2016/12/15 平松さとし「世界の騎手列伝」
【世界の騎手列伝 vol.63】ライアン・ムーア(PART-3)
すでに2回、紹介済みのライアン・ムーアだが、相変わらずその勢いは止まらないので3回目の紹介をさせていただこう。
1983年9月18日、イギリス、バークシャー生まれの現在33歳。
父ゲーリー、祖父チャーリーとも調教師。弟のジェイミー・ムーアも障害騎手であり、4歳くらいからポニーで障害飛越などもしていたという。
だから騎手デビューした当初は障害競走の騎手だった。00年5月、父の管理馬マーシービートによりトウセスター競馬場で初騎乗初勝利を挙げたのも障害競走。平地での初勝利は02年1月のリングフィールド競馬場で、翌03年には39勝で見習い騎手チャンピオンとなった。さらに翌04年には年間100勝を突破。2年後の06年にはノットナウケイトで英インターナショナルSを勝利し、GI初制覇。初となる全英リーディングジョッキーの座も獲得した。
以来、活躍は枚挙に暇がなく英国のダービーは10年にワークフォース、13年にルーラーオブザワールドで、キングジョージ?世&クイーンエリザベスSは09年コンデュイット、今年16年にはハイランドリールで、凱旋門賞も10年にワークフォース、今年16年のファウンドと2度優勝している。
北米でも08、09年、コンデュイットによるブリーダーズCターフ連覇や、セクレタリアトS、カナディアンインターナショナルS勝ちなど、数々のGIに優勝。14年にはコックスプレートをアデレイドで、メルボルンCをプロテクショニストで勝ち、オーストラリアのGIを短期間に別々の馬で優勝した。
日本ではエリザベス女王杯を10、11年とスノーフェアリーで連覇したのを始め13年にはジェンティルドンナでジャパンC、アジアエクスプレスで朝日杯フューチュリティSを制覇など、GI6勝を含む重賞11勝(16年12月15日現在)を挙げている。
また、ジェンティルドンナとのコンビでは14年にドバイシーマクラシックも勝っているが、他にもリアルスティールとのコンビで今年16年のドバイターフを優勝。モーリスとのコンビでは15年マイルチャンピオンシップ、16年天皇賞(秋)を勝った他、15年の香港マイル、そして先日行なわれた香港カップと国内外で大レースを勝ちまくった。(文中敬称略)
<【世界の騎手列伝 vol.2】ライアン・ムーア「PART-1」(UMAJINコラム 2015/10/08)>
<【世界の騎手列伝 vol.53】ライアン・ムーア「PART-2」(UMAJINコラム 2016/10/06)>
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