競馬サロン

2023/05/30 22:04
ダービーを終えて。


今年も一年があっという間に終わった。最近では、終わるというより過ぎ去ると言った方が正確な気がするな。時間の感覚とは、本当に年齢と共に変わっていくものだ。
ジジイにとっては、光陰矢の如し。この言葉がピッタリだ。
ダービーの日、久しぶりに東京競馬場に行った。
コロナ明けの第90回ダービー、このレースで何か新たな扉が開く予感があったから、今年はいかなくてはならん、と何故か思っていた。
タンタンメン屋のオヤジさんではなく、牧場の跡取り息子と血統オタクの若者と一緒にレースを観た。
それにしても、オレの今年のダービー予想、しどろもどろだったな。
今年のダービーは何だか謎と疑問だらけで、いつものような「分かりやすさ」が全然なかった。
それは、おそらく、ディープインパクト産駒と、キングカメハメハ産駒がいなかったから。
これに尽きるんだと思う。
キングカメハメハ産駒は、2008年から、ディープインパクト産駒は2010年から、日本競馬に登場した。
オレ達は、ここ15年、偉大なこの2頭の血に溺れていた、いつの間にか溺愛していたのである。
溺愛していたからこそ、この2頭の産駒がいなくなった途端、不可思議な寂寥感すら感じた。
そして、羅針盤を失くした海賊船のごとく、カオスの海に漕ぎ出す感覚になったのだと思う。
ディープインパクト産駒が初めてダービーを勝ったのが、2012年のディープブリランテだ。
翌年には、キズナが勝った。以後、マカヒキ、ワグネリアン、ロジャーバローズ、コントレイル、シャフリヤール、と6頭のダービー馬が誕生。
一方、キングカメハメハ産駒からは、レイデオロとドゥラメンテという凄まじく強いダービー馬が出た。
この10年でみると、あとは、ハーツクライ産駒から、ワンアンドオンリーとドゥデュースの2頭が出ている。
で、今年だよ、今年。ディープインパクト産駒もキングカメハメハ産駒も不在。
出走していたのは、ハーツクライ産駒が、1頭。ハーツコンチェルトだ。
ハーツコンチェルトには新馬戦以降、ずっと期待してたんだけど、もう使うレース使うレース、上手く勝てずじまいで、青葉賞を使うことになってしまった。
この時点で、もう本番厳しいのは分かってたが、どこかで重賞ひとつ勝ってたらね・・。
疲れてなかったら、今年のダービーは、勝ち負けだったと思う。結果惜しい3着だ。
ということで、カオスの中から誕生したのが、第90代ダービー馬、タスティエーラ。
血統オタクとはこんな会話をした。
「1号さん、タスティエーラ、どう思います?」
「皐月賞、一番強い競馬してるけど、父親と一緒で切れないよね。ソールオリエンスとの切れ味勝負になったら、ちょっと厳しくないかな。」
「ですよね。サトノクラウンですもんね。母系も、マンカフェと、デピュティミニスターですもんね。」
「アメリカの速いダートの血がないと、東京のスピード比べに勝てなくないかな。」
「でも、3着以内には確実に来そうですよね。」
「ソールオリエンス1着、タスティエーラ2着、だと思うね。」
「ソールオリエンスの新馬戦のラップ、キレキレですしね。」
こんな感じだった。
パドックを見ても、タスティエーラの出来は抜群に良かったね。ソールオリエンスは、馬体がこじんまり見えたから、当日の気配でもタスティエーラが良いような気はした。
が、サトノクラウン産駒、切れ負け説を覆せず。
まあ、馬連や三連複は当たったものの、何だか、自分としては、全然スッキリしなかった。
ダービーが終わった後、タスティエーラについて改めて血統表を眺めてみた。
あ、そうか!そういうことか!
って思ったね。
ディープインパクト産駒、キングカメハメハ産駒が不在で、彼らの孫世代は、いっぱいいた。
シルバーステート産駒、サトノダイヤモンド産駒、ロードカナロア産駒にラブリーデイ産駒、ルーラーシップ産駒、ドゥラメンテ産駒。
勝ったタスティエーラは、サトノクラウン産駒で、この血、実はノーザンダンサーの直系なんだよね。
ノーザンダンサーの直系がダービーを勝ったのは、メイショウサムソン以来だし、その前だと、1996年のフサイチコンコルドまでいないんだ。
そうか!新たな扉が開く気がする、と思ったのは、こういうことか・・・。
ノーザンダンサーだ!!!
以前にもコラムに書いたが、あの偉大なノーザンダンサーの逆襲か!というか、今更逆襲でもないか(笑)
イギリスでは、ここ10年、ダービー馬は、10頭すべてノーザンダンサー系。まあ、サドラーズウエルズとガリレオの国だからな。
でもね、ケンタッキーダービーでも、10年で3頭ノーザンダンサー直系の種牡馬の仔が勝っている。
デクラレーションオブウォー産駒のトップナイフも、ノーザンダンサーの直系だったな。
すでにマイル路線では、キングマン産駒のシュネルマイスターが、フランケル産駒のモズアスコットや、グレナディアガーズが、じんわり反撃を開始している。
サンデーサイレンス、ディープインパクト、キングカメハメハによって、独自の進化をし続けた日本競馬、その進化にノーザンダンサー直系が、この先、殴り込んでくる気がしている。
種牡馬戦国時代となった今、来年以降は、更にチャンスの輪が広がっている。ノーザンダンサーの直系、ブリックスアンドモルタルが、爆裂するかもしれない。
100回目のダービーの日に、この10年を振り返って答え合わせする事にしよう。
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