2011/08/12
【月刊UMAJIN編集部】インタビュー・コラム「「独占!」【月刊UMAJIN編集部】インタビューコラム」
藤岡佑介&上村洋行&古川吉洋&丸田恭介&丸山元気/佑介藤岡の○○な話?第一夜?
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誰でも人の心を惹きつける「○○な話」をひとつは持っているものである──。
今回は、藤岡佑介をはじめとするジョッキーたちが、「○○な話」を披露していくだけの、どこかで聞いたことがある企画…。
もちろん、彼らが語るお話は、すべて実話である。
写真=大薮喬介、編集部 取材・構成=大薮喬介、不破由妃子
取材日=7月21日 ラビスタ函館ベイ内「海鮮ダイニング 海風楼」にて
今回の精鋭たちは…
爆笑ネタから感動ネタまで、ご存知『Mr.○○な話』
上村洋行
愛されキャラ全開の癒し系話術師
古川吉洋
イジられながらも直球勝負で見せ場を作る
丸田恭介
若手らしからぬ独自の世界観で虎視眈々
丸山元気
鋭い視点と絶妙な語り口で空気を支配する
藤岡佑介
●丸田恭介の『調整ルーム“あるある”』先輩の襲撃!
丸田 早くしゃべりたいです…。落ち着かない…(笑)。
藤岡佑 とりあえず、乾杯しましょう。今日はよろしくお願いしまーす! カンパーイ!
一同 カンパーイ!
藤岡佑 じゃあ、さっそくサイコロ転がしまーす!
(といいつつ、転がさずに“丸田”の面を上にドン!)
丸田 そういうの止めてくださいよ?。
藤岡佑 はい、丸田。
丸山 今日、ずっと「早くしゃべりたい…」って言ってたじゃないですか。
丸田 じゃあ、調整ルーム“あるある”で。夜中に先輩ジョッキーの襲撃を受けます! 北海道では平日も調整ルームで寝泊まりしてるんですが、みなさん、酔っ払って帰ってきて…。僕の布団がなくなっていたこともありました(笑)。
上村 あぁ、それはしかたないわ。誰もがとおる道やわ。お前らなんか、まだかわいいもんやで。
古川 ブッシー(武士沢騎手)なんて、「布団がないー!」って探したら、風呂場にあったみたいな(笑)。俺も昔、自分の荷物がエレベーターから部屋まで点々と置かれていたことが…(笑)。
丸田 メッチャ手が込んでますね!
藤岡佑 一応、カギはあるけど、閉めると逆効果(笑)。
上村 そうそう。コイツ、なにカギ閉めてんねん…ってなる。
藤岡佑 無抵抗が一番です。カギを閉めてると、窓から侵入されますからね(笑)。
上村 北海道ならではやな。そこがおもしろいところなんやけど。
古川 そういう環境のなかで、先輩と仲良くなっていくんですよね。
●上村洋行の『男前なジョッキーの話』1本ン十万円の酒を…
上村 俺、こう見えて蛯名さんとけっこう仲良くさせてもらっていて。
藤岡佑 こう見えてって(笑)。
丸田 へぇ?、接点があるんですね。
上村 何週間か前に北海道に来られたとき、ふたりでご飯を食べに行ったんです。2軒目に行った飲み屋さんで四位先輩と合流したんやけど、そのときに四位先輩が飲んでたお酒が、けっこういいお酒でね。普通に頼んだら、ボトル1本ウン十万円もするお酒やったんだけど、お店側がすごく安くしてくれたんです。で、飲んでるうちに当然、そのお酒がなくなって。蛯名さんは値段を見てないから「同じの持ってきてよ」って言うんやけど、四位先輩と俺で「蛯名さん、(あのお酒は)アカンアカン」って止めて。でも、蛯名さんは「いいよ、同じので」って引く気配がないから、さすがに俺が「蛯名さん、あのお酒は何十万円もするからダメです」って言ったんだけど、蛯名さんは、顔色ひとつ変えずに「いいから。大丈夫だから。同じの持ってきて」って。男前やな?って思って。
古川 たしかに蛯名さんて、銭は使ってなんぼやっていう、そういう男前なところがありますよね。僕も何度か北海道でご一緒させていただいたことがあるんですけど、「お前、どっか行きたいところないの?」って感じで、いろいろ連れて行ってもらいました。兄貴肌というか、男前ですよね。
上村 そうそう。お前ら(丸田、丸山)、せっかく関東なんやから、もっと積極的に交流を持ったほうがいいよ。
丸田 はぁ…、そうなんですけど。なかなかお話をさせていただく機会がなくて…。
上村 お前らが自分から積極的に行けば、なんでも聞いてくれる人やで。
古川 そうそう。いい先輩、いっぱいいるで。
藤岡佑 四位さんも後輩とご飯に行ったときは、絶対に払ってくれますからね。それでこの前、リスポリが「毎回毎回、なんで四位ばかりが払ってるんだ。俺にも払わせろ」って言い出して。そしたら、四位さんが「俺にとってはお前も後輩や。でも万が一、俺の後輩がイタリアに行くようなことがあれば、そのときはお前が世話してやってくれな」って。カッコイイ?! って僕は思ったんですけど、リスポリは納得してなかった(笑)。先輩が後輩におごったりするのって、日本特有の文化なのかなって思って。
上村 俺も四位先輩とは仲良くさせてもらってるけど、絶対に後輩には払わせないもんな。お前ら(丸田、丸山)、そういう先輩の姿も学んだほうがいいで。そういう交流、ないやろ?
丸田 ないっすね…。僕も後輩とご飯に行ったときは、“極力”払うようにしてますけど。
上村 極力? お前、残念やわ…(笑)。
丸田 さすがに割り勘にはしませんよ!
上村 そういうことじゃなくて………残念やわ(笑)。
●古川吉洋の『男前なジョッキーの話』岡部さん!
古川 上村先輩以外は直接の絡みはないかもしれないけど、岡部さんは、今も変わらず男前やと思う。
藤岡佑 僕らは直接的な接点がないんですよね。
丸田 アドバイザーとしてお会いしたことはあるんですけど。
古川 岡部さんもずっと北海道で乗っていたから、現役当時もいろいろ教えていただいたんだけど、去年だったかな、お会いする機会があって。「吉ちゃん、頑張ってんな! ただな、ステッキの持ち替えがちょっと遅いな」ってアドバイスをいただいて。あぁ、今でも見てくれてるんだなと。
上村 俺にとっても、岡部さんは雲の上の存在。現役のころも、それほどお話させていただく機会はなかったんやけど、先々週、中山に乗りに行ったとき、ジョッキールームで俺は隅のほうにいたんやけど、岡部さんが「おぉ、上村。お前、もっと勝たなきゃダメじゃないか」って。俺からしてみれば、まともにお話したこともない岡部さんが、現役を引退されたとはいえ、自分のことを気にかけてくださったことがすごくうれしかった。
古川 そうですよね、すごくわかります。現役のころから、岡部さんはすごくパワフル。いっぽう河内さんは、どちらかというと静かな感じで。
上村 おふたりとも、それぞれに美学があってな。なんでもかんでも勝てばいいっていうのではなく、勝ち方ひとつをとっても美学があった。今はそういうのが少しずつ薄れつつあるけど…。
古川 そうですねぇ…。
藤岡佑 勝ち方とか美学とかより、とにかく“結果”ですからね。
古川 周りの求めることが変わったし、それ以前に環境が変わったからね。岡部さんも河内さんも、なにより“馬”ありきやった。
上村 勝ち方って大事やと思うけどな。俺もいろいろ考えるところはあるけど、今の競馬の流れのなかで、個人の考えを貫くのは難しい。
藤岡佑 その流れに負けず、貫いている方もいますよね。やっぱり、同じジョッキーとしてカッコイイと思います。ただ、正直、何が正しいのかわからない。本当に難しいと思います。ジョッキーって、まず乗らないことには仕事にならないですから。
上村 しかも、勝たないとな。
藤岡佑 ほかの公営競技は、各競技場から斡旋されるので、自分の美学を貫いても仕事がまったくなくなることはないじゃないですか。レース自体には出ることはできますから。でも、競馬はそれ以前に、乗せてもらえないと…。
古川 人気商売っていう一面もあるからね。
藤岡佑 競輪で村上義弘さんっていう強い選手がいるんですけど、勝ち方にすごく美学を持っていて、自分が納得できるレースじゃないと、それは“勝ち”にはならないっていうような方で。でも、オールスターでは絶対に投票1位だし、とにかくファンが多い方なんです。そうやって自分の想いを貫くと、わかってくれる人がたくさんいるんだなって。競馬も、そういう人が認められる流れになれば、一番いいなと思いますけどね。
上村 毎回毎回じゃなくても、何回かに一度でいいから、自分の想いの片鱗を見せられればいいなって思う。わかってくれる人に『上村、いい勝ち方したな』って言ってもらえれば。
藤岡佑 どこを求めるかですよね。僕にも理想はありますけど、そればかりにとらわれると、現実が追いつかないというか。でも、逆に現実ばかりにとらわれると、やっぱりおもしろくなくなってくるんじゃないかと思いますけどね。
●藤岡佑介の『すべらない話』黒ッ!
藤岡佑 このあたりで、ちょっと笑える話を。
上村 おっ、いいねぇ?。
藤岡佑 京都の調整ルームでお風呂に入ったときの話なんですけど、お風呂に入るときって、まずは何人くらい入ってるかなって、入り口にあるスリッパの数を見るんです。そのときは、スリッパが2組あって。で、風呂場の縁にいつもどおり熊沢さんが座っていて、「お疲れさまでーす」って挨拶して。もう一人、洗い場で髪の毛を洗っている人がいて、「あ、浜中や!」と。浜中ってめっちゃ地黒で、それをネタにイジられるキャラなんですよ。いわば、黒いことが彼の持ちネタというか。だから、そのときも後ろで立ち止まって、いつもの調子で「黒ッ!」って言ったんです。そうしたら、熊沢さんが「えっ…」っていう顔をして、僕のほうを見たんですよ。あ、熊沢さんは、浜中が地黒ネタでイジられてることを知らないから、それでかな?と思いつつ、僕も洗い場でシャワーを浴びながら、パッと横を見たら……善臣さんでした(笑)。
一同爆笑!
藤岡佑 うっわ、ヤッバ! って思って熊沢さんのほうを見たら、すっごく微妙な笑顔で僕のほうを見てました(笑)。
一同爆笑!
古川 善臣さんは、気付いてなかったの?
藤岡佑 髪の毛を洗っていたから、聞こえなかったと思うんですよね。そのあと「お疲れさまです」って挨拶したら、普通に「お疲れ」って言ってくれましたから(笑)。
丸田 たしかに善臣さん、焼けてますもんね。
藤岡佑 ホントに似てたんですよ…(苦笑)。
●上村洋行の『すべらない話』素っ裸で平謝り!?
上村 じゃあ、続けて風呂場ネタで(笑)。昔の話やけど、塩村さん(現調教助手)っていうジョッキーが、栗東の調整ルームでシャワーを浴びてたんや。で、もっとずっと上の先輩で小谷内さん(現調教助手)っていう先輩が、立って頭を洗っていて。塩村さんはその後ろ姿を見て、後輩の誰かと勘違いしたんやろうな…。
一同 クスクス…(笑)。
上村 後ろに立って、思いっきり浣腸したらしいわ(笑)。
一同爆笑!
上村 立ってるし、泡まみれやから、わからんかったんやろうな。で、小谷内さんはメッチャもがき倒して(笑)。
古川 思いっきり入ったんやろうな…(笑)。
上村 小谷内さんは、怒るよりもとにかく痛くてもがいていて、その姿を見た塩村さんは当然、素っ裸で「すみませんでした!」って平謝りだったらしいわ(笑)。
古川 小谷内さんは、温和な人やからね。
上村 今、同じことがあったら、大変なことになるで(笑)。
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