2017/12/21 平松さとし「世界の騎手列伝」
【世界の騎手列伝 vol.115】ザカリー・パートン(PART-2)
今年の香港国際レース。メインの香港Cには日本のネオリアリズム、ステファノス、スマートレイアーが挑戦したが、それぞれ3、4、5着に敗れた。
このレースで地元期待のワーザーの追撃を抑え勝利したのはやはりこれも地元馬のタイムワープだった。前哨戦ではワーザーに差し切られていたが、本番では見事に逆転勝ち。その手綱をとったのが“ザック”ことザカリー・パートン。今回は久しぶりに彼のことを記そう。
1983年1月3日、オーストラリアの出身。
騎手になったのは2000年で、僅か2年後の02~03年シーズンには見習い騎手のままブリスベン地区でリーディング1位を獲得した。その後、メトロポリタンのシドニー地区に拠点を移すと06年4月にはエキサイツで自身初のGIとなるサイアーズプロデュースSを制覇した。
08年にはランドウィック競馬場でGI・エプソムHも優勝しているが、その頃から香港で騎乗を開始すると、めきめき頭角を現す。
10年には香港GIのスチュワードCをフェローシップで優勝。同国で重賞を勝ちまくったリトルブリッジとのコンビでは12年にロイヤルアスコット開催のキングズスタンドS(GI)をも優勝。11~12年シーズンには62勝を挙げ、リーディング2位まで躍進してみせた。
12年12月にはアンビシャスドラゴンで香港マイル(GI)を優勝、13年には香港馬ミリタリーアタックを駆ってシンガポール航空国際C(GI)制覇、同年の香港ヴァーズ(GI)はドミネントで優勝。今のところ唯一となる香港馬による同レース優勝を飾ってみせた。
翌14年4月にはオーストラリア・ランドウィック競馬場で行われたドンカスターマイル(GI)をセークリッドフォールズに騎乗して優勝。このレースには日本馬ハナズゴールも出走していたので記憶しておられるファンの方も多いのではないだろうか。
そして、この13~14年に香港歴代2位となる112勝を挙げ、前年まで13年連続リーディングだったD.ホワイトを破りリーディングの座についてみせた。
また、14年10月には日本馬アドマイヤラクティに騎乗し、コーフィールドC(GI)を優勝。同年の香港スプリント(GI)を制したエアロヴェロシティとのコンビでは翌15年に高松宮記念(GI)やシンガポールのクリスフライヤースプリント(GI)、16年には再度香港スプリントを制している。
その後の活躍も枚挙に暇がなく、16年にはイングリスサーヤーズ(GI)、J・J・アトキンズS(GI)、香港マイル(GI)、17年にはドンカスターマイル(GI)など大レースを次々制覇。冒頭に記したように香港Cを優勝し、香港国際レースの4つのカテゴリーを全て制したことになった。(文中敬称略)
・<「PART-1」にあたる2015年10月のコラムはコチラ!>【世界の騎手列伝 vol.3】ザカリー・パートン(UMAJINコラム 2015/10/15)
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