2017/09/07 平松さとし「世界の騎手列伝」
【世界の騎手列伝 vol.100】ヴァンサン・シュミノー(PART-3)
フォワ賞に出走するサトノダイヤモンドとサトノノブレスの最終追い切りを見つめる1人の若手ジョッキーがいた。
ヴァンサン・シュミノーだ。
昨年の有馬記念ではサトノノブレスの手綱をとったことでこの追い切りを見に来たようだ。今回は改めて彼を紹介しよう。
1993年11月18日生まれだから間もなく24歳になる。
フランスでの騎手デビューは2010年。14年シーズンには障害の最優秀騎手賞にあたるクラヴァッシュ・ドール賞を獲得するなど、当初、彼の活躍の場は主に障害レースだった。
その後、フランスの名門アンドレ・ファーブル調教師に認められ、平地で同厩舎の主戦騎手級の扱いを受けると、15年にはフランス版のダービーにあたるジョッケクルブ賞をニューベイに騎乗して優勝。平地GI初勝利を挙げた。
それから1週間後の6月7日にはオートイユ競馬場で行なわれる障害のGI、アランデュブレイユ賞をブルードラゴンに騎乗して制覇。つまり、彼は1週間で平地と障害、両方のGIに優勝してみせたのだ。
その後、平地に専念して騎乗するようになると、ニューベイとのコンビで凱旋門賞をゴールデンホーンの3着。フリントシャーではアメリカへ遠征してソードダンサー招待Sを優勝するなど躍進。結局この年は52勝を挙げフランスリーディングで自身初の30位内となる24位となった。
また、翌16年は43勝でリーディング31位と僅かに後退したものの、ヴァダモスでムーランドロンシャン賞(GI)を優勝するなどGI戦線でもそれなりに活躍した。
今年はGI勝ちこそないもののアイスブリーズで制覇したオカール賞(GII)、ジミーツータイムスで勝利したミュゲ賞(GII)など重賞を7勝。伯楽A.ファーブル調教師や名門P.バリー厩舎からの信頼も厚く、今後もさらなる活躍が期待される若手で、凱旋門賞後には短期免許で美浦に来る予定である。(文中敬称略)
・<昨年12月のコラム「PART-2」はコチラ!>【世界の騎手列伝 vol.64】ヴァンサン・シュミノー(PART-2)(UMAJINコラム 2016/12/22)
・<「PART-1」にあたる2015年10月のコラムはコチラ!>【世界の騎手列伝 vol.8】ヴァンサン・シュミノー(UMAJINコラム 2015/11/19)
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