2015/12/24 平松さとし「世界の騎手列伝」
【世界の騎手列伝 vol.13】トミー・ベリー
今秋、初めて短期免許を取得。日本でも活躍してみせたのが今回紹介するトミー・ベリーだ。
1991年1月21日、オーストラリアで双子の弟ネイサンと共に生を受けた。
父は元騎手であり調教師。母も馬に乗っていたということもあり、双子でジョッキーになった。
見習い騎手の頃から勝ち鞍を伸ばし、12年にはエポレットでゴールデンローズSを勝利。早くもGI勝利を記録してみせた。
翌13年にはシドニー地区のリーディング調教師であるゲイ・ウォーターハウスからも依頼を受け、GI中のGIといえるゴールデンスリッパーSを優勝。すると香港からも騎乗依頼が舞い込みかの地に飛ぶと初日にいきなりクイーンエリザベス2世Cをミリタリーアタックに騎乗して勝ってみせた。
翌14年にも香港ダービーを勝つなど活躍したが、同じ頃、双子の弟ネイサンが急逝。トミーは悲しみを乗り越え、香港でクイーンエリザベス2世C(デザインズオンローム)、シンガポールではシンガポール航空国際C(ダンエクセル)とGIを制覇。今年に入ってからはシャトークワとのコンビで短距離GIを2勝するなど、ますます勢いを増して活躍している。
冒頭に記した日本での初めての短期免許期間は1カ月だったが、その間にも6勝を挙げ、乗れるジョッキーであるところを披露した。
「志半ばで逝った弟のためにも世界中で頑張ります!!」
その言葉通り、トミーは自国オーストラリアだけではなく、これからも香港、シンガポール、そして日本でも乗り続ける予定でいる。(文中敬称略)
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