性はアサカラキングとディープボンドで全く異なるが、これはどちらかと言えばディープボンドがスタンダードから逸脱している感じで、同配合の馬を眺めてみるとスマートスピア(芝マイルで2勝)、ガルサブランカ&ジュンヴァンケット(いずれもマイルでデビュー勝ち)と距離適性は短めになる傾向。さらにアサカラキングの場合は、スプリンターだった祖母キョウワノコイビト(フィリーズレビュー2着)が影響したようで、距離適性が1200-1400mに落ち着いたものと考えられる。

配合からも洋芝は問題ないだろうし、ここは主役級の評価を与えられるはずだ。

ウイングレイテスト
母グレートキャティなので京都新聞杯や若葉Sを勝ったベストメンバーの半弟にあたる。

ヘイロー≒レッドゴッドのニアリークロスで1400-1600mをフワッと先行するタイプ。それが見事にハマったのが昨年秋のスワンS。34秒1=11秒3=34秒5の平均ペースを2番手から粘り込んでみせた。

ゴリゴリ先行する血統には見えないので、初のスプリント戦、しかもテンが速いアサカラキングのペースに対応できるかどうかがポイントになるだろう。

カルネアサーダ
ドレフォンにアンブライドルド持ちの母というのはコンシリエーレ(ダート5勝)と同じパターン。北米血統の馬力が強調されやすい配合で、ダートや洋芝向きのタイプに出やすい組み合わせだ。

稍重の阪神芝1200mタンザナイトSや洋芝のスプリントで連対したようにこの馬も基本はパワー型。なので洋芝に替わるのはプラスだろう。個人的には同じ洋芝でも使い込まれた位がちょうど良いと思っているので、ここを使って青函SやキーンランドCあたりが狙い目かも? と考えてはいるのだが、ここでも印は回しておきたい。

サトノレーヴ
短距離重賞を3勝したハクサンムーンの半弟で、父はロードカナロアに替わっている。ロードカナロア×サクラバクシンオー持ち母の組み合わせはファストフォースやキルロードと同パターン。牡馬だと晩成傾向に出やすく、サトノレーヴもここから一層の充実を見せると考えられる。

母系の配合からも洋芝は問題なく実際に函館で勝ち鞍もある。前走で差しに回れるのを証明したのも大きい。当レースと相性の良いロードカナロア産駒だし、ここは狙い目だろう。

シナモンスティック
昨年のキーンランドCでナムラクレアの2着の実績。ジョーカプチーノ×マイネルラヴというちょっと身体が硬そうな配合なので、気温が上がって筋肉がほぐれてくる夏場がプラスに出るタイプと見る。

父ジョーカプチーノは洋芝1200mが庭で、特に函館では【9-4-1-23】で勝率24.3%、複勝率37.8%という驚くほどの好成績を残している。札幌・函館以外の芝1200mでは勝率3.6%、複勝率18.0%なのでその差は歴然だ(※いずれもデータは今年6月6日時点)。

これは北米史上最高峰のパワーを誇るラトロワンヌのクロスを内包するフサイチコンコルドの血が効いているのだろう。フサイチコンコルドと言えば、クイーンSで圧倒的1人気のファインモーションを下したオースミハルカや、ラベンダー賞→函館2歳Sをブチ抜き、札幌2歳Sでもアドマイヤムーンの3着に好走した道営馬モエレジーニアスなど、上級まで出世した産駒には洋芝巧者が多かった。代表産駒バランスオブゲームも1回だけ出走した洋芝レース・札幌記念でファインモーションの2着に好走した実績がある。

シナモンスティックの洋芝スプリント適性は出走馬でも上位。うまいことアサカラキングの番手にハマれば最後まで踏ん張り通すシーンがあっても。

シュバルツカイザー
父ダークエンジェルは欧州で6Fの2歳GIを制し、種牡馬としては高松宮記念馬マッドクールなどを輩出。シュバルツカイザーの半姉には愛オークス2着馬ジャックネイラーがいる。

母父ナシュワン、母母父シャーリーハイツ、母母母父ニジンスキーなので、これはどこをどう切り取っても欧州血統。パワーや馬力が求められる洋芝や急坂短距離で成績を残しているのは「そらそうよ」という感がある。

前走・高松宮記念はイン前有利の馬場と展開で18番ゲートから発走した時点で終了していた。1-4枠に入ったときは【4-2-0-4】の内枠巧者。この枠なら巻き返しがあるはず。

最終結論
◎4 サトノレーヴ
○3 アサカラキング
▲7 シュバルツカイザー
☆6 シナモンスティック
△9 キミワクイーン
△11ジャスティンスカイ
△12ジュビリーヘッド
△13ビッグシーザー
△8 カルネアサーダ

【3連複/フォーメ】4=3,7,6=3,7,6,9,11,12,13,8(18点)
【ワイド/フォーメ】7,6=4,3,7,6(5点)


ここはロードカナロア産駒サトノレーヴから入る。ロードカナロア×サクラバクシンオーが本格化の気配を見せているのなら、短距離重賞では当然買うべきでしょ? というシンプルな発想で。

2走前の阪急杯でアサカラキングに先着を許しているが、休み明け&微妙に長い1400mに加えて、当時は使いたかったオーシャンSが除外濃厚だったため、慌てて1週前倒ししてレースを使ったもの。堀厩舎が小崎騎手に9年ぶり(!)に依頼をかけた時点で緊急事態、スクランブルな状況が分かろうかというものだ。

前走の春雷Sは着差こそわずかだったが、時計の出た皐月賞デーの中山芝を外をブン回して勝った時点で力の証明には十分な内容。乗り方としては相当に雑だったので、勝ち切ったこと自体に価値があろう。

上でも述べたようにカナロア×バクシンオー持ち母の一線級は晩成傾向。その成長曲線に乗っているとすれば、今はまさに充実一途。半兄ハクサンムーンでまだまだ奥行きもあるだろう。新星誕生にベットしたい。

アサカラキングの出脚はここでは頭ひとつ抜けている感。しかも内寄りの枠を引いたのでポンとハナを切れるはず。楽逃げまで視野に入れたい。

シュバルツカイザーは条件好転の感。前走はGIに加えて外が全く使えない馬場での大外枠。いわゆる無理ゲー、いかんともしがたいレースだった。時計が出る洋芝というニッチな条件はSTV賞やしらかばSを見ても大好物。変わり身があっても。

シナモンスティックは「洋芝1200mのジョーカプチーノ」案件。こんなものは目をつぶって重い印を打つに限る。仮にここでダメでも北海道シリーズの芝1200mでは絶対に追いかけるべき。青函S、UHB賞、キーンランドCはまとめてお付き合いする予定だ。

馬券はサトノレーヴから○▲☆を2列目に置いた3連複フォーメーションが本線。また▲☆からのワイドはオッズが貰えるようなので、印上位を相手にフォーメーションで5点押さえておく。

<プロフィール>
“血統サイエンティスト”ドクトル井上

在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。
好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。

=重賞深掘りPROJECT関連動画=
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