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コラム

2011/09/09  【月刊UMAJIN編集部】インタビュー・コラム「「独占!」【月刊UMAJIN編集部】インタビューコラム」

長谷川仁志/本紙の2歳戦総括「一番馬を追え!!」vol.3

競馬専門紙「ダービーニュース」の本紙予想を務める長谷川仁志が、今年行われた全2歳戦を開催ごとにプレイバック。POGファン必見、将来性の高い馬を中心に“走る”2歳馬をズバッと診断するぞ!

◇4回新潟、4回小倉(後半)、1回札幌

3回新潟開催・新潟2歳SはモンストールがレコードV



 3日目、牝馬限定の芝1400mは単勝1.6倍の圧倒的支持を集めたサウンドオブハート (牝、父アグネスタキオン、母フジャブ、松山康)が圧勝した。4角6番手から外を突き抜けた脚が桁違い。坂路調教でも1F11秒4と、この時期の2歳馬としては破格の時計をマークしていたが、実戦でも稽古に違わぬ瞬発力を発揮した。父アグネスタキオン。半姉モンテミウが芝1200m、直線芝1000mと2勝して、芝1200mの1000万下で2着している。モンテミウはボストンハーバー産駒。本馬は父がタキオンのぶん、スケールアップしていると単純に考えていいだろう。

 外回りの新馬では5日目の芝1600m。5F65秒4の超スローから、11秒8、10秒1、11秒1。極限の瞬発力勝負となった。こうなるとディープインパクト産駒の独壇場。4角後方からエネアド(牡、父ディープインパクト、母キュー、戸田)が3F32秒5。凄い脚を使って差し切っている。ブレイクランアウトの半弟。兄も切れたが、折り合いの難しさを併せもっていた。ディープインパクト産駒はクラスが上がると、負けん気の強さが出て掛かるところがある。今後はそのあたりがポイントになるだろう。

 2着ミルドリーム(牡、父シンボリクリスエス、母ミルフィオリ、角居)もエネアドには切れ負けしたものの、3F32秒7。鋭く伸びていた。パドックでは馬っ気がキツく、まだ幼さを残してこの内容なら先が楽しみ。3着トランドネージュ(牝、父ダイワメジャー、母イルネージュ、松山康)はスローの流れに巧く乗った形だが、上位2頭とは0秒1差。4着馬には8馬身差をつけていた。前記サウンドオブハートと同厩で併せ馬では遅れていたが、距離の長いところでは上回る可能性がある。

 初日の芝1600mを差し切ったアドマイヤリリーフ(牡、父フジキセキ、母マイベストスター、上原)は稽古の動きが平凡で人気薄だった。実戦向きのタイプなのだろう。ただしこの条件の割にメンバーが小粒だった。新潟2歳Sでは調教が良化。上積み大と判断して対抗に抜擢したが、スタートで挟まる不利はあったものの、8着に敗れている。馬は中身が伴ってきたが、新馬のレベルが追いつかなかった結果と受けとめたい。

 レース全体の水準。時計の速さという点からは、5日目の芝1800mの未勝利戦。ビームライフル(牡、父ソングオブウインド、母ショウナンアネーロ、須貝)の1分47秒9。7日目、芝1600mの未勝利。ウインフロレゾン (牝、父フジキセキ、母ブランシェリー、粕谷)の1分34秒6。さらには7日目の新馬、芝1400mのキズマ (牡、父ディスクリートキャット、母ハンドオブフェイト、白井)の1分22秒5。8日目、芝1800mの新馬、オメガハートランド(牝、父アグネスタキオン、母オメガアイランド、堀)の1分48秒9など、後半戦になって続々と好内容が記録されていった。ビームライフルはソングオブウインドが長めの距離を楽勝したことに価値。サンデーサイレンスの3×3にあたり、ここから瞬発力が増強されていると共に、今後、このような配合が増える可能性があるだけ、注目していきたい。ウインフロレゾンは3戦目にして差す競馬に転じての好時計勝ち。新潟2歳Sでも3着に相当する。キズマはストームキャット系らしいスピード、オメガハートランドはアグネスタキオン産駒特有の俊敏性があり、それぞれ好素材。先のエネアド組を筆頭に時計の遅い鞍も多い中、これら後半組の上位馬は評価を落とさないほうが得策だろう。

 そして2歳S。モンストール (牡、父アドマイヤマックス、母イソノスワロー、尾関)の1分33秒8は1600mに距離が延長して初回の、ワナのレースレコードにタイという優秀なものだった。これではジャスタウェイが0秒1差2着と届かないのも頷ける。それだけモンストールが強かったということだ。前開催初日の勝ち上がり組で、まったくの楽勝だったが、『アドマイヤマックス?』と、疑ってかかる部分があったことを反省したい。この父だってサンデーの立派なGI馬。ましてその母ダイナシュートは新潟2歳S(当時は3歳S)の勝ち馬であり、抜群のコース適性と夏に強い背景がある。加えるなら、祖母イソノルーブルはオークス馬で、3代前にはノーザンテースト、デピュテイミニスター、ラシアンルーブルとノーザンダンサーが3本注入されている。字面以上に底力を感じる配合で、サラブレッドの血統は、馬の値段と即リンクしないことを教えてくれる。


4回小倉開催、エピセアロームが2歳Sをを制す



 小倉2歳Sは前半の新馬を楽勝したマコトリヴァーサルが1番人気。5馬身差2着のメイショウハガクレ (新潟2歳Sに出走して12着)がフェニックス賞を勝ったことも評価の対象になったが、結果は0秒2差2着。ペースの違いに戸惑ったというよりも、武豊騎手は馬場を考慮して意識的に下げたように見えたが、外をまくったエピセアロームに追いつくまで至らなかった。それでも差す競馬に対応できたことが収穫。肌がバクシンオーといっても、タヤスツヨシ産駒で、あと1F延びた1400mあたりがベストに思える。

 エピセアロームはダイワメジャー産駒のワンツーとなった4回阪神、芝1600mの2着馬。2戦目の楽勝ぶりからも、勝ったダローネガ (新潟2歳S4着)より上とみてはいたが、新潟2歳Sだと除外の危険性があり、距離不足を覚悟の小倉入りでもあった。後半の芝に雨の影響があり、軽いスピードよりもパワーが要求されたことも功を奏したが、勝ち方は少々、桁が違っていた。また時計も前日の古馬1600万下、同日の1000万下に0秒3差なら悪くない。牝馬の大きいところを狙えるだけの逸材とみていいだろう。

 2歳Sからはもう1頭、渋馬場にスピードを減殺された5着ゴーイングパワー (牡、父サクラバクシンオー、母クインネージュ、岩元)を取り上げておきたい。初戦の内容、稽古の動きからパンパンの良馬場なら結果は違っていたはずである。

 小倉後半の新馬からは5日目の芝1200mを差し切ったゴールデンムーン (牝、父アドマイヤムーン、母トップサンキスト、須貝)。 時計はとりたてて優秀というほどではないが、評判のビキニブロンドを計ったように捕えた点と、3着オレニホレルナヨが2戦目に好時計勝ちしていることに価値がある。母父がアサティスで、牝馬の割に渋いタイプ。

 6日目の芝1800mはメンバーが揃った一戦で首、首、首差の上位4頭は名前を記憶しておきたいが、この接戦をものにしたカイルアロマンス (牝、父デュランダル、母タヤスロマンス、森)は母系がスカーレットインク一族であり、デュランダル産駒の今年のオークス馬エリンコートと同様に、ノーザンダンサーのインクロスを持つ。オークス戦線の台風の目に育つ可能性を覚えておきたい。


4回札幌札幌開催クローバー賞は初回コラムどおりの内容に



 4日目のクローバー賞は3回中山組のうちマイネルロブストが差し切った。このコラムの初回、『距離を短縮すればもっと切れると』書いた通りになったことを喜びたい。初日の新馬勝ちで人気を集めたオメガホームラン (牡、父ダイワメジャー、母ダンスーズデトワール、安田隆)はロスの多い競馬となって3着。もちろん実力負けではないし、もっとペースが流れれば競馬もし易かったが、札幌組だからといって過大評価を避けることも大事だろう。  ただ2日目の芝1800mを勝ったディープインパクト産駒ベストディール (牡、母コマーサント、国枝)。4日目の芝1800mを差し切ったマカハ (牡、父キングカメハメハ、母サークリング、小崎)、同2着のグランデッツァ (牡、父アグネスタキオン、母マルバイユ、平田)、3着のサトノギャラント (牡、父シンボリクリスエス、母スティンガー、藤沢和)、そして8日目、芝1800mを勝ったアドマイヤトライ (牡、父シンボリクリスエス、母アドマイヤグルーヴ、橋田)などの良血馬は、すべてレースぶりをインプットしておきたい。時計が平凡なのはスローのためで、仮に札幌2歳Sに参戦すれば、急に時計を短縮できないケースと、一変してくるケースと二つ考えられるが、もし敗走した場合でも長い目で見ることが重要だろう。

 この開催の2歳戦。記録上、最も勝ちが高いのは5日目の未勝利、ダート1700mで大差ぶっち切りのスターバリオン (牡、父ゴールドアリュール、母カネツプリンセス、藤岡健)だった。レコードの1分46秒6は同日の古馬500万下に0秒6劣るが、2歳戦としては出色だし、追っていればもっと詰まっていたことは確実。血統通りダートで一変した訳だが、この世代のこの路線で中心を担う存在といえるだろう。


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