【阪神11R　鳴尾記念】

定期的に施行条件と時期が変わり、今では6月阪神芝2000mとして定着。鳴尾記念の分析をするにあたり、まずはこうなった背景を読み解く必要がある。

レースの立ち位置としては“宝塚記念のステップレース”といったところか。過去の勝ち馬による同レース参戦も珍しくなく、一昨年の勝ち馬ユニコーンライオンは宝塚記念2着。やはりステップレースという見立てにズレはないようだ。

しかし、今年に限っては少しばかり様相が異なる。

戦前の評価から、人気の一角に位置するのはマリアエレーナだろう。実績とトレンドを加味すれば、妥当な人気と言えるのかもしれないが、私が気になっているのはローテーション。

同馬の近2走は金鯱賞→大阪杯。王道路線を歩む馬が選択する臨戦過程で結果的に本番でのジャンプアップに成功した。陣営がもっとも可能性を見出せる条件に対して勝負仕上げを施したという見方もできる。

走破タイム1分57秒台の激戦を経て臨む鳴尾記念。宝塚記念を目指す馬のローテーションでもないし、鳴尾記念を目指す馬のローテーションでもない。積み重ねてきた実績はこのメンバーでは抜けているが、本命という評価を下すには不安材料が拭えない印象だ。

カラテはどうか。

斤量59キロをものともせず勝利を収めた前走新潟大賞典。新潟芝外回りは新潟記念も制しており、重賞3勝はすべて左回りという馬だ。翻って、今回は右回りの阪神替わり。関西に転厩してからも関東圏を中心としたローテーションを組まれている馬で関西圏の経験はさほど多くない。前走との比較ではやや見劣りしてしまう印象。

タイトルホルダーとの僅差があるボッケリーニは登録のあった目黒記念を回避。こちらに矛先を向けたわけだが、陣営としては連覇がかかったレースへの参戦が本線だったことだろう。芝2000mを使われるのは1年半ぶり。当時の道中通過順が【8-8-5-7】と追走にやや手間取った印象があり、差し損ねのリスクは想定すべきだ。

一長一短のメンバー構成。しかし、このレースにはもう1頭抜けた実績を持つ馬がいる。

5枠9番、アドマイヤハダル。

若葉S勝利、白富士S2着、中山記念3着、皐月賞4着。特筆すべきは芝2000mの実績で、同距離では【2-1-0-1】掲示板外なし。エフフォーリアやタイトルホルダー、ジャックドールといった強敵相手に大崩れがないのだ。

前走都大路Sは叩き2戦目での鮮やかな一変。自身の持ち時計を大幅に更新したように、5歳でもまだまだ成長の余地があることを示したレースだった。当舞台では2戦2勝と負け知らず。絶好の舞台替わりで臨むここで評価を上げずして、どこで評価を上げればよいのだろうか？

芝2000mで1分57秒台あり。
阪神芝2000mで2戦2勝。
距離延長時の成績【1-2-0-1】。

この条件かつ開幕週の高速馬場なら十分勝負になる。アドマイヤハダルが私の本命だ。

相手本線にはソーヴァリアントを。

阪神芝2000mでは【2-0-0-0】と負け知らず。当舞台の2走前は1分57秒台で駆け抜けており、開幕週向きの高速馬場適性にも目を見張るものがある。多少の太目残りとはいえ見せ場なく敗れた前走内容が案外も、この舞台なら評価を上げないわけにはいかない。

フェーングロッテンも軽視禁物。

中2カ月以上の休み明け成績は【1-1-3-0】。これまで戦ってきた相手も強力で、実績は間違いなく上位にランクされる馬だ。前走金鯱賞は開幕週の馬場でスロー逃げを刻んで2着。絶好枠で当時と同じ展開が叶えば持ち時計不足は相殺可能と捉えたい。

【阪神11R　鳴尾記念予想の印】
◎９ アドマイヤハダル
〇14 ソーヴァリアント
▲４ フェーングロッテン
☆７ マリアエレーナ
△２ カラテ
△12 ボッケリーニ
△11 ヒンドゥタイムズ
△１ グラティアス

【単勝】9(1点)
【馬連/ながし】9-14,4,7(3点)
【3連複/ながし】9-14,4,7,2,12,11,1(21点)
【3連単/フォーメ】9→14,4,7→14,4,7,2,12,11,1(18点)

田原基成のプロフィールはこちら
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