競馬サロン

2023/12/02 19:00
【チャンピオンズC】 引退に向けカウントダウンのテーオーケインズ 有終の美へ、まずはこの一戦に全力投球!


当コラムで触れようと思いながら触れられず、かなりの時間が経過してしまいましたが、去る10月26日。山田敬士騎手の引退が発表されました。
デビュー6年目の山田騎手は、競馬学校の34期生。三度目の正直で競馬学校に合格し、同期には西村淳也騎手と服部寿希騎手がいますが、近年では最も卒業生が少ない期です。
やや記憶が曖昧ではありますが、この34期生について、以前グリーンチャンネルで特集した番組があったように思います。
その番組内で、美浦所属の現役騎手が競馬学校に出向き、模擬レースに騎乗。その後、一緒にレースを振り返るという場面がありました。
山田騎手は、その見た目から松岡正海騎手に「あばれる君」といじられており、そのシーンがすごく記憶に残っていました。ところが、今になって改めて調べると、競馬学校を卒業時に報道陣からどう呼ばれたいか聞かれた際、「あばれる君です」と答えていたのは、なぜか西村騎手。私の記憶違いなのか、それともニックネームを取られてしまったのか……。
そんな山田騎手のJRA通算成績は1984戦40勝。お世辞にも、勝ち星に恵まれたわけではありません。ただ、時にまるで説明のつかないような超のつく大穴馬を激走に導き、度々、穴党を喜ばせていた、記録よりも記憶に残る騎手でした。
中でも思い出深いのが、2018年6月3日の由比ヶ浜特別。このレースは安田記念の直前、東京の第10レースとしておこなわれ、武豊騎手や戸崎圭太騎手など、東西のトップジョッキーも騎乗していました。
一方の山田騎手は、2場開催ということもあってか、この日は1鞍のみの騎乗。騎乗するキングクリチャンは、18頭中の10番人気とかなりの穴馬でした。
しかし、このレースで、後ろから6頭目の位置で迎えた直線。進路を見出した山田騎手とキングクリチャンは、素晴らしい末脚を披露して前をまとめて交わしさると、ディープインパクト産駒の良血ヨシノザクラの追撃も振り切り、先頭でゴール板を駆け抜けたのです。
ボーンキング産駒のキングクリチャンは、このとき実に9歳。いわゆるマル地馬で、JRAではここまで61戦して勝利がなかったのですが、そんな大ベテランを、まだデビューから3ヶ月しか経っていない新人騎手が勝利に導いたのですから、それはそれは驚きでした。
また、山田騎手といえば、どうしても「距離を誤認してしまった騎手」という印象を持つファンもいらっしゃるでしょう。
私自身、もしあのレースで山田騎手が騎乗したペイシャエリートの馬券を買っていたら、こんな悠長なことは言っていられないと思うのですが、それでも、見た目やキャラクターから、どうしても憎めない存在なのです。
このレースの2日後。山田騎手は、師匠の小桧山悟調教師と北海道まで出向き、同馬を所有する北所直人オーナーをはじめ、関係者に謝罪して回ったそう。ただ、北所オーナーもおそらく同じ気持ちだったのではないでしょうか。
実際、北所オーナーは、山田騎手の騎乗停止処分が明けた2019年1月14日に騎乗馬を用意しており、さらにそれから1ヶ月後。復帰後の初勝利となったペイシャボムも、やはり北所オーナーの所有馬でした。
さて、山田騎手が引退する原因となったのは、調教中の落馬で左手を負傷。回復の目処がたたないからだそうです。
デビューからわずか6年で様々な苦難を経験し、乗り越えてきた山田騎手。第二の人生と呼ぶには早すぎますが、この経験は間違いなく糧になるはずで、今はただ26歳の若者に幸あれと願うばかりです。
それでは予想に。
今回はダートの頂上決戦、チャンピオンズCの過去5年を深掘り調査。好走傾向から買い条件を探し出し、軸馬を見つけます。
(1)前走人気と前走からの間隔
(2)今回の馬番
(3)生月
(4)生産牧場
(5)前走の馬場状態
(6)前走の枠順
(7)父の系統
(8)前走着順
近年の傾向から、買い条件といえそうなのは上記8項目。その中で、(1)は前走人気と前走からの間隔です。
前走、上位人気に推されていた馬を素直に評価したいチャンピオンズC。具体的には、前走3番人気以内で、そのレースからの間隔が中3週以上。さらに、前走時の馬体重が460kg以上540kg未満、かつ前走が地方か京都競馬場のレースであれば[4-4-2-8/18]。勝率22.2%、複勝率55.6%。単勝回収率127%、複勝回収率120%。
書いている私も訳が分からなくなるような条件ですが、サンプル数は多く好成績でした。
(2)は、今回の馬番について。
極端な内枠と、外枠が不利な当レース。(1)とやや重なりますが、今回の馬番が2から13番で、前走、地方でおこなわれたGIかみやこSに出走。なおかつ、前走時、馬体重が減っていたか、増減なしだった馬は[3-3-3-7/16]。勝率18.8%、複勝率56.3%。単勝回収率115%、複勝回収率281%。(1)とほぼ同レベルの好走率でした。
(3)は生月。
近年のチャンピオンズCは、どういうわけか4月生まれが強く、中でも前走3コーナーで7番手以内に位置していた馬が[3-3-2-6/14]。勝率21.4%、複勝率57.1%。単勝回収率175%、複勝回収率219%。該当馬の半数以上が好走していました。
次は(4)。生産牧場です。
ダートの頂上決戦でも強さを発揮している「絶対王者」ノーザンファームの生産馬。チャンピオンズCも勝利すれば、GI出走機会13連勝ということになります。
そのノーザンファーム生産馬の中でも、前走ダート戦に出走。なおかつ、今回JRA所属の騎手騎乗(短期免許で来日している外国人騎手以外)馬は[3-4-0-5/12]。勝率25.0%、複勝率58.3%。単勝回収率213%、複勝回収率155%。これまた、該当馬の半数以上が好走していました。
折り返しの(5)は、前走の馬場状態について。
またしても「どういうわけか」で恐縮ですが、前走ダート、稍重のレースに出走した馬が健闘している当レース。その中でも、キャリア30戦以下の馬は[2-2-1-5/10]。勝率20.0%、複勝率50.0%。単勝回収率177%、複勝回収率281%。かなりの好成績でした。
(6)は、前走の枠順。
前走、ダート戦で8枠に入った関西馬が奮闘しているチャンピオンズC。その成績は[2-2-1-5/10]で、勝率20.0%、複勝率50.0%。単勝回収率177%、複勝回収率151%。(5)と同じく、該当馬の半数が好走していました。
続いて、(7)は父の系統。
チャンピオンズCの過去5年の3着内馬15頭中14頭は、ネイティヴダンサー系種牡馬かロイヤルチャージャー系種牡馬の産駒。
そのうち、ネイティヴダンサー系種牡馬の産駒。かつ5、6歳馬は[2-1-2-4/9]。勝率22.2%、複勝率55.6%。単勝回収率235%、複勝回収率267%。サンプルは決して多くないものの、かなりの好成績でした。
そして最後は(8)。前走の着順。
ピンポイント過ぎるだろ!と突っ込まれそうですが、チャンピオンズCで評価したいのが前走3着馬。こちらも数は多くないものの[1-2-2-3/8]で、勝率12.5%、複勝率62.5%。単勝回収率166%、複勝回収率243%。
2021年のレースで14番人気ながら3着に激走したアナザートゥルース。4番人気ながら断然人気のクリソベリルを撃破し、単勝13.3倍で勝利したチュウワウィザードが回収率を押し上げています。
これら8つの買い条件を踏まえ、印と買い目を下記のとおりとします。
◎4 テーオーケインズ
○8 アーテルアストレア
▲12 セラフィックコール
☆6 グロリアムンディ
△11 ハギノアレグリアス
△7 ウィルソンテソーロ
△14 アイコンテーラー
△15 レモンポップ
△10 ノットゥルノ
△3 ジオグリフ
△2 メイショウハリオ
△1 メイクアリープ
【買い目】
・単勝 4
・馬単マルチ 4=1、2、3、6、7、8、10、11、12、14、15 計22点
・ワイド 4→1、2、3、6、7、8、10、11、12、14 計10点
・3連単ボックス 4、8、12 計6点
本命は、唯一4項目に合致したテーオーケインズ。以下、3項目合致のアーテルアストレアとセラフィックコールを対抗、単穴としました。
2年前の覇者で、年内での引退、種牡馬入りが決まっているテーオーケインズ。今回の結果次第では東京大賞典に出走するプランもあるようですが、これがラストランになる可能性もあります。
6歳を迎えた今シーズンは勝利こそないものの、国内のGIは3戦して2、3、3着と安定。また、ドバイワールドCも4着に敗れたとはいえ、日本調教馬ではウシュバテソーロに次ぐ成績で、最後は脚が止まったものの、2、3着とはアタマ+3/4馬身差の接戦でした。今回の200m短縮は、プラスに働くのではないでしょうか。
2年前の6馬身差圧勝は、GIではなかなかお目にかかれないパフォーマンス。引退に向けてカウントダウンが始まっているものの、有終の美へ、まずはこの一戦に全力投球といきたいところです。
馬券は、テーオーケインズの単勝と、同馬からの馬単マルチとワイド。さらに、3項目以上に合致した3頭の3連単ボックスを買います。
期待しているのは、対抗のアーテルアストレア。おそらく人気にならないと思いますが、このコースは5戦4勝と大の得意で、初コンビの横山武史騎手とともに激走を期待します。
それでは日曜日も競馬を楽しみましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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