2017/11/16 平松さとし「世界の騎手列伝」
【世界の騎手列伝 vol.110】コリー・ブラウン
毎年11月の第1火曜日、オーストラリアで行われるメルボルンC。この南半球最大のレースを今年、制したのが今回紹介するコリー・ブラウンだ。
現在41歳の彼がジョッキーになったのは1991年。99年にカミノローズに騎乗してGI・クールモアクラシックを優勝すると、同年のジョージライダーS(GI)をリフェラルでも優勝。その後もダーレーライダーS、シドニーC(いずれも01年)、クイーンズランドダービー(02年)、カンタベリギニーズ、ドバイレーシングCC、スプリングチャンピオンS(いずれも03年)など、GIを勝ちまくる。
その後も白面のアパッチキャットとのコンビでT・J・スミスSやドゥームベンS(いずれも08年)などGIを5勝。
その後、有力調教師との契約を一方的に打ち切られるなど試練もあったが、捨てる神あれば拾う神ありで、09年にはG.ウォーターハウス厩舎のチューズデージョイでチッピングノートンS、L.フリードマン厩舎のスピードギフテッドでメトロポリタンSなど、大調教師とのコンビでGIを優勝した。
また、この年のメルボルンCをショッキングに騎乗して優勝。前年僅差2着に敗れた雪辱を晴らすと共に3日前のヴィクトリアダービー(モナココンサル)に続くGI制覇を果たした。
その後、フランスやシンガポールに移籍して騎乗した期間があり、シンガポールでは禁止薬物使用疑惑で騎乗停止になるなど、波乱のジョッキー人生だが、現在も勢いは衰えず。17年はテラヴィスタによるブラックキャビアライトニング、ポーラーリゼイションによるシドニーC、センスオブオケージョンによるドゥームベンCなどGIを数々勝利。シーズンの改まった(南半球なので9月から新シーズン)今シーズンも冒頭で記したようにリキンドリングに騎乗してメルボルンCを2度目の制覇。ベテラン健在というところを示してみせた。(文中敬称略)
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