2018/04/05 平松さとし「世界の騎手列伝」
【世界の騎手列伝 vol.129】オイシン・マーフィー(PART-2)
3月31日に行われたドバイワールドCデー。日本馬が14頭も遠征したが、中でもドバイターフには5頭が出走。昨年の覇者ヴィブロスや、一昨年の覇者リアルスティールもいて、期待が持たれたが、勝ったのは地元サイード・ビン・スルール調教師が管理するベンバトル。その手綱をとったのが今回、紹介するオイシン・マーフィーだ。
なお、前回の紹介時はフランスの発音でオイサンと記したが、2度目の紹介となる今回はJRAの表記に合わせオイシンとした。
アイルランド出身の彼はもともとポニーレースでの騎手。その後、叔父であり元騎手のジム・カロッティや、エイダン・オブライエン調教師の下で修行して、サラブレッド競走の騎手として2013年5月、18歳でデビューした。
1年目にいきなり42勝。2年目の14年には5月にホットストリークに騎乗してテンプルS(GII)を勝利。初の重賞制覇を飾ったほか、3つの準重賞を含む76勝を挙げ見習いリーディング。
翌15年にはカルピノでドイツ2000ギニー(GII)、ドルメロでUAEのアブダビチャンピオンシップ(GIII)なども勝利した。
その後も毎年自己最多勝記録を更新し、2016年には自身初となる100勝突破。オペラティアラでドバイ、メイダン競馬場のバランシーン(GII)やシンプルヴァーズでパークヒルS(GII)を制したほか、パラセイターでのヘンリー2世S(GIII)、ポエッツヴァニティーでのオーソーシャープS(GIII)なども勝利した。
翌17年も2年連続で100勝を突破し、自己最多勝を更新。ブロンドミーではイギリス、ヨーク競馬場のミドルトンS(GII)、ローリングライオンではニューマーケットのジャドモンドロイヤルロッジS(GII)、さらに10月1日にはアクレイムでフォレ賞を優勝。自身初のGI制覇を成し遂げると、そのわずか2週間後の10月15日、カナダでEPテイラーSをブロンドミーにより勝利。GI2勝目を挙げた。
今年18年は冒頭に記したベンバトルによるドバイターフで自身3度目となるGIを優勝。同馬とのコンビでは今年だけですでに3つ目の重賞制覇。勝ち鞍も3月下旬ですでに50を突破し、自己最多記録を更新する勢いで勝っている。
また、UAEや香港でも短期免許を取得。カタールレーシングやゴドルフィンの騎乗機会も増え、いずれ日本に来ることもありそうな若手有望株だ。(文中敬称略)
・<「PART-1」にあたる昨2017年10月のコラムはコチラ!>【世界の騎手列伝 vol.104】オイサン・マーフィー(UMAJINコラム 2017/10/05)
■【海外競馬】レース展望や結果詳報など、世界の競馬はコチラから確認できます!
■【絶賛発売中!】平松さとしの最新刊「栄光のジョッキー列伝」