牝馬クラシック路線の最終戦・秋華賞。

阪神芝外回りコースが誕生以後、この路線は適性の偏りが顕著になっている。阪神JFから桜花賞までは阪神芝外回り1600m、オークスは東京芝2400m。ローズSも阪神芝外回りで行われるレースだ。

京都芝内回り芝2000mで行われる秋華賞。直線は短く、1コーナーまでの距離も短い。過去にはウオッカ、ブエナビスタが前を捕らえきれず、ジェンティルドンナも薄氷を踏むが如きハナ差の勝利……外回りコースで破壊力を発揮した末脚が見事に封じ込められてしまっている。

時代の扉を開いた名牝が苦労した舞台。こうした歴史と伝統を無視することなどできない。私のスタンスとして、疑うべき人気馬がいれば迷いなく疑う。

しかし、リバティアイランドは別だ。

衝撃の末脚を披露した桜花賞。すでに2歳時から名声を得ていた馬だが、圧巻のレース運びはその評価を不動のものとした。先行した2,3着馬を置き去りにした破壊力はまさしく“異次元”。

1着　リバティアイランド（中内田師）
「次はもう少し心臓に優しいレースをしたいと思っています」

2着　コナコースト（鮫島克駿）
「振り切ったところで凄いのが来たという印象です」

上記は桜花賞でのレース後コメント。リバティアイランドに敗れた馬の騎手がどこかサバサバしているように感じないだろうか？　やるだけやったんだから、仕方ないよ。コメントの行間から白旗宣言のようなものが感じ取れる。リバティアイランド陣営は次走の目標を“心臓に優しいレース”にしているというのに……。

そして、オークス。

1着　リバティアイランド（川田将雅）
「今後のためにもここは2400mをしっかりと走り切って、どれほど走れるかということも試したかった」

2着　ハーパー(C.ルメール)
「坂を上がってからの勝ち馬は違い過ぎました」

C.ルメールは今回もハーパーに騎乗するが、この中間は「リバティアイランド以外には勝てると思います」と、レース前にもかかわらず、ギリギリアウトと感じてしまうコメントを出していた。圧巻の走りを間近で体感したからこそ出てしまう本音。もはやコース形態云々でひっくり返るような差ではないのだろう。

上がり3F31秒4の新馬戦。
超ハイペースを楽勝の阪神JF。
大外一気で突き抜けた桜花賞。
6馬身差圧勝のオークス。

走るたびにキャリア・ベストのパフォーマンスを更新する怪物。私が楽しみにしているのは“世界ランキング1位”イクイノックスと雌雄を決する世紀の一戦だ。アーモンドアイvsコントレイルvsデアリングタクトのドリームマッチから3年。私は東京芝2400mならリバティアイランドが勝つと思っている。

3年ぶり、史上7頭目の牝馬三冠へ。リバティアイランドが私の本命だ。

相手本線に抜擢するのはコナコースト。

GI2着の実績を引っ提げて臨んだ前走オークス。結果は7着と、2月から連戦を続けた影響でガス欠を迎えてしまった印象だ。その結果を踏まえ、陣営が選択したのはオークスからの直行ローテ。この馬とのコンビで【1-3-0-0】連対率100%の鞍上・鮫島克駿が跨る点も含め、軽視は禁物だ。

マスクトディーヴァも侮れない。

1勝クラスを制したばかりで臨んだ前走ローズS。レコード勝ちの内容はもちろんのこと、4角7番手から勝ち切った点は高く評価できる。京都で施行された2011-20年の秋華賞において、阪神開催のローズSを4角7番手以内で勝利した馬は【1-1-2-1】。仮に馬場が渋っても問題ないタイプで、再度の好走を警戒したい。

穴妙味を求めるならドゥアイズ。

前走オークスは9着と自身初の掲示板外。ただ当時は外枠かつスタートで出遅れており、参考外の一戦と言えそうだ。右回りの成績【1-2-1-1】が示すとおりの右回り巧者。唯一の馬券外は瞬発力勝負で切れ負けした桜花賞に限定されており、今年の京都芝2000m成績【0-4-2-3】掲示板外一度のみの鞍上・西村淳也騎乗も穴妙味をそそる。

【京都11R　秋華賞予想の印】
◎６ リバティアイランド
〇４ コナコースト
▲７ マスクトディーヴァ
☆12 ドゥアイズ
△14 コンクシェル
△２ ハーパー
△15 ヒップホップソウル
△８ モリアーナ

【単勝】6(1点)
【馬連/ながし】6-4,7,12(3点)
【3連複/ながし】6-4,7,12,14,2,15,8(21点)
【3連単/フォーメ】6→4,7,12→4,7,12,14,2,15,8(18点)

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