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田原基成

2023/09/16 18:03

【ローズS】リバティアイランド1強の牝馬戦線。「来年以降」待ったをかける可能性を秘めた馬に不動の◎

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「失敗がしたくてニュージーランドに行った」

これは、ラグビー日本代表のキャプテン・姫野和樹が発した言葉だ。実にアスリートらしい発想と言えよう。

ドイツを4-1という衝撃的なスコアで下したサッカー日本代表に、五輪出場を決めたバスケットボール日本代表。その共通点は“海外組”が以前とは比べ物にならないほど増えているという事実だ。WBC日本代表も、大谷翔平やダルビッシュ有をはじめとしたメジャーリーガーが名を連ねた。彼らですら海外初年度は日本にいた時と比べて成績を落としたが、失敗に勝る経験はないのだろう。

アーモンドアイ。
ブエナビスタ。
ジェンティルドンナ。
リスグラシュー。

競馬史に名を刻む名牝には“新馬戦で負けていた”という共通項が。失敗に勝る経験はない、という言葉がますます真実味を帯びてくるようだ。

そして今年のローズSにも、失敗=敗戦を糧にして快進撃を続ける馬が出走をはたす。

3枠5番、ブレイディヴェーグ。

上がり3F32秒3の鬼脚を披露した新馬戦。勝ち馬ロードプレイヤーとはタイム差なし、展開のアヤが生んだレース後に鞍上はこう発している。

「スタートは遅かったですが、上手くリカバリーできました。直線では上手く抜け出すことができて、勝った馬よりずっと前に出ていたのですが、最後に差し返される形になりました。素直な良い馬です」

新馬戦で手綱を握ったのは福永祐一。いわゆる“教育”を施すケースが多く、初陣から逃げる形を選択することはほとんどない。当時も道中は馬群でじっと我慢することで折り合いを覚えさせる競馬だった。

それが功を奏したのか、未勝利戦は1000m通過62秒2の超スローでも我を見失わず好位追走。圧巻の6馬身差圧勝だ。昇級初戦の前走は1000m通過58秒9と一転してハイペースで流れたが、終わってみればノーステッキでの楽勝。この馬はシンプルに強い。

3歳牝馬戦線はリバティアイランドの1強。よほどのことがない限り、同馬の三冠はほぼ間違いないと私は見ているが、来年以降にその勢力図を塗り替える可能性がブレイディヴェーグにはある。今回もおそらく出遅れるだろうし、詰めて使えないタイプ。それでも春のGI馬券内馬が不在のここなら中心は揺るがない。

迷いはない。

ブレイディヴェーグが私の本命だ。

相手本線に抜擢するのはココナッツブラウン。

この馬で注目したいのは前走。上がり3F34秒2で制したレースだが、札幌芝1800mを上がり3F34秒2以内で勝った3歳牝馬はオースミハルカ、ミクロコスモスなど重賞好走馬が多く名を連ねているのだ。当時のラスト3Fは12秒0-11秒7-11秒4の加速ラップ。新馬戦で上がり3F33秒台の脚を使っている点から、オール野芝の阪神芝1800mも問題なくこなせるだろう。春の実績馬を一蹴する可能性を秘めた穴馬だ。

ソーダズリングも軽視禁物。

馬体重が増えないなか、2度の関東輸送など厳しいローテーションを強いられた春競馬。それでもフローラS2着と素質の一端を示したのは好材料と言える。阪神芝1800mは【1-1-0-0】と安定。マジックキャッスルやソーヴァリアントなど3歳秋に本格化傾向を示す母系でもあり、要警戒の1頭だ。

穴妙味を求めるならマラキナイア。

2勝クラスで確勝を期した前走は2着。その後は夏競馬を使わず権利獲りを目論み当レースを使われるわけだが、川田将雅騎乗時は【2-0-0-0】と負け知らずだ。馬場差こそあれ、2走前の勝ち時計は桜花賞5着相当。チューリップ賞でも上がり3F最速の脚をマークしており、侮れない穴馬候補と言える。

【阪神11R ローズS予想の印】
◎5 ブレイディヴェーグ
〇11 ココナッツブラウン
▲2 ソーダズリング
☆10 マラキナイア
△7 ラヴェル
△12 マスクトディーヴァ
△14 コンクシェル
△15 ブライトジュエリー

【単勝】5(1点)
【馬連/ながし】5-11,2,10(3点)
【3連複/ながし】5-11,2,10,7,12,14,15(21点)
【3連単/フォーメ】5→11,2,10→11,2,10,7,12,14,15(18点)

田原基成のプロフィールはこちら
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