競馬サロン

佐倉京助
344
2023/01/22 01:09
【1月22日(日)】東海S、アメリカJCC 難解なレースは“決め打ち”で臨む…!?

【第182夜・東海S、アメリカJCC】
本日、諸事情によりバタバタしてしまい、原稿執筆に取りかかるのが遅くなりました。なので、今回は前置きナシで、いきなり予想に入ります。僕の長い枕を楽しみにされていた方、誠に申し訳ございません(そんな奇特な人、ホントにいるのか?)。
では、レース発走順に、まずは中京のメイン、東海S(ダート1800m)から。
ここは難しいですね! というか、現在のダート中距離路線は強豪の相次ぐ引退により地盤沈下が著しい。よくいえば戦国状態、悪く言えばドングリの背比べ状態で、新興勢力にもベテラン勢にもチャンスがある。高くないレベルで能力が拮抗しているわけですから、予想が難しくなるのも当然です。
昨年のチャンピオンズCも例年に比べればレベルは高くなく、展開や枠、流れが向いた馬が上位に入った一戦。もう一回やれば、まったく違う結果になる確率がひじょうに高い。そしてそれは、この東海Sにも同じことが言えます。
というわけで、ここは思い切って決め打ちをすることにいたしました。
本命は11番のスマッシングハーツです。
今年の東海Sで決め打ったもの…それは“展開”です。ここは差しが決まると見ました。
そう考えた理由のひとつは、今開催の中京ダートは差しが決まっている印象が強いこと。現に、土曜に行なわれた同じ中京ダート1800mの遠州灘Sも差し馬のワンツーフィニッシュでした。
2着のステイブルアスクは1番人気でしたが、それを後ろから差し切ったアーテルアストレアは5番人気。1000m通過は63秒3ですから、3勝クラスということを考えれば決してハイペースでもない。これを見れば、馬場の恩恵があって差しが届いたと考えるのが自然です。
客観的なデータも必要と思い、中京ダート1800mの脚質別成績を、昨年1年間と今開催とで比較してみました。
◎脚質別好走率 2022年⇔今開催(1/15まで)
・逃げ 勝率18.3%⇔5.3%
複勝率43.7%⇔31.6%
・先行 勝率15.9%⇔16.4%
複勝率46.2%⇔38.2%
・差し 勝率3.5%⇔6.1%
複勝率17.6%⇔18.3%
・追込 勝率2.4%⇔3.1%
複勝率4.8%⇔13.8%
やはり僕のイメージ通り、今開催は昨年平均と比べると差しや追い込みの好走率が上昇しているのが見て取れます。
さらに、上級条件になるほど差しの成績が上がるのは一般的ですが、今開催の中京ダート1800mもその傾向に合致。2勝クラス以上に限ると逃げでの好走例はゼロ、先行馬の複勝率も25.0%に減少し、その分追い込みの成績が上昇していました。土曜日の遠州灘Sの結果を入れれば、数字はもっと良くなります。
東海Sは別定のGII戦。前述の通り、上級条件ほど差し馬が台頭するので(特にダートでは差し馬は強くないと出世できないので、上級条件の差し馬は強い馬が集まりがち)、この差し有利な傾向はより強まるはずです。
冒頭にも記したように、能力拮抗の混戦模様であるのなら、展開は結果を大きく左右するファクターになります。そこで、ここは馬場傾向に従って差し馬を狙っていこう、と。
そして今回のメンバーの中で、もっとも魅力的な差し馬だったのがスマッシングハーツでした。本馬は以前より高く評価していた馬で、5走前の平安Sでは重賞初挑戦ながら対抗の重いシルシを打ったほど。そのときの本命がテーオーケインズだったのですから、いかにプッシュしていたかがご理解いただけるかと。
その平安Sは後方から追い込んで4着。馬券圏内に入れる気配はまったくなかったとはいえ、それでも最後の伸び脚は目につくものでした。重賞初挑戦なら上々の内容でしょう。
その後の3戦も3着内に来ることはなく、良くて4着止まり。しかしその3戦はいずれもマイル戦。勝ち鞍のある距離とはいえ、現在の同馬にとっては距離不足に映りました。
そして前走のチャンピオンズCも7着に敗れたものの、そこでの走りには“前進”が見られました。それまで1600mに使われていたせいか、いつも後方一手だったこの馬が、それなりにポジションを取ることができたからです。陣営がマイルを走らせ続けたのは、スピードを養うためだったのかもしれません。
最後にいつもの切れ味を発揮できなかったのは、前半で脚を使ったせいかもしれませんが、僕はそれ以上に、プラス12キロの馬体増が影響したと見ています。522キロは中央在籍時では最高馬体重でしたし、陣営も少し太目残りだったとコメントしています。
今回は意識的に負荷をかけて絞ってきたと陣営は述べています。現在ダート路線で目覚ましい活躍を遂げている新谷師ですから、その発言を信用したい。
また、チャンピオンズCは結果的に内枠も災いしたのでは。最後の直線ではインで前があきませんでしたし、内にモタれていたのも馬群の中で嫌気が差した面があったのかもしれません。
今回は差し馬には理想的な、外過ぎない外目の11番枠に入りました。これなら直線でスムーズに外に出して、自慢の末脚を爆発させることができます。
鞍上は僕の推しジョッキーながら、最近スランプ傾向の鮫島駿騎手。今年は先週まで、まだたったの1勝。フェアリーSでは本命のミシシッピテソーロに乗って、見事にインでドン詰まり。同騎手の不調を知りながら◎を打っていたとはいえ、やっぱり残念な騎乗だったなあ…。(それでも懲りずに先週の日経新春杯でも同騎手騎乗のサンレイポケットを本命にしてるし)
なので、正直不安はあるものの、競馬の主役は騎手ではなくお馬さん。それと、土曜日は中京4Rのダート戦で穴の差し馬を1着に持ってきていたので、今の中京ダートの傾向を読めている可能性がある。
というわけで、スランプ脱出のきっかけをここで掴んでもらうことに期待して、スマッシングハーツ&鮫島駿騎手から攻めてみたいと思います。そもそも、いかに低調決着とはいえGIでコンマ7秒差の7着に来た馬です。それが6番人気で単勝10倍以上つけるなら、買わない手はないでしょう…!
対抗は13番のハヤブサナンデクン。55キロのハンデに恵まれた可能性もあるとはいえ、4走前の三宮Sは勝ちっぷり・時計とも明らかに強いレースでした。
その走りを買って、次走のシリウスSでは1番人気でも本命に推したものの、内枠で揉まれてしまって見せ場のない7着敗退。その後2戦もパッとしない走りが続いています。
ただ、戦歴を見ても左回り、特にこの中京コースが得意な馬で、近2走の凡走はそこまで気にする必要はなさそう。三宮Sと同じ舞台のここなら、あのときの強い走りを見せてくれるかもしれないと思い、2番手の評価にしました。当時と同じ福永騎手に手が戻り、揉まれない外枠を引いた点も好感を持ちました。
単穴には3番のロードレガリスを抜擢。この馬も本命馬同様に馬場が向きそうな差し馬です。
1年以上の長期休養を経て、ここ2戦は重賞でコンマ2秒差の4着、コンマ3秒差の5着と、そこまで差のない走りをしています。しかもいずれも小回り1700m戦で後方から最速の上がりを繰り出してのもの。今走は100mの延長で、しかも差し傾向にある馬場に替わります。これなら前2走で見せた末脚が届く可能性があるのではないか。
それとこの馬、実は野中厩舎の2頭出しの人気薄なんですよね。野中厩舎はダートの勝ち星が芝の4倍くらいある(近3年)というほどのダート専用厩舎。この東海Sも4年前にインティで制しています。加えて、鞍上の松田騎手も地味ながら巧いジョッキーで、昨年このレースを勝っています。
このように馬のみならず、“人”の面での買い材料が多く、高い評価となりました。
☆印は12番のクリノドラゴン。本馬も以前より力を買っていた馬で、3走前のシリウスSでは重賞初挑戦で9番人気の低評価ながら、対抗を打って応援していました。結果はスマッシングハーツの平安Sと同じく、後方から追い込んでまったく惜しくない4着に敗退。
馬券にはならなかったとはいえ、やはり見込み通り力のある馬だな、と。今度は儲けさせてもらわなくちゃ…と思っていたら、前走・浦和記念でアッサリ勝たれてしまいました。地方競馬はあんまり買わないほうで、このレース、馬柱も見てなかったんですよね。儲け損ねた…。
ここでも上位争いできるだけの力があると思うし、差し馬場も大歓迎…なんですが、この馬の走りを見ると、1800mは距離不足かな、と。地方の砂でも後方追走になるほどスピードがないので、ここもおそらく最後方を追走することになるでしょう。いかに差し有利な馬場になっても、重賞でドン尻強襲はさすがに難しいのではないか、と。
西日本スポーツ杯を勝ったときのようにマクリを打つ手もありますが、あれは小倉だからハマるのであって、中京でマクリを決めるのは至難の業。というわけで、力を評価しつつ、この位置に。1900mならもっとシルシを上げてもよかったのですが。
そのほかのシルシや序列は以下に記しました。買い目と一緒に発表します。
〈中京11R・東海S〉
◎11 スマッシングハーツ
○13 ハヤブサナンデクン
▲3 ロードレガリス
☆12 クリノドラゴン
注4 ハギノアレグリアス
注2 オーヴェルニュ
△8 サンライズウルス
△14 ゲンパチルシファー
△15 アイアンバローズ
△5 ヴァンヤール
【馬単ウラオモテ】11⇔2、3、4、5、8、12、13、14、15(18点)
【3連複フォーメ】11=2、3、4、12、13=2、3、4、5、8、12、13、14、15(30点)
1番人気のハギノアレグリアスはぶっちゃけ、強いのか弱いのか、現時点ではよくわかりません。みやこSは差し決着のなか先行して2着に残ったこと自体は評価するものの、レースのレベル自体に疑問符がつく。2走前の太秦Sはオープン特別としてはレベルが高かったとは思うものの、それでも所詮はオープン特別ですし。というわけで、どっちつかずの注印の1番手に。
オーヴェルニュの前走チャンピオンズCは流れが向いたと思ったにもかかわらず、見せ場のない9着と着順以上に情けない走り。得意コースでの敗戦でもあったので、「もう終わっちゃったのかな…」と、一時は切ることも考えました。
ただ、今回手綱をとる団野騎手は過去2回重賞で乗って2着と3着。この馬との相性のよさを感じていたので、ここは切らずに注印の2番手に置いてみました。人気もそんなにありませんしね。
2番人気に支持されているプロミストウォリアと、そこそこ売れているウェルカムニュースの上がり馬2頭は、思い切って消しました。ここは差し決着に決め打っているので、先行脚質を嫌ったため。あとは両馬ともタイムの裏付けがないからです。それにこの2頭が来る展開では、スマッシングハーツの末脚は届かないでしょうし。
さて、お次は中山のメイン、アメリカJCC(芝2200m)を。時間がないのでコンパクトに進めます。
ここは、ガイアフォース、エヒト、ノースブリッジの3頭立てと見ています。ガイアフォースが勝ったセントライト記念、エヒトがレースレコードで制した七夕賞、ノースブリッジがレコード勝ちのサリオスからコンマ4秒差5着に入った毎日王冠。これらのレースでそれぞれに先着できる馬は、ほかにはいませんから。
この3頭のうち本命に選んだのは、4番のノースブリッジ。決め手は「枠」と「脚質」です。
今開催の中山芝はなかなか見極めにくいところですが、僕は“イン先行有利”と見ています。土曜日もおおむね、先行した馬や馬場の内目を通った馬が上位に入線していました。
ノースブリッジは4番枠と内目のいいところに入りましたし、鞍上はみんなご存知、イン突きの鬼・岩田康騎手。「イン先行有利」という見立てが正しいのであれば、きっとそれを活かした騎乗をして好走に導いてくれるはずです。
それと土曜日の初富士Sの予想でも述べましたが、今開催の中山芝はモーリス産駒の活躍が目立つ。その初富士Sでは、狙っていたホウオウリアリティは不発に終わったものの、代わりに同じくモーリス産駒のルドヴィクスが8番人気で2着に激走しました。ノースブリッジもモーリス産駒で、今の馬場に合う可能性があります。
距離2200mが持つかどうか、これは走ってみなければわかりません。何やら陣営も半信半疑の様子ですが(苦笑)、とはいえ、ここを目標に天皇賞後も在厩調整で来たのですから、勝算は間違いなくあるはず。それで多少人気が落ちるのなら、ここはむしろ“買い”です。長い距離を渋太く持たせるのは、岩田康騎手のもうひとつの得意技でもありますし。
対抗は無難に10番ガイアフォース。人気なんで飛んでほしいんですけど、残念なことにケチのつけどころがないもので。アクシデントでの取りこぼし待ちですね(対抗に推した馬への台詞じゃないぞ)。
単穴は9番のエヒト。七夕賞は誰が見ても強い内容で、ハンデ54キロを無視すれば、パフォーマンス自体はすでにGII級。前走のチャレンジCも1着のソーヴァリアントは先々GIでも好勝負できそうな実力馬で、そこからコンマ3秒差の3着は高い評価ができる。しかも当時は休み明けで、まだ仕上がり途上の印象があったのだから、なおさらです。
距離2200mもまったく問題なく、またルーラーシップ×サンデーの肌という配合は5年前にダンビュライトが勝っており、このレースと相性がいいイメージ。だから当初はバリバリ本命候補で、直前までそのままでいくつもりでした。
ただ、土曜の馬場を見て、心境に変化が。鞍上の田中勝騎手は七夕賞のイメージがあるはずなので、4コーナーでは外を回す競馬をする公算が高い。だとすると、それはちょっと具合が良くないのでは…と。
枠も外目に当たってしまいました。ここから内に入れて直線で馬群をさばくような競馬はしないでしょう。馬場と展開が向かない可能性があると見て、本命はやめてこの位置にしました。もっとも、展開が向けばアタマに来てもおかしくないので、3連単フォーメーションでは1着にも置きます。
この3頭以外は何が来ても不思議ではないので、ヒモには配当妙味のある面白そうな馬をピックアップすることに。
イン先行決着の中山金杯で、大外ブン回しで最後猛然と伸びてきた14番ラーゴムは☆印。
前走有馬記念の惨敗は初ブリンカーが裏目に出たもので、このコースは絶対向くはずの2年前の勝ち馬・アリストテレスを注印の1番手に。
もともと末脚には見どころがあった馬で、先週オメガリッチマンでファンを震撼させた石川騎手騎乗のレインカルナティオを注印の2番手に。
ダート2戦をカマしての芝戻りで臨む、田辺騎手の神騎乗期待のレッドガランを△の1番手に。
そのほかのシルシや序列は下記にまとめました。買い目と併せてご覧ください。
〈中山11R・アメリカJCC〉
◎4 ノースブリッジ
○10 ガイアフォース
▲9 エヒト
☆14 ラーゴム
注13 アリストテレス
注1 レインカルナティオ
△12 レッドガラン
△7 スタッドリー
△11 エピファニー
【馬単ウラオモテ】4⇔1、7、9、10、12、13、14(14点)
【3連複フォーメ】4=1、9、10、13、14=1、7、9、10、11、12、13、14(25点)
【3連単フォーメ】4、9、10⇒4、9、10=1、4、7、9、10、11、12、13、14(42点)
エピファニーは4連勝中ということで初重賞ながら2番人気に猛プッシュされてますが、その4連勝で負かした馬たちって、みんな弱いんですよね。この4連勝は馬の力というより、レース選択(というか相手選び)が的確過ぎた厩舎を褒めるべきではないかと。このレースの“旨味(=養分)”はここだけですな。だから馬単の相手には入れてません。
そういえば、土曜の初富士Sでもパラレルヴィジョンが想像以上に売れていましたね。素質があることは認めるものの、あんなに気性に難のある馬を単勝1.5倍に祭り上げるのは、さすがに間違ってるだろう、と。
なんだかここに来て、JRAのオッズも甘くなってきたような気がします。シンザン記念のライトクオンタムや京成杯のソールオリエンスが1番人気にならなかったこととかを見ても。コロナ禍で新規参入者が増えてきたからかも…!?
アメリカJCCもエピファニーだけじゃなく、ガイアフォースも過剰人気ってことで消えてくれたり…さすがにそれはないか。。。汗
まあ、ここは3着のヒモ荒れに期待します。本命・対抗・単穴の3頭で決まれば、それも良し!
それでは、無敵の現状維持を突破せよ!
本日、諸事情によりバタバタしてしまい、原稿執筆に取りかかるのが遅くなりました。なので、今回は前置きナシで、いきなり予想に入ります。僕の長い枕を楽しみにされていた方、誠に申し訳ございません(そんな奇特な人、ホントにいるのか?)。
では、レース発走順に、まずは中京のメイン、東海S(ダート1800m)から。
ここは難しいですね! というか、現在のダート中距離路線は強豪の相次ぐ引退により地盤沈下が著しい。よくいえば戦国状態、悪く言えばドングリの背比べ状態で、新興勢力にもベテラン勢にもチャンスがある。高くないレベルで能力が拮抗しているわけですから、予想が難しくなるのも当然です。
昨年のチャンピオンズCも例年に比べればレベルは高くなく、展開や枠、流れが向いた馬が上位に入った一戦。もう一回やれば、まったく違う結果になる確率がひじょうに高い。そしてそれは、この東海Sにも同じことが言えます。
というわけで、ここは思い切って決め打ちをすることにいたしました。
本命は11番のスマッシングハーツです。
今年の東海Sで決め打ったもの…それは“展開”です。ここは差しが決まると見ました。
そう考えた理由のひとつは、今開催の中京ダートは差しが決まっている印象が強いこと。現に、土曜に行なわれた同じ中京ダート1800mの遠州灘Sも差し馬のワンツーフィニッシュでした。
2着のステイブルアスクは1番人気でしたが、それを後ろから差し切ったアーテルアストレアは5番人気。1000m通過は63秒3ですから、3勝クラスということを考えれば決してハイペースでもない。これを見れば、馬場の恩恵があって差しが届いたと考えるのが自然です。
客観的なデータも必要と思い、中京ダート1800mの脚質別成績を、昨年1年間と今開催とで比較してみました。
◎脚質別好走率 2022年⇔今開催(1/15まで)
・逃げ 勝率18.3%⇔5.3%
複勝率43.7%⇔31.6%
・先行 勝率15.9%⇔16.4%
複勝率46.2%⇔38.2%
・差し 勝率3.5%⇔6.1%
複勝率17.6%⇔18.3%
・追込 勝率2.4%⇔3.1%
複勝率4.8%⇔13.8%
やはり僕のイメージ通り、今開催は昨年平均と比べると差しや追い込みの好走率が上昇しているのが見て取れます。
さらに、上級条件になるほど差しの成績が上がるのは一般的ですが、今開催の中京ダート1800mもその傾向に合致。2勝クラス以上に限ると逃げでの好走例はゼロ、先行馬の複勝率も25.0%に減少し、その分追い込みの成績が上昇していました。土曜日の遠州灘Sの結果を入れれば、数字はもっと良くなります。
東海Sは別定のGII戦。前述の通り、上級条件ほど差し馬が台頭するので(特にダートでは差し馬は強くないと出世できないので、上級条件の差し馬は強い馬が集まりがち)、この差し有利な傾向はより強まるはずです。
冒頭にも記したように、能力拮抗の混戦模様であるのなら、展開は結果を大きく左右するファクターになります。そこで、ここは馬場傾向に従って差し馬を狙っていこう、と。
そして今回のメンバーの中で、もっとも魅力的な差し馬だったのがスマッシングハーツでした。本馬は以前より高く評価していた馬で、5走前の平安Sでは重賞初挑戦ながら対抗の重いシルシを打ったほど。そのときの本命がテーオーケインズだったのですから、いかにプッシュしていたかがご理解いただけるかと。
その平安Sは後方から追い込んで4着。馬券圏内に入れる気配はまったくなかったとはいえ、それでも最後の伸び脚は目につくものでした。重賞初挑戦なら上々の内容でしょう。
その後の3戦も3着内に来ることはなく、良くて4着止まり。しかしその3戦はいずれもマイル戦。勝ち鞍のある距離とはいえ、現在の同馬にとっては距離不足に映りました。
そして前走のチャンピオンズCも7着に敗れたものの、そこでの走りには“前進”が見られました。それまで1600mに使われていたせいか、いつも後方一手だったこの馬が、それなりにポジションを取ることができたからです。陣営がマイルを走らせ続けたのは、スピードを養うためだったのかもしれません。
最後にいつもの切れ味を発揮できなかったのは、前半で脚を使ったせいかもしれませんが、僕はそれ以上に、プラス12キロの馬体増が影響したと見ています。522キロは中央在籍時では最高馬体重でしたし、陣営も少し太目残りだったとコメントしています。
今回は意識的に負荷をかけて絞ってきたと陣営は述べています。現在ダート路線で目覚ましい活躍を遂げている新谷師ですから、その発言を信用したい。
また、チャンピオンズCは結果的に内枠も災いしたのでは。最後の直線ではインで前があきませんでしたし、内にモタれていたのも馬群の中で嫌気が差した面があったのかもしれません。
今回は差し馬には理想的な、外過ぎない外目の11番枠に入りました。これなら直線でスムーズに外に出して、自慢の末脚を爆発させることができます。
鞍上は僕の推しジョッキーながら、最近スランプ傾向の鮫島駿騎手。今年は先週まで、まだたったの1勝。フェアリーSでは本命のミシシッピテソーロに乗って、見事にインでドン詰まり。同騎手の不調を知りながら◎を打っていたとはいえ、やっぱり残念な騎乗だったなあ…。(それでも懲りずに先週の日経新春杯でも同騎手騎乗のサンレイポケットを本命にしてるし)
なので、正直不安はあるものの、競馬の主役は騎手ではなくお馬さん。それと、土曜日は中京4Rのダート戦で穴の差し馬を1着に持ってきていたので、今の中京ダートの傾向を読めている可能性がある。
というわけで、スランプ脱出のきっかけをここで掴んでもらうことに期待して、スマッシングハーツ&鮫島駿騎手から攻めてみたいと思います。そもそも、いかに低調決着とはいえGIでコンマ7秒差の7着に来た馬です。それが6番人気で単勝10倍以上つけるなら、買わない手はないでしょう…!
対抗は13番のハヤブサナンデクン。55キロのハンデに恵まれた可能性もあるとはいえ、4走前の三宮Sは勝ちっぷり・時計とも明らかに強いレースでした。
その走りを買って、次走のシリウスSでは1番人気でも本命に推したものの、内枠で揉まれてしまって見せ場のない7着敗退。その後2戦もパッとしない走りが続いています。
ただ、戦歴を見ても左回り、特にこの中京コースが得意な馬で、近2走の凡走はそこまで気にする必要はなさそう。三宮Sと同じ舞台のここなら、あのときの強い走りを見せてくれるかもしれないと思い、2番手の評価にしました。当時と同じ福永騎手に手が戻り、揉まれない外枠を引いた点も好感を持ちました。
単穴には3番のロードレガリスを抜擢。この馬も本命馬同様に馬場が向きそうな差し馬です。
1年以上の長期休養を経て、ここ2戦は重賞でコンマ2秒差の4着、コンマ3秒差の5着と、そこまで差のない走りをしています。しかもいずれも小回り1700m戦で後方から最速の上がりを繰り出してのもの。今走は100mの延長で、しかも差し傾向にある馬場に替わります。これなら前2走で見せた末脚が届く可能性があるのではないか。
それとこの馬、実は野中厩舎の2頭出しの人気薄なんですよね。野中厩舎はダートの勝ち星が芝の4倍くらいある(近3年)というほどのダート専用厩舎。この東海Sも4年前にインティで制しています。加えて、鞍上の松田騎手も地味ながら巧いジョッキーで、昨年このレースを勝っています。
このように馬のみならず、“人”の面での買い材料が多く、高い評価となりました。
☆印は12番のクリノドラゴン。本馬も以前より力を買っていた馬で、3走前のシリウスSでは重賞初挑戦で9番人気の低評価ながら、対抗を打って応援していました。結果はスマッシングハーツの平安Sと同じく、後方から追い込んでまったく惜しくない4着に敗退。
馬券にはならなかったとはいえ、やはり見込み通り力のある馬だな、と。今度は儲けさせてもらわなくちゃ…と思っていたら、前走・浦和記念でアッサリ勝たれてしまいました。地方競馬はあんまり買わないほうで、このレース、馬柱も見てなかったんですよね。儲け損ねた…。
ここでも上位争いできるだけの力があると思うし、差し馬場も大歓迎…なんですが、この馬の走りを見ると、1800mは距離不足かな、と。地方の砂でも後方追走になるほどスピードがないので、ここもおそらく最後方を追走することになるでしょう。いかに差し有利な馬場になっても、重賞でドン尻強襲はさすがに難しいのではないか、と。
西日本スポーツ杯を勝ったときのようにマクリを打つ手もありますが、あれは小倉だからハマるのであって、中京でマクリを決めるのは至難の業。というわけで、力を評価しつつ、この位置に。1900mならもっとシルシを上げてもよかったのですが。
そのほかのシルシや序列は以下に記しました。買い目と一緒に発表します。
〈中京11R・東海S〉
◎11 スマッシングハーツ
○13 ハヤブサナンデクン
▲3 ロードレガリス
☆12 クリノドラゴン
注4 ハギノアレグリアス
注2 オーヴェルニュ
△8 サンライズウルス
△14 ゲンパチルシファー
△15 アイアンバローズ
△5 ヴァンヤール
【馬単ウラオモテ】11⇔2、3、4、5、8、12、13、14、15(18点)
【3連複フォーメ】11=2、3、4、12、13=2、3、4、5、8、12、13、14、15(30点)
1番人気のハギノアレグリアスはぶっちゃけ、強いのか弱いのか、現時点ではよくわかりません。みやこSは差し決着のなか先行して2着に残ったこと自体は評価するものの、レースのレベル自体に疑問符がつく。2走前の太秦Sはオープン特別としてはレベルが高かったとは思うものの、それでも所詮はオープン特別ですし。というわけで、どっちつかずの注印の1番手に。
オーヴェルニュの前走チャンピオンズCは流れが向いたと思ったにもかかわらず、見せ場のない9着と着順以上に情けない走り。得意コースでの敗戦でもあったので、「もう終わっちゃったのかな…」と、一時は切ることも考えました。
ただ、今回手綱をとる団野騎手は過去2回重賞で乗って2着と3着。この馬との相性のよさを感じていたので、ここは切らずに注印の2番手に置いてみました。人気もそんなにありませんしね。
2番人気に支持されているプロミストウォリアと、そこそこ売れているウェルカムニュースの上がり馬2頭は、思い切って消しました。ここは差し決着に決め打っているので、先行脚質を嫌ったため。あとは両馬ともタイムの裏付けがないからです。それにこの2頭が来る展開では、スマッシングハーツの末脚は届かないでしょうし。
さて、お次は中山のメイン、アメリカJCC(芝2200m)を。時間がないのでコンパクトに進めます。
ここは、ガイアフォース、エヒト、ノースブリッジの3頭立てと見ています。ガイアフォースが勝ったセントライト記念、エヒトがレースレコードで制した七夕賞、ノースブリッジがレコード勝ちのサリオスからコンマ4秒差5着に入った毎日王冠。これらのレースでそれぞれに先着できる馬は、ほかにはいませんから。
この3頭のうち本命に選んだのは、4番のノースブリッジ。決め手は「枠」と「脚質」です。
今開催の中山芝はなかなか見極めにくいところですが、僕は“イン先行有利”と見ています。土曜日もおおむね、先行した馬や馬場の内目を通った馬が上位に入線していました。
ノースブリッジは4番枠と内目のいいところに入りましたし、鞍上はみんなご存知、イン突きの鬼・岩田康騎手。「イン先行有利」という見立てが正しいのであれば、きっとそれを活かした騎乗をして好走に導いてくれるはずです。
それと土曜日の初富士Sの予想でも述べましたが、今開催の中山芝はモーリス産駒の活躍が目立つ。その初富士Sでは、狙っていたホウオウリアリティは不発に終わったものの、代わりに同じくモーリス産駒のルドヴィクスが8番人気で2着に激走しました。ノースブリッジもモーリス産駒で、今の馬場に合う可能性があります。
距離2200mが持つかどうか、これは走ってみなければわかりません。何やら陣営も半信半疑の様子ですが(苦笑)、とはいえ、ここを目標に天皇賞後も在厩調整で来たのですから、勝算は間違いなくあるはず。それで多少人気が落ちるのなら、ここはむしろ“買い”です。長い距離を渋太く持たせるのは、岩田康騎手のもうひとつの得意技でもありますし。
対抗は無難に10番ガイアフォース。人気なんで飛んでほしいんですけど、残念なことにケチのつけどころがないもので。アクシデントでの取りこぼし待ちですね(対抗に推した馬への台詞じゃないぞ)。
単穴は9番のエヒト。七夕賞は誰が見ても強い内容で、ハンデ54キロを無視すれば、パフォーマンス自体はすでにGII級。前走のチャレンジCも1着のソーヴァリアントは先々GIでも好勝負できそうな実力馬で、そこからコンマ3秒差の3着は高い評価ができる。しかも当時は休み明けで、まだ仕上がり途上の印象があったのだから、なおさらです。
距離2200mもまったく問題なく、またルーラーシップ×サンデーの肌という配合は5年前にダンビュライトが勝っており、このレースと相性がいいイメージ。だから当初はバリバリ本命候補で、直前までそのままでいくつもりでした。
ただ、土曜の馬場を見て、心境に変化が。鞍上の田中勝騎手は七夕賞のイメージがあるはずなので、4コーナーでは外を回す競馬をする公算が高い。だとすると、それはちょっと具合が良くないのでは…と。
枠も外目に当たってしまいました。ここから内に入れて直線で馬群をさばくような競馬はしないでしょう。馬場と展開が向かない可能性があると見て、本命はやめてこの位置にしました。もっとも、展開が向けばアタマに来てもおかしくないので、3連単フォーメーションでは1着にも置きます。
この3頭以外は何が来ても不思議ではないので、ヒモには配当妙味のある面白そうな馬をピックアップすることに。
イン先行決着の中山金杯で、大外ブン回しで最後猛然と伸びてきた14番ラーゴムは☆印。
前走有馬記念の惨敗は初ブリンカーが裏目に出たもので、このコースは絶対向くはずの2年前の勝ち馬・アリストテレスを注印の1番手に。
もともと末脚には見どころがあった馬で、先週オメガリッチマンでファンを震撼させた石川騎手騎乗のレインカルナティオを注印の2番手に。
ダート2戦をカマしての芝戻りで臨む、田辺騎手の神騎乗期待のレッドガランを△の1番手に。
そのほかのシルシや序列は下記にまとめました。買い目と併せてご覧ください。
〈中山11R・アメリカJCC〉
◎4 ノースブリッジ
○10 ガイアフォース
▲9 エヒト
☆14 ラーゴム
注13 アリストテレス
注1 レインカルナティオ
△12 レッドガラン
△7 スタッドリー
△11 エピファニー
【馬単ウラオモテ】4⇔1、7、9、10、12、13、14(14点)
【3連複フォーメ】4=1、9、10、13、14=1、7、9、10、11、12、13、14(25点)
【3連単フォーメ】4、9、10⇒4、9、10=1、4、7、9、10、11、12、13、14(42点)
エピファニーは4連勝中ということで初重賞ながら2番人気に猛プッシュされてますが、その4連勝で負かした馬たちって、みんな弱いんですよね。この4連勝は馬の力というより、レース選択(というか相手選び)が的確過ぎた厩舎を褒めるべきではないかと。このレースの“旨味(=養分)”はここだけですな。だから馬単の相手には入れてません。
そういえば、土曜の初富士Sでもパラレルヴィジョンが想像以上に売れていましたね。素質があることは認めるものの、あんなに気性に難のある馬を単勝1.5倍に祭り上げるのは、さすがに間違ってるだろう、と。
なんだかここに来て、JRAのオッズも甘くなってきたような気がします。シンザン記念のライトクオンタムや京成杯のソールオリエンスが1番人気にならなかったこととかを見ても。コロナ禍で新規参入者が増えてきたからかも…!?
アメリカJCCもエピファニーだけじゃなく、ガイアフォースも過剰人気ってことで消えてくれたり…さすがにそれはないか。。。汗
まあ、ここは3着のヒモ荒れに期待します。本命・対抗・単穴の3頭で決まれば、それも良し!
それでは、無敵の現状維持を突破せよ!
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