2019/04/04 平松さとし「世界の騎手列伝」
【世界の騎手列伝 vol.180】ウィリアム・ビュイック(PART-4)
日本的にはアーモンドアイで盛り上がったドバイワールドカップデーだが、現地ドバイでは地元ゴドルフィン勢の活躍に大きな声援が起きていた。
そんな中、メインのドバイワールドカップはC.スミヨン騎手(サンダースノー)に譲ったものの、ゴドルフィンの馬で2つのGIを含む重賞3勝を挙げたのがウィリアム・ビュイックだ。
昨秋には日本で初となるGI制覇、マイルチャンピオンシップ優勝を、ステルヴィオを駆って手にした。当時も紹介したので、今回は軽くおさらいという感じで改めて紹介したい。
1988年7月22日生まれの30歳。ノルウェー出身のデンマーク人。父・ウォルター・ビュイックは北欧のリーディングジョッキーで、母マリアも馬場馬術の選手だった。
2006年、A.ボールディング厩舎で見習い騎手としてデビュー。08年にはエンフォースで自身初の準重賞勝ちを飾ると、その約5カ月半後の10月にはバセラッティに騎乗してセントサイモンS(GIII)を優勝。自身初の重賞制覇を飾り、この年の見習いチャンピオンに。同シーズンのレスターアワード最優秀アプレンティス(見習い騎手)賞を受賞した。
09年にはラハリーブで制したカナダのE・P・テイラーSを制し初GIを記録。翌10年にはダーレミでブエナビスタらをくだしてドバイシーマクラシック(GI)を優勝。GI2勝目を飾った。
その後は同年ドビュッシーによるアメリカのアーリントンミリオン(GI)、アークティックコスモスでイギリスのセントレジャー(GI)、ドリームアヘッドではフランスのモルニ賞、イギリスのミドルパークS、11年のスプリントC、フォレ賞などGIを次々制覇した。
11年はナサニエルでキングジョーVI世&クイーンエリザベスS(GI)、エクリプスS(12年、GI)なども優勝。11年はイギリスだけで106勝。自身初の大台に乗せると、翌12年は130勝など、5年連続で100勝を突破した。
その後の大レース制覇は枚挙にいとまがないので簡単に紹介する。
12年は他にフォーレンフォーユーのコロネーションS(GI)、グレートヘヴンスの愛オークス(GI)、オルテンシアのナンソープS(GI)ほか、13年はサジハアでジェベルハッタ(GI)、ザフューグでヨークシャーオークス(GI)や愛チャンピオンS(GI)、14年はまたもザフューグでプリンスオブウェールズS(GI)、ソルタニーナでナッソーS(GI)、チャーミングソートでミドルパークS(GI)、リアルインパクトで阪神C(GII)、15年にはプリンスビショップでドバイワールドC(GI)、ジャックホブスで愛ダービー(15年)、ルミエールでチェヴァリーパークS(GI)、16年にはトライスターでジェベルハッタ(GI)、ホークビルでエクリプスS(GI)、17年にはジャックホブスでドバイシーマクラシック(GI)、ソベツでサンタラリ賞(GI)、リブチェスターでロッキンジS(GI)やクイーンアンS(GI)、ウヘイダでBCフィリー&メアターフ(GI)、18年はホークビルでドバイシーマクラシック(GI)、パキスタンスターで香港のQE2世C(GI)、マサーでは本場イギリスのダービー(GI)、ブルーポイントでキングススタンドS(GI)、ラインオブデューティーでBCジュヴェナイルターフ(GI)、そしてステルヴィオでマイルチャンピオンシップ(GI)を優勝。
今年もGII、GIIIはすでに6勝を挙げ、迎えたのがドバイワールドカップデー。クロスカウンターでドバイゴールドC(GII)を勝つと、ブルーポイントではアルクォーツスプリント(GI)を、オールドペルシアンではドバイシーマクラシック(GI)を優勝してみせた。(文中敬称略)
・<「PART-3」となる2018年11月のコラムはコチラ>【世界の騎手列伝 vol.163】ウィリアム・ビュイック(PART-3)(UMAJINコラム 2018/11/22)
・<「PART-2」となる2016年11月のコラムはコチラ>【世界の騎手列伝 vol.133】ウィリアム・ビュイック(PART-2)(UMAJINコラム 2018/05/03)
・<「PART-1」にあたる2016年3月のコラムはコチラ!>【世界の騎手列伝 vol.26】ウィリアム・ビュイック(UMAJINコラム 2016/03/31)
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