2022/01/11 UMAJiN.net/データ部「重賞攻略データ」
【日経新春杯(GII)攻略データコラム】7歳以上は消し? 明け4歳馬が強いレース
日経新春杯(GII) 4歳以上 ハンデ 中京芝2200m
※例年京都芝2400mで行われるが、京都競馬場改修工事のため、昨年に引き続き中京芝2200mで行われる。コース適性が問われない項目または中京競馬場の傾向をピックアップし過去10年のデータをもとに分析する。
■全体傾向
・人気
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1人気【4.3.0.3】勝40.0% 連70.0% 複70.0%
2人気【3.1.0.6】勝30.0% 連40.0% 複40.0%
3人気【0.1.1.8】勝0.0% 連10.0% 複20.0%
4人気【0.1.5.4】勝0.0% 連10.0% 複60.0%
5人気【0.2.0.8】勝0.0% 連20.0% 複20.0%
6-9人気【2.0.3.35】勝5.0% 連5.0% 複12.5%
10人気以下【1.2.1.52】勝1.8% 連5.4% 複7.1%
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1番人気が堅実だが、2年連続馬券外。12-20年までの馬連平均は2386円だったが、昨年は大波乱で馬連配当5万8060円だったため馬連平均が7953円に跳ね上がった。昨年同様に今年も中京舞台のため、波乱の可能性は捨てきれないか。
・前走クラス
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2勝【1.1.1.2】勝20.0% 連40.0% 複60.0%
3勝【3.4.2.19】勝10.7% 連25.0% 複32.1%
OP特別【0.1.1.19】勝0.0% 連4.8% 複9.5%
リステッド【0.0.1.2】勝0.0% 連0.0% 複33.3%
GIII【0.3.1.28】勝0.0% 連9.4% 複12.5%
GII【1.1.4.22】勝3.6% 連7.1% 複21.4%
GI【5.0.0.24】勝17.2% 連17.2% 複17.2%
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格上挑戦となるが2勝クラスと3勝クラスの好走率が高い点については注意したい。3勝クラスからは20年にモズベッロ、昨年にショウリュウイクゾが勝利している。
GIは菊花賞組が【3.0.0.8】で有馬記念組が【1.0.0.4】、ダービー組が【1.0.0.0】。今年はステラヴェローチェが有馬記念からの参戦予定だ。勝利した1頭は12年のトゥザグローリーのみだが、同馬は有馬記念3着の実績があった明け5歳馬。ほか4頭は有馬記念で4着以下に負けている馬だが、いずれもフタ桁人気馬の馬だった。サンプル数が少ないだけに、適性と状態面の見極めが重要になりそう。
明け4歳馬のヨーホーレイクはダービーからの参戦。1980年以降で見ても3頭しかいないが、15年アドマイヤデウスが優勝、06年インティライミが3着、87年シンチェストが4着といずれも好走している点には注目したい。
・年齢
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4歳【7.3.0.20】勝23.3% 連33.3% 複33.3%
5歳【2.4.5.25】勝5.6% 連16.7% 複30.6%
6歳【1.3.5.29】勝2.6% 連10.5% 複23.7%
7歳【0.0.0.24】勝0.0% 連0.0% 複0.0%
8歳【0.0.0.11】勝0.0% 連0.0% 複0.0%
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4歳馬の勝利数はダントツ。アタマは4歳馬から狙うべきだろう。7歳以上は近10年一度も馬券絡みなしなので、消しデータ。
■中京芝2200mの傾向
ミスディレクションがレースを引っ張り、淡々とした流れになった昨年の日経新春杯。上がり3F34秒後半から35秒台の上がりがかかる馬場だった。それでも上がり1-3位の馬が上位を独占。持続力勝負に強い馬が狙い目となった。
上位人気に推されたアドマイヤビルゴ、ヴェロックス、ダイワキャグニーは先行してミスディレクションを追いかけたが、そこから長く良い脚を使えず、いずれも9着以下に敗れてしまっている。
ここでは中京芝2200mの傾向を確認してみる。
※1勝クラス以上 2012年1月1日から2021年12月19日のデータを使用
・脚質傾向
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逃げ【13.15.14.99】
勝9.2% 連19.9% 複29.8%
先行【41.46.44.325】
勝9.0% 連19.1% 複28.7%
中団【55.53.50.457】
勝8.9% 連17.6% 複25.7%
後方【22.17.22.446】
勝4.3% 連7.7% 複12.0%
マクリ【4.5.4.16】
勝13.8% 連31.0% 複44.8%
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※3F上がり順位
1位【69.34.16.33】
勝45.4% 連67.8% 複78.3%
2位【26.35.28.71】
勝16.3% 連38.1% 複55.6%
3位【16.18.31.79】
勝11.1% 連23.6% 複45.1%
4-5位【16.29.29.191】
勝6.0% 連17.0% 複27.9%
6位以下【8.20.30.965】
勝0.8% 連2.7% 複5.7%
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脚質はまばらで超スローペースになることは少なく、ミドルペースになることが多いコース。
力のいる馬場になりつつある今の中京競馬場。上がりのかかる馬場で3F上がり上位の脚で好走したことのある馬はチェックしたい。
★近5走で3F上がり34秒5以上で上がり順位5位以内かつ5着以内の実績がある馬
ステラヴェローチェ(4走)
ヨーホーレイク(4走)
ダノンマジェスティ(3走)
クラヴェル(2走)
ショウナンバルディ(2走)
フライライクバード(2走)
モズナガレボシ(2走)
エフェクトオン(1走)
カセドラルベル(1走)
トラストケンシン(1走)
マイネルウィルトス(1走)
ロードマイウェイ(1走)
バゴ産駒のステラヴェローチェは持続力勝負に強いタイプ。ここは人気に逆らえなさそう。
もう1頭の4歳馬ヨーホーレイクも適性がありそう。ダービーは7着だったが、ホープフルSでは3着の実績があり、中京競馬場で行われたきさらぎ賞でも上がり3Fが34秒9でメンバー最速。ダービー以外の5戦はすべて上がりのかかる馬場でのレースで、上がり順位もすべて1位だった。
フライライクバードは中京成績が【2.1.1.0】の中京巧者。2走前の同舞台・ムーンライトハンデではトップハンデを背負って2馬身半差の完勝を収めており、外せない存在だろう。クラヴェルもエリザベス女王杯では持続力を活かして追い込んで3着の実績がある。昨年2着のミスマンマミーアも追い込みで、展開次第でチャンスがあるか。
・種牡馬傾向
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サンデー系【73.84.82.742】
勝7.4% 連16.0% 複24.4%
ミスプロ系【28.17.26.213】
勝9.9% 連15.8% 複25.0%
ロベルト系【17.13.5.99】
勝12.7% 連22.4% 複26.1%
ノーザンダンサー系【10.11.16.172】
勝4.8% 連10.0% 複17.7%
ナスルーラ系【7.8.5.90】
勝6.4% 連13.6% 複18.2%
その他【0.1.0.15】
勝0.0% 連6.3% 複6.3%
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王道のサンデー系とミスプロ系が上位だが、注目したいのはロベルト系。勝率は10%を超えている。
昨年は2着に入ったミスマンマミーアがメンバーの中で唯一のロベルト系(タニノギムレット産駒)だった。また3着のクラージュゲリエも母父タニノギムレットで、母父ロベルト系もメンバーの中で1頭だけだった。
★父または母父がロベルト系
フライライクバード(父スクリーンヒーロー)
マイネルウィルトス(父スクリーンヒーロー)
クラヴェル(父エピファネイア)
カセドラルベル(母父シンボリクリスエス)
■前走GI組から狙うべき馬
5勝を誇る前走GI【5.0.0.24】からピックアップしていく。
(1)0秒9以内の負け
【5.0.0.5】勝50.0% 連50.0% 複50.0%
GIで1秒以上負けてしまうと、ここでも足らない。
過去10年、1秒以上負けた馬19頭すべて馬券絡みがない。
(2)さらに4、5歳馬
【5.0.0.3】勝62.5% 連62.5% 複62.5%
日経新春杯は若い馬が好走する傾向にある。
単複回収値は281/123。
☆今年の該当馬☆
ステラヴェローチェ、ヨーホーレイク、クラヴェル
★斤量55キロの4歳馬に限ると【4.0.0.0】で100%データとなる。
単複回収値は522/220。
■前走GII・GIII組から狙うべき馬
全体としては好走率が低いが、今年はこの組からの参戦も多い、前走GII・GIII【1.4.5.50】からピックアップしていく。
(1)前走9着以内
【1.4.4.26】勝2.9% 連14.3% 複25.7%
GII、GIIIでフタ桁着順に敗れた馬は厳しい。
(2)さらに中3-8週の4-6歳馬
【1.3.4.12】勝5.0% 連20.0% 複40.0%
7歳以上の好走は難しく、間隔が空き過ぎていない馬の方が好走傾向。
(3)さらに斤量56-58キロ
【1.2.3.4】勝10.0% 連30.0% 複60.0%
軽斤量の馬よりも、それなりに実績がある4-6歳馬が好走する。
単複回収値は47/124。
☆今年の該当馬☆
ショウナンバルディ、マイネルウィルトス
■OP特別・リステッド組から狙うべき馬
出走数も馬券絡みも少ないが、前走OP特別・リステッド組【0.1.2.21】からピックアップしていく。
(1)前走5着以内
【0.1.2.5】勝0.0% 連12.5% 複37.5%
6着以下だった16頭すべてが馬券絡みなし。オープンクラスでそれなりに走れている馬でないと難しい。
(2)さらに5、6歳馬
【0.1.2.1】勝0.0% 連25.0% 複75.0%
☆今年の該当馬☆
なし
前走のOP特別、リステッドのレースで掲示板を確保しているのが最低条件。
日経新春杯の消しデータ「7歳以上」に該当し、前走アンドロメダSで6着だったダノンマジェスティは厳しいだろう。
よって、データから導き出された日経新春杯は
■中京芝2200mの傾向より押さえたい馬は、ステラヴェローチェ、ヨーホーレイク、フライライクバード、クラヴェル、マイネルウィルトス
■前走GI組から狙うべき馬は、ステラヴェローチェ、ヨーホーレイク、クラヴェル
■前走GII・GIII組から狙うべき馬は、ショウナンバルディ、マイネルウィルトス
■OP特別・リステッド組は、今年は軽視
となった。
少々手薄なメンバーとなった今年の日経新春杯。注目のステラヴェローチェは神戸新聞杯から4戦目となる今回、人気に応えて勝利なるか。一方、フレッシュな状態で挑む同世代のヨーホーレイクがダービーからの巻き返しなるか。はたまたフライライクバードが5歳馬の意地を見せて念願の初重賞制覇なるかが見どころとなりそうだ。
(Text:funaki)
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