2016/02/18 平松さとし「世界の騎手列伝」
【世界の騎手列伝 vol.20】ジェイミー・スペンサー
ジェイミー・スペンサーは1980年6月8日、アイルランド出身。現在まだ35歳だが、一度、引退を宣言したジョッキーだ。
彼の父ジョージ・スペンサーはチャンピオンハードルに勝つほどの調教師だった。しかし、ジェイミーが馬に乗り始めたのは比較的、遅かったという。
ところがカエルの子はカエルである。96年にアイルランドでデビューした彼は急激に上達する。98年、タラスコンに騎乗してアイリッシュ1000ギニーを制した時、彼はまだ17歳という若さだったのだ。大学に通いながらレースにも騎乗した彼はチャンピオンアプレンティス(見習い)にもなってみせた。
00年には英国ルカ・クマーニ厩舎の主戦となり、拠点をニューマーケットに移した。セコイアによるモイグレアスタッドS(00年)、エンドレスホールによるシンガポール航空国際C(01年)、キングシャルルマーニュを駆ってのモーリスドギース賞(01年)、ブライアンボルのセントレジャー(03年)、エコーズインエタニティでのサンチャリオットS(03年)など、活躍の場は英国に止まらず、世界中でGIを制した後、04年にはエイダン・オブライエンから契約され、アイルランドに戻った。
するとこの年、いきなり93勝でアイルランドリーディングを獲得したが、翌年には再び英国に戻る。そして、180勝を挙げると、今度は英国のリーディングを獲得してみせた。
その後の活躍も枚挙に暇がなかったが、14年の夏には「年内を限りに引退」を発表。カタールレーシングのマネージャーに転身を図った。しかし、同年の年末には翻意。再びフリーとしてジョッキーを続けることを決定。昨年はドイツでGIを制したのを始め、ヨーロッパで重賞9勝と健在なところをみせている。また、近年はオーストラリアへの遠征も積極的に行なっているし、パワーズコートでのジャパンC(04年、10着)など、来日経験もある。(文中敬称略)
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