2017/03/02 平松さとし「世界の騎手列伝」
【世界の騎手列伝 vol.73】ティエリ・ジャルネ(PART-2)
以前にも紹介したことのあるティエリ・ジャルネが、間もなく始まる自国フランスでの今シーズンは騎乗せず、引退することを発表した。そこで彼の栄光の実績を今一度、振り返ってみよう。
1967年3月24日、フランスで生まれたジャルネは、85年にメゾンラフィットを本拠として見習い騎手となり、初勝利を挙げた。
その後、シャンティイの名門アンドレ・ファーブル厩舎に所属。91年からは同調教師と優先騎乗契約を結ぶ。
するとその年、早速、同調教師のスーボティカでパリ大賞典を優勝。同年にはヴィクトワールブリューでGI・カドラン賞も制すと、翌92年には再びスーボティカとのコンビでガネー賞、そして凱旋門賞をも優勝してみせた。
その頃からはGI戦線では乗っているのが当たり前の騎手となり、勝利することもたびたび。アルカングでイスパーン賞(93年)、イントレピディティーでサンタラリ賞やヴェルメイユ賞(いずれも93年)、ムーンライトダンスで再びサンタラリ賞(94年)、イギリスでもアップルツリーでコロネーションC(94年)、ペニカンプでデューハーストS(94年)やイギリス2000ギニー(95年)、サンシャックでロワイヤルオーク賞(95年)、ルナウェルでまたもサンタラリ賞(96年)、グレープトゥリーロードでパリ大賞典(96年)など、枚挙に暇がないほどGIを勝ちまくった。
日本馬の遠征時もエルコンドルパサーが2着となったイスパーン賞で1着(クロコルージュ、99年)、オルフェーヴルが2着だった13年の凱旋門賞でも優勝(トレヴ)など、立ちはだかってみせた。
11、12年にモーリスドギース賞を連覇したムーンライトクラウドとのコンビでは13年にはモーリスドギース賞とジャックルマロワ賞を連闘していずれも優勝する離れ業もやってのけた。
92年からは4年連続でフランスのリーディングジョッキー。94年には自身最多の158勝をマークしている。
また、先出のトレヴでは14年に凱旋門賞を連覇。94年にはカーネギーでも同レースを勝っているので、凱旋門賞は実に4勝もしている名ジョッキー。突然の引退が惜しまれる。(文中敬称略)
・<「PART-1」にあたる今年4月のコラムはコチラ!>【世界の騎手列伝 vol.21】ティエリ・ジャルネ(UMAJINコラム 2016/02/25)
・フランスの名手 ティエリ・ジャルネ騎手が引退(UMAJINニュース 2017/02/27)
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