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コラム

2011/02/20  【月刊UMAJIN編集部】インタビュー・コラム「「独占!」【月刊UMAJIN編集部】インタビューコラム」

千田輝彦&角田晃一&四位洋文/四位洋文のディープな世界 Vol.10

四位洋文のディープな世界「新調教師と対談」

2月10日に新規調教師免許試験の合格者が発表された。
そのなかには四位にとって良き先輩である千田輝彦と角田晃一の名もあった。
今回はプライベートでも仲の良いふたりとの三者会談。
競馬学校時代の思い出から、今後の展望まで大いに盛り上がった。
(2010/4/13発売 UMAJIN No.12に収録)
写真=桂伸也 取材・構成=大藪喬介、不破由妃子


千田との最初の出会いで、いきなり「チーボー」と呼ぶ


四位 調教師試験合格、おめでとうございます。

千田&角田 ありがとうございます。

四位 千田さんにはデビュー当時からお世話になっていて、所属されていた伊藤雄二厩舎の攻め馬に乗せてもらえるように「先生に口利きをしてください」と、お願いしたこともありましたよね。

千田 そういうこともあったね。四位の所属していた古川平厩舎に僕も乗せていただいていたので、赤白帽(トレセンで競馬学校生が着用する帽子)のころから四位を知っている。本当に馬乗りがうまくて、「こいつがデビューしたら俺は騎手を辞めないとダメだな」って思った。それが調教師になろうと思ったきっかけ(笑)。

四位 あはははは。角田さんは競馬学校の1期上の先輩(角田が5期生、四位が6期生)で、馬を手入れしているときに「ほらアンちゃん、これやるわ」って、内緒でアメをくれたのを覚えています。馬を手入れしているときにいいのかなって思ったけど(笑)。

千田 競馬学校って、偶数の期が優等生で、奇数の期が悪いっていわれているんだよね。僕は角田の1期上の4期生で、歴代のなかでも一番真面目だっていわれてた。

角田 そうそう。いつも教官に「4期生を見習え」っていわれていました。

四位 入学したてのころ、教官に呼ばれて「角田、小野(次郎)、田中(勝春)、佐藤(哲三)は悪いから気をつけろ」っていわれたんです。それって、5期生のほぼ全員じゃないですか。だから、会う前から怖かった(笑)。

角田 いやいや、僕は優等生だったでしょ(笑)。

四位 競馬学校時代の角田さんは知っていますけど、デビュー当時はどんな新人だったんですか?

千田 普通、デビューしたてのころは先輩についてくる子なんていないんだけど、角田はすぐに僕、石橋守さん、それとユタカ(武豊)さんと一緒にごはんを食べに行ったんだよね。でも、帰るのが遅くなって、師匠の渡辺栄先生に怒られてた。

角田 気づけば深夜の3時になっていて。当時は携帯電話を持ってなかったので、公衆電話からテレホンカードを使って、師匠に「もうすぐ帰ります」って電話した記憶があります(笑)。

四位 最近、先輩と夜遅くまで付き合う若い子がいなくなりましたよね。僕はデビューしてすぐに千田さんと一緒に行ったけど。

千田 その一番最初のときに「チーボー、(馬乗りが)うまいね」っていわれたんだよ(笑)。

四位 たしか岡(潤一郎)さんと角田さんもいたんですよ。みんなが千田さんのことを「チーボー」っていってたから、僕も思わず…。でも、そのあとも普通に話してくれたので、「この先輩はもう知り合いだなぁ」って勝手に思ってしまった。ところが週明けの調教のときに「チーボー、おはよう」っていったら無視されて(笑)。

角田 よく覚えているなぁ。

千田 無視というより、「俺のことだよなぁ」と思いつつ、何かの間違いじゃないかって…。

角田 そのときに引退を?

千田 そうそう。すごい新人が出てきたなと(笑)。

四位 でも、もう人前で「チーボー」とはいえませんね。千田さんっていうのもちょっと照れくさいけど。そうだ、(松永幹夫調教師のことを)「ミキオさん」って呼んでいるから、「テルヒコさん」にしましょう。角田さんも普段は「つのくん」と呼んでいるけど、これからは「コウイチさん」と名前で呼びますね(笑)。

千田&角田 それはかんべんして!


まずは机の前に座ることから。1日6時間勉強をすることも


四位 6年くらい前ですか、初めて調教師試験を受けたのは。

千田 そう。でも、そのころはまだ競馬に乗りたいという思いが強かったから、本気で勉強を始めたのは実質2?3年前かな。

四位 夏の北海道では、僕たちも千田さんを飲みに誘わないようにしていましたよね。

千田 最初は気を使って呼びにこないから「俺、いるよ?」って意思表示をするために、わざと部屋のテレビの音を大きくして、ドアを開けっ放しにしたりして(笑)。みんなの声がだんだん遠ざかっていくとね、「あぁ、行っちゃった…」って、すごく寂しくなってさ。

角田 飲みに行ってたら、今ここにいませんよね(笑)。

四位 角田さんはいつごろから調教師を目指そうと思ったんですか?

角田 試験を受けたのは4年くらい前で、きっかけはいろんな人に巡り合えたというのもあるし、師匠の背中を見てきたからというのもあるよね。

四位 2年前に大好きなゴルフもやめたましたよね。

角田 それぐらい集中して勉強しないと受からないと思ってたから。

四位 勉強は大変でした?

千田 何がつらいかって、ずっと机の前に座るのがね…。中学校を卒業して以来、勉強していないんだから。でも、試験が2時間なんで、とりあえず机に2時間座れないといけないでしょ。まずはそこからだった。

四位 学生と違って、仕事をしながら勉強をするわけですよね。僕だったら2時間も勉強できるかなぁ。というか、何から始めていいのかわからない。

千田 僕の場合は、調教師試験を受けたことがある方に聞いたり、競馬学校の教科書を取り寄せたりするのが最初だった。競馬法規、馬学、馬術学を覚えないといけないからね。

四位 全部暗記するわけですよね?

千田 競馬法規は完全に暗記だね。

角田 僕も千田さんと同じ。一次試験に受かった人に聞きましたね。それこそ答えの書き方から始まって、いろんなことを教えていただきました。

四位 自分なりの勉強法はあったんですか?

角田 最初にひたすら書いて覚えて、ひととおりやったら、また暗記していく。それの繰り返し。

千田 僕なんかは同期の菊沢(隆徳師)と問題を出し合ってた。

四位 去年の夏の後半は、千田さんが函館、菊沢さんが札幌にいたから、ファックスで問題を出し合っていたんですよね。

千田 自分で問題を作ることだけでも勉強になるけど、人が作った問題を解くのはもっと勉強になる。おかげで、ひとりでやるよりもはかどったよ。

四位 最高で1日どのくらい勉強したんですか?

千田 2時間以上は無理です(笑)。

角田 でも、わからないことを調べていると、いつの間にか6時間くらい経ったりしませんか?

千田 あ?、それはあるね。

四位 6時間も!

角田 本当に集中して勉強するのは1?2時間くらいだけどね。あと、わからないことがあったときのために資料用のノートを作っていて、これが結構役に立った。

四位 ノートですか。

角田 試験が近づくと、寝る前にふとわからないことがあると、もう気になって眠れない。そんなときにノートを見て「あぁ、そうだった」って納得して、ようやく眠ることができる。

千田 わかるなぁ。一度考え始めちゃうと、寝られないんだよね。でも、僕はノートを作ってないんだ。笹田調教師が昔、伊藤雄二厩舎にいた縁で、これをやれ、あれをやれって、先生が作ったノートをくれたから。

四位 まだそのノート持ってます?

千田 あるよ。

四位 じゃあ、大切に保管しておいてくださいね。もしかしたら必要になるかもしれないから。でも、僕の場合、気になっても寝てしまうかも(笑)。


引退後に調教師になるかは、千田と角田の成功次第!?


四位 最近ジョッキーから調教師に転身して成功している人が増えているじゃないですか。ミキオさんから始まって、そのあとに若いころから僕たちのリーダー格だった鹿戸(雄一)さんも成功されていて。そういった人たちの背中を見て、「調教師になりたい」と後輩たちが続いていければいいですよね。僕たちのためにもおふたりには頑張ってもらわないと。

千田 そういうプレッシャーはあるよね。ジョッキー上がりはダメだっていわれるのは後輩にも悪いし、自分も納得がいかない。だから、今も日々勉強だよ。このあいだ、牧場に仔馬を見に行ったんだけど、走る仔馬を見極めるのって本当に難しい。ジョッキーのときは乗れば背中の感触でわかったけど、仔馬は乗れないからね。

角田 結局、脚のかたちや血統で判断するしかないですもんね。厩舎にいても馴致の仕方を教わったりして、ほんと日々勉強です。あとから続く後輩のためにも、お互い頑張りましょう。いつかジョッキーが乗ってみたい、そして、ファンや関係者全員がわくわくするような馬を育てたいですよね。

千田 僕は四位に依頼して断られないような調教師になりたい(笑)。

四位 あははは。ほかに開業するうえで、不安なことはありますか?

角田 もう不安だらけ。人一倍努力しても、結果が出ないのがこの世界だから。そこが勉強とは違いますよね。

千田 うん、勝負の世界だから、本当に結果がすべて。

四位 いってみれば、プロ野球選手だった人が急に球団を経営しないといけないんですもんね。

千田 そう、監督ではなくね。

角田 経営者だから、失敗が許されない。馬を預けてくださる馬主さん、厩舎スタッフ、それにその家族の生活も背負うわけだから。そこが自分の腕一本で勝負するジョッキーとの大きな違いですよね。

四位 騎手だったら自己責任だけど、調教師はそうはいきませんものね。

千田 逆にこれほどやりがいのある仕事もない。後輩たちに「調教師っていいよ」っていえるようにならないと。

四位 僕もさすがにこれだけ身近な人が調教師になっていくと、次のキャリアを考えるようになりますね。ふたりが成功したら調教師になろうかな。

角田 余計なことをいわずに、ふたりでニコニコしていましょうよ。

千田 「調教師はやめといたほうがいい」っていいながら、目の奥は笑ってるみたいな(笑)。でも、四位がデビューするから調教師になろうと思ったのに、これで四位が調教師になったら、俺は次に何をやればいいんだよ(笑)!



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