2016/10/28 吉岡 司「Mr.パドック吉岡司の重賞・メイン「馬体診断予想」」
吉岡司の馬体診断予想「スワンS」/「アルテミスS」
吉岡司の馬体診断予想「スワンS」
傾向
過去5年間で間隔のあいた馬の勝利は、安田記念からの出走になったミッキーアイルだけ。マイルCSを見据える有力馬からすれば、ここにメイチで臨めないのは当然のこと。当日は各馬の体の造り具合に注視して欲しい。またスピード競馬が予想されるだけに、手足が重く動きに切れが感じられない馬は避けた方がいい。適度に気合いが乗っていて、キビキビとした歩様で周回できている馬を優先的に選びたいところだ。
パドック状態と今回の着目点
■アルビアーノ
高松宮記念時が6キロ増えた516キロ。もともとが筋骨隆々の造りだし、決して太くは映らなかった。今回は休み明けだけに多少増えているかも知れないが、大幅な変動でもない限りは問題ないだろう。また、昨年の覇者だけにコース替わり、距離延長は何ら心配なし。ごく普通に回れていれば力は出せると考えたい。
■エイシンスパルタン
前走は496キロでの出走になったが、どこにも重苦しさはなかった。水平首で落ち着きがあったし、パドックの気配も上々だったように思う。結果は前めで運んで案外も、差し馬が1、2着を独占した競馬だっただけに度外視していいかも。休み明けの斑鳩Sを制しているように、久しぶりは苦にしないタイプ。10キロ以上の大幅な馬体増でもない限り、力は出し切れるのではないか。
■エイシンブルズアイ
体の輪郭が綺麗で実に見栄えのする馬だ。セントウルSはマイナス6キロの474キロだったが、これは絞れたものであり、私見ではあるがこのくらいの馬体重が丁度いいように思える。なお、休み明けの桂川Sを勝っているように、間隔があいても問題はないクチ。気合いをに出して周回できていれば、いきなりからでも力を出せると考えるべきだろう。
■サトノアラジン
530キロ前後の巨漢ではあるが、パドックでは常に重苦しさのない、いい雰囲気で歩く馬だ。また、水平首かつ大きいストライドもこの馬のセールスポイントだろう。なお、去年の富士Sで休み明けながら2着に善戦しているように、久しぶりは苦にしないタイプ。イレ込むことも少なく、気性面での不安点はない。……が、大一番は次。余裕残しの馬体で出走する可能性は考慮しておきたい。
■サトノルパン
前走スプリンターズSではマイナス14キロと一気に体を減らしたが、昨年の京阪杯でも同じぐらいの目方で勝利しているだけに、“絞れた”と判断するのが妥当だろう。今回また減るようだと少し疑ってかかるべきかもしれないが、コース替わり、距離延長は問題ないクチで、決して軽視はできない1頭。印は回していないが、当日の雰囲気次第では大きく浮上してくるかもしれない。
■サンライズメジャー
京王杯SCがマイナス8キロの480キロ。見た目細くは映らなかったし、実際470キロ台でも走れているのだから、馬体に関してはあまり気にする必要はないだろう。ポイントは2着に好走した当時のような、どっしりと落ち着いた様をここでも見せられるかどうかに尽きる。
■ダンスディレクター
近走は444キロの馬体重で安定している。前走スプリンターズSは結果が伴わなかったものの、秒差は僅か0秒5。外を回ったことを考慮すれば悲観する内容ではない。広々とした京都外回りの方がレースはしやすいはずで、馬に活気さえあれば巻き返せるだけの力はある。
■ティーハーフ
前走はマイナス6キロの458キロでの出走になったが、細い印象はなく、光沢のある馬体、かつスリムにまとまっていた。ハミをとって伸びのある歩様で回れてもいただけに、ぜひ今回も同じような姿を望みたいものだ。
■バクシンテイオー
7歳秋を迎える高齢馬だけに、気性面も馬体面もさして注文をつけるような部分は見当らない。いつものようにハミを噛んで気分良さそうに周回できていれば、走れる状態にあるはず。また、距離は1400mまでなら守備範囲。輸送競馬も苦にしない。ただ、レースでは展開次第のところがあるだけに、仕上がりうんぬんよりは流れが向くかどうかがポイントになるだろう。
■フィエロ
安田記念は8キロ減った500キロでの出走。細い感じは見受けられず、ハミを噛んで適度な気合い乗りで周回できていた。今回は当時から間隔はあいたが、気のいいタイプだけにいきなりからでも問題はないはず。ただし、大幅な馬体増とイレ込みが重複しているようだと少し疑ってかかるべきかもしれない。
吉岡の結論
◎エイシンブルズアイ
○フィエロ
▲サトノアラジン
△1アルビアーノ
△2エイシンスパルタン
△3ダンスディレクター
吉岡司の馬体診断予想「アルテミスS」
傾向
出走馬の大半が3戦以下のキャリアしかない。その中で前走がどうのこうのと細かくチャックするのはナンセンス。全体をパッと見ていいなぁと思えた馬を中心に馬券を買うのが2歳戦の馬券戦術。また関西馬も大挙遠征してくるので、馬体重と当日の気配は要チェックだ。あまり新聞等には頼らず、自分の眼を信じて馬券を買って欲しい。
パドック状態と今回の着目点
■アピールバイオ
本馬は既に3戦のキャリアだが、目方に大きな増減なく安定して走れている。ただ、寝繋でバネは感じられるものの、あまり力強さが感じられない。そういう意味では坂が緩やかな東京コース向きだろう。前回のようなハミを噛んで活気のある歩様で周回できていれば、体調面は問題ないはず。
■クイントゥープル
サフラン賞は6キロ減った432キロの馬体重。細くは映らず、首を伸ばし大きいストライドでパドックを回れていた。まだ気性的に若い面が残っていてアテにできないタイプではあるが、真剣に走ればもう少しはやれるはず。当日の落ち着き具合がカギだ。
■コーラルプリンセス
500キロの大型馬だが、見た目はスラッとしており、重苦しさは感じられない。また、牝馬にしては奥行きのある造りで距離延長とコース替わりは歓迎とみる。放牧明けにはなるが、順調に乗り込まれているようで、大幅な馬体増でもない限り力は出せるだろう。
■サトノアリシア
首を伸ばした大きいストライドがウリで、それが着実にいい脚を使えている所以のように思える。前回は6キロほど減ったが、実に落ち着いていたし、きっちり答えも出した。精神的にどっしりしているようで、初めての関東輸送もそう問題はないだろう。普通でありさえすれば、力を出せる仕上がりと考えたい。
■シグルーン
パッと見、丁度いい体つきに映ったデビュー戦。光沢があって見栄え十分、離地に力強さがあって気分良さそうに周回できていた。顔の表情からはまだあどけなさが残っているものの、普段からイレ込むような素振りは見受けられず、長時間の輸送競馬も克服できそう。M.デムーロ鞍上も心強い限りだ。
■トワイライトライフ
未勝利戦は444キロでの出走だったが、無駄肉のない馬体で歩様に伸びがあった。血統とは裏腹にパワーのあるクチではなく、それが芝で結果が出た要因のひとつだろう。勝ったあとも順調に乗り込まれているし、引き続き歩様がスムーズであれば好調キープと考えたい。あとは力関係だけ。
■トーホウアイレス
常に見栄え良く映える青鹿毛の馬体。身のこなしが柔らかく、“グッドルッキングホース”と表現するのが妥当のように思える。前走時は時たま首を横に振ったり、尻尾を盛んに動かしたりと、うるさい面を出していたが、そうイレ込んではいなかった。結果も出ているだけに現状はこれでもいいのかもしれない。今回もパドックでほどよい気合い乗りを望みたいものだ。
■ヒストリア
デビュー戦は448キロでの出走になったが、骨格がしっかりしており弱々しい面はどこにもなし。2人引きで曳いていたとはいえ、ハミをとって気分良さそうに周回できていたし、後肢の送りもスムーズ。ぜひ今回も当時と同じような姿を望みたいものだ。2戦目の競馬だけに目方は多少減るかも知れないが、440キロを割っていなければ問題はなさそう。また、脚質を考えれば府中コースでさらなるパフォーマンスが期待できるかも。
■フローレスマジック
デビューより2戦、目方は変わっていないものの、アウトラインの綺麗な馬体で、ひと際目を引く筋肉の柔らかさがセールスポイントだ。まだ子供子供していて幼さが残っているとはいえ、重賞でも何らヒケをとらなさそうな馬っぷりの良さ。逸材とみていいかもしれない。今回も第一印象が良ければ、素直に上位評価を下してみたい。
■リスグラシュー
前走は432キロでの出走になったが、数字以上に体を大きく見せており、ピンと張った背筋でトップラインの綺麗な馬体は惚れ惚れするほどだ。また、柔らかい筋肉で品があったし、水平首でリラックスした姿も見てとれた。今回も同じような姿であれば、さして注文をつける部分はない。東京までの輸送があるものの、前走を見る限りイレ込むことはないだろう。当日大幅な馬体減でもない限り持ち得る力はきっちりと発揮できるはず。
吉岡の結論
◎リスグラシュー
○フローレスマジック
▲トーホウアイレス
△1サトノアリシア
△2アピールバイオ
△3ヒストリア
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