2017/06/01 平松さとし「世界の騎手列伝」
【世界の騎手列伝 vol.86】ハビエル・カステリャーノ
エピカリスが挑戦するベルモントSはアメリカ三冠レースの三冠目。二冠目のプリークネスSを勝利したのはハビエル・カステリャーノ騎手操るクラウドコンピューティングだった。
1977年10月23日、ベネズエラ・スリア州マラカルボの出身。父とその兄弟も騎手をしていたことから幼い頃から競馬の世界で育ち、ジョッキーを目指した。
96年、母国で騎手免許を獲得し、ラリンコナダ競馬場で初騎乗。翌97年にはもうアメリカへ渡り、当初は南フロリダをベースに騎乗。7月末にはアメリカでの初勝利を挙げると、01年にニューヨーク地区へ移住するまでその地で騎乗した。
ニューヨークへ移動後はGI・ベルデイムSをエクソジェナスで勝利するなど一気に勝ち鞍を増やし、同年の地区6位。翌02年には2位、03年には181勝をマークし、知らない人のいない存在となってみせた。
04年はさらに勝ち数を伸ばし213勝。ゴーストザッパーとのコンビでブリーダーズカップに自身初騎乗初勝利をメインのBCクラシックで達成してみせた。なお、同馬はこの年のエクリプス賞年度代表馬にも選出されている。また、翌05年にはサラトガカウンティでドバイゴールデンシャヒーンをも制覇している。
06年にはベルナルディーニに騎乗しプリークネスSを優勝。アメリカクラシックレース初勝利を記録。同馬とのコンビでは他にもジョッキークラブゴールドCやトラヴァーズSも勝利した。また、08年にはミュージックノートでCCAオークス、レッドロックスでマンノウォーS、マーシュサイドでカナディアン国際S(カナダ)、ジンジャーブリューでウッドバインオークス(カナダ)など、国内外でGIを勝ちまくった。
ブリーダーズカップは12年と14年にBCフィリーアンドメアターフ(ザゴラとデイヤテスパ)、15年にはBCダートマイル(ライアムズマップ)とディスタフ(ストップチャージングマリア)など、近年、急激に勝ち数を増やしており、13年以降は毎年のようにエクリプス賞の最優秀騎手賞も受賞するほど活躍している。
15年のトラヴァーズSではキーンアイスの手綱をとり、アメリカの三冠馬アメリカンファラオを負かす大金星を挙げると、昨年はフランスから移籍してきたフリントシャーとのコンビで芝路線をも席巻。マンハッタンSやソードダンサー招待Sを優勝した。
そして今年は冒頭に記したようにプリークネスSをクラウドコンピューティングで優勝。ベルモントSに出走してくればエピカリス陣営にとって強力なライバルとなりそうだ。(文中敬称略)
■【海外競馬】レース展望や結果詳報など、世界の競馬はコチラから確認できます!
■【絶賛発売中!】平松さとしの最新刊「栄光のジョッキー列伝」