2016/03/24 平松さとし「世界の騎手列伝」
【世界の騎手列伝 vol.25】クリストフ・スミヨン
ご存知フランスの一流ジョッキーであるクリストフ・スミヨン。しかし、彼はベルギー人である。1981年6月4日、ベルギーのシュカールビークで競馬一家に生まれた。父のジャーン・マルク・スミヨンは障害騎手。スミヨン自身も8歳くらいでポニーレースに騎乗していたと言う。
父の助言もありフランスで競馬学校に入学。97年8月、同国のセドリック・ブータン厩舎からデビューを果たすと99年には見習いチャンピオン。そしてその活躍をみていたフランスの伯楽アンドレ・ファーブルが優先騎乗契約を結んだことで一気にスターダムに駆け上がった。
重賞初制覇はもちろん、1日5勝という当時のフランスの1競馬場での最多勝記録樹立、リーディングでもベスト10入りすると翌年には19歳という若さでフランスダービーを優勝。03年にはフランスではC.アスムッセン以来となる年間200勝を突破し、最終的には当時の記録となる207勝をマーク。05年にはそれを更に上回る226勝でリーディングを獲っている。
地元フランスでは馬混みの中を縫うように進出することも多いが、一流騎手らしく郷に入っては郷に従う姿勢か、日本で乗る時は同じようなコース取りは少ない。
ビッグタイトルは凱旋門賞2勝(03年ダラカニ、07年ザルカヴァ)、キングジョージVI世&クイーンエリザベスS(06年ハリケーンラン)、BCターフ(05年シロッコ)、ジャパンC(14年エピファネイア)など、欧州各国はもちろん、アメリカ、日本、ドバイなどで数え切れないほど。地元フランスだけでなく、ドバイでもリーディングジョッキーになった他、障害レースでもGIを制するなど、話題には事欠かない一流騎手である。(文中敬称略)
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