2018/05/24 平松さとし「世界の騎手列伝」
【世界の騎手列伝 vol.136】マイク・スミス(PART-4)
今週末はいよいよ日本ダービーが行われるが、海の向こうアメリカではすでにケンタッキーダービーとプリークネスSの二冠が終了している。
この両レースを制し、三冠に王手をかけているのがジャスティファイで、手綱をとったのはマイク・スミス騎手だ。
以前にも紹介している同騎手だが、改めて取り上げよう。
1965年8月10日、アメリカのニューメキシコ州ロズウェルで、元騎手の父ジョージの下に生まれた。本名はマイケル・アール・スミス。
11歳の時、ニューメキシコでアマチュアレースに騎乗し、82年に16歳で騎手免許を取得した。89年からはニューヨークを中心に騎乗。90年、ファントムブリーズでGI勝利となるマンハッタンH優勝。翌91年にはアイルランドでフォースターズオールスターに騎乗してアイリッシュ2000ギニーを勝利。92年にはデヴィルヒズデューでウッドメモリアルS、ヴァーセイルズトリーティーでラフィアンH、ルアーではBCマイルと次々GIを制覇し、トップジョッキーとなった。
93年はスカイビューティーでCCAオークス(GI)などニューヨーク牝馬三冠を制覇。プレリーベイユーではプリークネスS(GI)優勝、ミスドザストームではテストS(GI)、ブランスウィックではホイットニーH(GI)、ホーリーブルでフューチュリティS(GI)、アップルツリーでターフクラシック(GI)、バードオンザワイヤーでヴォスバーグS(GI)、ヘヴンリープライズでフリゼットS(GI)、ルアーでは2年連続となるBCマイル(GI)など、GIを制覇。獲得賞金での全米リーディングとなり、エクリプス賞最優秀騎手賞を初受賞。
翌94年はさらに活躍。インサイドインフォメーションでアシュランドS、エイコーンS(いずれもGI)を勝ったのを始めスカイビューティー、ホーリーブル、デヴィルヒズデューらで次々GI制覇。BCもティッカネンでターフ(GI)、チェロキーランでスプリント(GI)を勝つなど、結局この年GI20勝という全米新記録を達成。2年連続獲得賞金リーディングを受賞した。
その後もアンブライドルズソング(96年フロリダダービーやウッドメモリアルS、いずれもGI)、オーサムアゲイン(97年カナダGI・クイーンズプレート)、スキップアウェー(97年GI・BCクラシック)、アゼリ(2002年GI・BCディスタフほか)、ジャコモ(05年GI・ケンタッキーダービー)などでビッグレースを制した。
また、08年4月からコンビを組み出したゼニヤッタではいきなりアップルブラッサムH(GI)を勝つと、以降BCレディースクラシック(GI・08年)、BCクラシック(GI・09年)などを優勝。10年のBCクラシックで2着に敗れるまでコンビでは実に16連勝を飾ってみせた。
その後もドロッセルマイヤー(11年GI・BCクラシック)、ロイヤルデルタ(12年GI・BCレディースクラシックほか)、パレスマリス(13年GI・ベルモントS)、アウトストリップ(13年GI・BCジュベナイルターフ)、アロゲート(16年GI・BCクラシック、17年GI・ペガサスWC、17年GI・ドバイWCほか)など数々の名馬と大レースを勝ちまくった。
今年もミッドナイトビゾーでのサンタアニタオークス(GI)のほか、ジャスティファイとのコンビでは先述した二冠のほかサンタアニタダービー(GI)を優勝している。
など、BCは計25勝で騎手としての歴代最多勝記録を保持している。
果たしてジャスティファイでベルモントSも制し三冠達成なるか? 期待したい。(文中敬称略)
・<「PART-3」となる2017年3月のコラムはコチラ>【世界の騎手列伝 vol.76】マイク・スミス(PART-3)(UMAJINコラム 2017/03/23)
・<「PART-2」となる2016年11月のコラムはコチラ>【世界の騎手列伝 vol.58】マイク・スミス(PART-2)(UMAJINコラム 2016/11/10)
・<「PART-1」にあたる2016年9月のコラムはコチラ!>【世界の騎手列伝 vol.48】マイク・スミス(UMAJINコラム 2016/09/01)
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