2019/06/20 平松さとし「世界の騎手列伝」
【世界の騎手列伝 vol.192】ダニエル・タドホープ
今年はディアドラがプリンスオブウェールズS(GI)に挑戦した事で注目されたロイヤルアスコット開催。この英国王室主催の開催は、毎年クイーンアンS(GI)で幕を開ける。今年、このオープニングGIを優勝したのはロードグリッターズ。ドバイのドバイターフではアーモンドアイの3着だった馬だが、これに騎乗していたのが今回、紹介するダニエル・タドホープだ。
スコットランド・アーヴァインの競馬とは無縁の家庭で育った。人に勧められてヨークシャーにあるノーザンレーシングカレッジで学び、見習い騎手となり、2003年に初騎乗。イタリア、ピサの競馬場で初騎乗初勝利のデビューをした。
08年には自身初の準重賞勝ちをルックビジーに騎乗して飾ったり、10年にはヒルヴューボーイでやはり準重賞を勝ったりしたが、頭角を現したのは11年にD.オメーラ調教師の下で乗り出してから。同年5月、ブルーベイジャンによるヘンリー2世S(GII)での初重賞勝ちや、翌12年、ペニテントによるネイエフジョエルS(GII)など2つのGIIに1つの準重賞勝ち、ドックヘイによる準重賞勝ちなどは全てオメーラ厩舎の馬とのコンビで達成したものだった。
14年9月にはジーフォースに騎乗してスプリントC(GII)を制覇。初のGI勝ちを収めた。
同年10月にはムーヴインタイムでフランスのアベイユドロンシャン賞(GI)勝ち、16年にはモンディアリストでアーリントンミリオン(GI)、17年にはスードワイスでターフマイルS(GI)とアメリカでもGIを優勝した。18年にはアーバンフォックスでプリティーポリーS(GI)、ローレンスによるマトロオンS(GI)ではあのアルファセントーリを破る大金星を挙げるなど、アイルランドでも2つのGI勝ちを記録した。なお、ローレンスとのコンビではサンチャリオットS(GI)も優勝したが、その後、乗り替わり。冒頭に記したクイーンアンSはロードグリッターズに騎乗し、そのローレンスを負かしての優勝となった。
勝利数も近年はハイレベルで安定しており、13年に自身初めて年間100勝の大台に到達すると、その後、18年までの6年間で4回、100勝を突破。一昨年の17年は122勝を挙げ自身最多記録、昨年の18年も116勝でイギリスリーディングの5位に食い込んだ。(文中敬称略)
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