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コラム

2021/12/07  UMAJiN.net/データ部「重賞攻略データ」

【阪神JF(GI)攻略データコラム】前走GIII組を仕分ける方法とは?

阪神JF(GI) 2歳牝馬 馬齢 阪神芝1600m
※データについては過去10年分を対象に分析した。

■人気別成績
1番人気【4.1.1.4】
2番人気【1.4.0.5】
3番人気【0.1.3.6】
4番人気【2.0.3.5】
5番人気【3.0.0.7】
6-9番人気【0.2.2.36】
10番人気以下【0.2.1.85】

1番人気は勝率40%、連対率50%、複勝率60%という成績。2番人気の複勝率は50%、3番人気の複勝率は40%、4番人気の複勝率は50%なので、上位人気4頭の複勝率についてはそれほど大きな差はない。複勝軸ならこのどれを選んでもそれほど変わらないだろう。

勝率が最も高いのは1番人気だが、次いで高いのは5番人気。5番人気馬は勝つか4着以下かなのでアタマの妙味がありそうだ。6番人気以下は苦戦傾向にある。過去10年で6番人気以下の馬が2頭以上馬券に絡んだのは2012年のみだった。基本的にはそれほど荒れないGIと思って良さそうだ。

■東西別成績
美浦所属馬【3.4.6.43】
勝率5.4%、連対率12.5%、複勝率23.2%、単勝回収率26%、複勝回収率92%
栗東所属馬【7.6.4.105】
勝率5.7%、連対率10.7%、複勝率13.9%、単勝回収率41%、複勝回収率45%

関西馬優勢のイメージもあるレースだが、意外なことに勝率はほぼ横並びで連対率、複勝率は関東馬が関西馬を上回る。

関東馬の複勝回収率は92%なので、高配当を演出しているのが関東馬という構図も明らかになった。2019年は6番人気マルターズディオサが2着、2020年は6番人気ユーバーレーベンが3着と6番人気以下の関東馬が頑張るシーンも目立つ。「波乱を呼ぶのは関東馬」と覚えておきたい。

■前走別成績
前走新馬戦【1.0.1.12】
勝率7.1%、連対率7.1%、複勝率14.3%
前走未勝利戦【0.0.0.10】
勝率、連対率、複勝率いずれも0.0%
前走1勝クラス【1.4.2.42】
勝率2.0%、連対率10.2%、複勝率14.3%
前走OP特別【1.1.1.18】
勝率4.8%、連対率9.5%、複勝率14.3%
前走GIII【7.5.5.57】
勝率9.5%、連対率16.2%、複勝率23.0%
前走GII【0.0.1.7】
勝率0.0%、連対率0.0%、複勝率12.5%

数字がいいのは前走GIII組。この組をもう少し掘り下げてみる。

前走GIIIで1着【5.3.1.12】
勝率23.1%、連対率38.1%、複勝率42.9%
前走GIIIで2着【2.1.2.11】
勝率12.5%、連対率18.8%、複勝率31.3%
前走GIIIで3着【0.0.1.3】
勝率0.0%、連対率0.0%、複勝率25.0%
前走GIIIで4着以下【0.1.1.31】
勝率0.0%、連対率3.0%、複勝率6.1%

前走GIII組は連対馬から狙うべきという明確な傾向が得られた。昨年も前走アルテミスSで優勝したソダシが勢いそのままに阪神JFも制している。

前走のGIIIで4着以下に敗れておきながら阪神JFで馬券に絡んだのは2015年2着のウインファビラスと2020年3着のユーバーレーベン。この2頭はいずれもGIIIで連対した実績があった。裏を返せば重賞連対実績のない前走GIII4着以下の馬はかなり苦しい戦いを強いられるということだ。

前走OP特別組で連対したのはソウルスターリングとクロノジェネシス。いずれもアイビーSを制してここに挑んでいた。前走1勝クラス組で注目したいのは関東馬。「前走1勝クラスを使って阪神JFに挑む関東馬」は【1.2.2.11】で複勝率31.3%。同条件の関西馬は【0.2.0.31】で複勝率6.1%なので、かなりの差がついている。複勝回収率も112%なのでベタ買いOKの数字だ。

今年の登録馬でこれに該当するのはキミワクイーンのみ。恐らく人気も控えめだろうから狙ってみるのも面白い。前走新馬戦組は2011年のジョワドヴィーヴルこそ勝ち星を挙げたもののそれ以外はかなりの苦戦傾向。2014年も1番人気に支持されたロカが8着に敗れている。

また、前走未勝利戦組は過去10年の傾向を見る限りノーチャンスと言わざるを得ない。

■キャリア別成績
1戦【1.0.1.12】
勝率7.1%、連対率7.1%、複勝率14.9%
2戦【5.4.5.32】
勝率10.9%、連対率19.6%、複勝率30.4%
3戦【4.3.4.51】
勝率6.5%、連対率11.3%、複勝率17.7%
4戦【0.3.0.30】
勝率0.0%、連対率9.1%、複勝率9.1%
5戦以上【0.0.0.23】
勝率、連対率、複勝率いずれも0.0%

メインとなるのはキャリア2戦もしくは3戦の馬。キャリア2戦の馬は近5年連続で連対馬を出している。また、キャリア3戦の馬もここ3年連続して連対馬を出している。まずはこの組から検討するのが良さそうだ。

一方でキャリア5戦以上の馬は全くいいところがない。GIを制すような素質馬は取りこぼすことなくここに向かってくるのがお決まりのパターンということだろう。

■前走距離別成績
前走1200m【0.0.0.14】
勝率、連対率、複勝率いずれも0.0%
前走1400m【4.2.3.66】
勝率5.3%、連対率8.0%、複勝率12.0%
前走1600m【4.7.7.59】
勝率5.2%、連対率14.3%、複勝率23.4%
前走1800m【2.1.0.8】
勝率18.2%、連対率27.3%、複勝率27.3%
前走2000m【0.0.0.1】
勝率、連対率、複勝率いずれも0.0%

GI特有の流れ、長い直線、最後の急坂と総合力が要求されるこのレース。前走でマイル以上の距離を使っていた馬の方が成績が良いことが分かる。

反対に前走1200mを使っていた馬は全く結果が残せていない。一気の距離延長でスタミナ面での不安が露呈するということだろうか。函館2歳S1着からの直行となるナムラリコリスにとっては気になるデータだ。

■生産者別成績
ノーザンファーム【7.6.2.28】
勝率16.3%、連対率30.2%、複勝率34.9%
社台ファーム【2.0.0.16】
勝率11.1%、連対率11.1%、複勝率11.1%
下河辺牧場【1.0.2.2】
勝率20.0%、連対率20.0%、複勝率60.0%
追分ファーム【0.0.1.2】
勝率0.0%、連対率0.0%、複勝率33.3%

さすがのノーザンファームといった成績。ノーザンファーム生産馬で1-5番人気に支持された馬は【7.5.1.11】で勝率29.2%、連対率50.0%、複勝率54.2%とさらに信頼度がアップする。

社台ファーム生産馬で優勝したのは2013年のレッドリヴェールと2016年のソウルスターリング。いずれも前走は1800mのレースを使っていた。これに下河辺牧場を加えた3牧場からしか近10年の勝ち馬は出ていない。また、追分ファーム生産馬は2013年3着のフォーエバーモア以来の参戦となる。

現2歳世代の追分ファーム生産馬は好調で、その筆頭が重賞2勝のセリフォス。かつてノーザンファームで調教主任を行っていた人物が“引き抜かれて”、追分ファームリリーバレーの調教マネージャーに就任したのが2020年。ノーザン印の調教スタイルで1歳時からみっちりしごかれてきたのが現2歳世代だと考えれば、この好成績にも納得だ。

今年の登録馬で追分ファーム生産馬はキミワクイーンとパーソナルハイの2頭。師走の阪神でも追分旋風が吹き荒れるか。

■種牡馬別成績
ディープインパクト【3.2.2.10】
勝率17.6%、連対率29.4%、複勝率41.2%
ハーツクライ【0.1.2.7】
勝率0.0%、連対率10.0%、複勝率30.0%
キズナ【0.1.0.2】
勝率0.0%、連対率33.3%、複勝率33.3%
ミッキーアイル【0.0.0.1】
勝率、連対率、複勝率いずれも0.0%
ロードカナロア【0.0.0.3】
勝率、連対率、複勝率いずれも0.0%
ローエングリン【0.0.0.1】
勝率、連対率、複勝率いずれも0.0%
モーリス【0.0.0.3】
勝率、連対率、複勝率いずれも0.0%
ハービンジャー【0.0.0.2】
勝率、連対率、複勝率いずれも0.0%
リオンディーズ【0.0.0.1】
勝率、連対率、複勝率いずれも0.0%

(Shamardal、Dark Angel、エピファネイア、ドゥラメンテ、トーホウジャッカル、ジョーカプチーノ、カレンブラックヒル、ロゴタイプの産駒は出走歴なし)

やはりというかディープインパクト産駒の成績が圧倒的。勝率17.6%、複勝率41.2%は他の追随を許さない数字だ。しかしながら、3着以内に入った7頭はいずれも5番人気以内。人気薄でも構わず持ってくるような神通力は持ち合わせていない。

その後継候補筆頭であるキズナの産駒もまずまずの成績。サンプル数は少ないながら、一昨年は6番人気のマルターズディオサが2着と好走した。同じ文脈で考えると、シルバーステート産駒にも期待ができそうだ。


<データからのピックアップ>
・ステルナティーア
前走はサウジアラビアRCで果敢に牡馬に挑戦し2着。ノーザンファーム生産馬、キャリア2戦、回収率の良い関東馬、前走マイル戦、前走GIII連対と上で示した条件をほぼ満たしている。全兄ステルヴィオに続くGI制覇の可能性は十分だ。

・ウォーターナビレラ
3連勝中で前走ファンタジーSを制したこの馬もピックアップ。前走GIII連対馬という要素に加え、キャリア3戦、ディープインパクト系シルバーステートの産駒というところも加点要素。2019年マルターズディオサ、2020年サトノレイナスと2年連続で阪神JF連対馬を輩出したサフラン賞の勝ち馬というところもポイントだ。

・キミワクイーン
特注条件の「前走で1勝クラスを使っていた関東馬」に唯一合致したこの馬を最後にピックアップ。複勝回収率112%はやはり魅力的。2歳世代好調の追分ファーム生産馬でもありここは注目したい。

(Text:inoue)

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