【今週の注目重賞】
■桜花賞
4月7日（日）、阪神競馬場で第84回・桜花賞（3歳牝馬、GI、定量、芝1600m）が行なわれる。5着馬までにオークスの優先出走権が付与される。

アスコリピチェーノ（牝3、美浦・黒岩）は今年ここから牝馬クラシック戦線に突入する。東京芝1400mの新馬で派手な追い込み勝ちを決めたあと、1番人気に推された新潟2歳Sも快勝。続く阪神JFは3番人気だったが、ここもレースレコードで勝利して2歳女王の座に無傷で就いた。近年はすっかり“王道ローテ”となった阪神JFからの直行で、まずは1冠目を狙う。

ポテンシャルの高さに期待が集まるのはチェルヴィニア（牝3、美浦・木村）。超ハイレベルと目されたボンドガールの新馬戦で2着。2戦目の未勝利を6馬身差で圧勝すると、続くアルテミスSも圧倒的1番人気に応えて快勝。その後、左後肢の違和感で本命視された阪神JFを回避。トライアル等には使われず、桜花賞へ直行する。能力の高さに疑う余地はないが、異例の臨戦過程に加えて、騎乗予定だったC.ルメール騎手が落馬負傷。アクシデント続きで、もっとも取捨に悩まされる馬だ。

クイーンズウォーク（牝3、栗東・中内田）も戴冠のチャンスがある一頭。2戦目の未勝利を勝ち上がると、3戦目のクイーンCでは鮮やかな追い込みを決めて重賞制覇。こちらもゆとりあるローテで本番に向かう。朝日杯FSを制したグレナディアガーズの半妹で、同馬と同じ川田騎手と中内田厩舎の名タッグでGI奪取を目論む。

トライアル組の最有力候補はスウィープフィート（牝3、栗東・庄野）。阪神JFで7着、エルフィンSで2着と、オープンで善戦を続けたあと、武豊騎手に乗り替わったチューリップ賞で後方一気の勝利を挙げて、意気揚々と本番に臨む。レジェンドの2度目の騎乗でさらなる上昇に期待か。

コラソンビート（牝3、美浦・加藤士）もまだ見限れない。ダリア賞で2勝目を挙げると、京王杯2歳Sでは牡馬相手に2歳コースレコードで勝利。これはのちにオークス馬となるウメノファイバー以来、25年ぶりの牝馬による優勝だった。だが阪神JFは3着に敗れ、確勝と思われたフィリーズRでは2着に取りこぼし。この敗戦でかなり評判を落とした格好だが、能力があるのは確かなので、妙味が増したととらえることもできる。

そのほかには、阪神JF2着馬でJ.モレイラ騎手が手綱を獲るステレンボッシュ（牝3、美浦・国枝）、フィリーズRを逃げ切ったエトヴプレ（牝3、栗東・藤岡）、エルフィンSを制したライトバック（牝3、栗東・茶木）、フェアリーS1着のイフェイオン（牝3、栗東・杉山佳）と2着のマスクオールウィン（牝3、美浦・牧）、抽選対象ではあるがサウジアラビアRC2着の・ボンドガール（牝3、美浦・手塚）なども出走を予定している。

【そのほかの重賞】
■ニュージーランドT
4月6日（土）、中山競馬場では第42回・ニュージーランドT（3歳牡牝、GII、馬齢、芝1600m）が行なわれる。3着馬までにNHKマイルCへの優先出走権が付与。主な出走予定馬は、シンザン記念2着のエコロブルーム（牡3、美浦・加藤征）、ジュニアCを超抜タイムで逃げ切ったキャプテンシー（牡3、栗東・松永幹）、クイーンC3着のルージュスエルテ（牝3、美浦・国枝）、デビューから6戦すべて馬券内、前走同じ中山マイルの1勝クラスを勝ち上がったスパークリシャール（牡3、美浦・小島）、桜花賞を除外になればこちらに回るサウジアラビアRC2着のボンドガール（牝3、美浦・手塚）など。

■阪神牝馬S
4月6日（土）、阪神競馬場では第67回・阪神牝馬S（4歳上、牝馬、GII、別定、芝1600m）が行なわれる。優勝馬にはヴィクトリアマイルへの優先出走権が付与。主な出走予定馬は、ローズS1着、秋華賞2着で、今回J.モレイラ騎手が跨るマスクトディーヴァ（牝4、栗東・辻野）、阪神JF3着、クイーンC2着など牝馬重賞で実績豊富なドゥアイズ（牝4、栗東・庄野）、紫苑S優勝のモリアーナ（牝4、美浦・武藤）、フェアリーS1着、エリザベス女王杯2着のライラック（牝4、美浦・相沢）、NHKマイルC2着のウンブライル（牝4、美浦・木村）など。

（Text:Hattori）