2017/09/11 吉岡 司「Mr.パドック吉岡司の「注目2歳馬勝ち上がりチェック」」
[2歳新馬]ジャンダルム&シルヴァンシャー 今後楽しみな池江厩舎の逸材2騎
○9月9日(土) 阪神5R 2歳新馬(芝1600m)
1着 ジャンダルム 武豊騎手
牡2 栗東・池江厩舎
先週の2歳新馬戦では楽しみな馬が2頭勝ち上がった。阪神開催初日、土曜の5Rを制したのはジャンダルムだった。ジャンダルムとはアルプス山脈の名峰アイガーにある絶壁の名。“日本のジャンダルム”として西穂高岳と奥穂高岳に位置する岩壁が名高く、余談になるが登山が趣味な私にはとってあこがれの場所だ。
480キロでのデビューになったが、均整の取れた馬体で見栄えがする。ただ随所に若さを覗かせていて、気性面での不安は拭えなかった。それでも柔らかい筋肉の持ち主で資質の高さはパッと観ただけで把握できた。
実戦では、好スタートを切ったものの、内枠の馬が速く4番手からの追走。道中はぴったり折り合いが付いていて、4コーナーも持ったまま先行馬に並びかけ楽勝かと思えた。ところが直線に向いてから首を上げ、鞍上がいったんセーブする場面があったが、これはご愛嬌のレベル。直線が長い外回りの競馬だけに、何ら慌てることもなくラスト300mから追い出し、抜け出しての快勝を収めた。勝ち時計1分37秒3は平凡と言えるが、レース上がり33秒8と速い流れを1馬身1/4千切った内容を高く評価したい。ビリーブの産駒ながらマイルで勝てたのは大きいし、兄ファリダットくらいの活躍は見込めるはず。今後が楽しみな逸材。
▽【ジャンダルム】
父Kitten’s Joy
母Believe
母父Sunday Silece
※母はGI2勝を含むスプリント重賞4勝。半兄にファリダット(中央5勝、安田記念で3着など)、半姉にフィドゥーシア(中央7勝、アイビスSDで2着)ら。
○9月10日(日) 阪神5R 2歳新馬(芝2000m)
1着 シルヴァンシャー M.デムーロ騎手
牡2 栗東・池江厩舎
もう1頭は日曜の阪神5Rを勝ったシルヴァンシャー。470キロの馬体重でデビューしたが、垢抜けした馬体で見栄えがする。ハミを噛んで活気もあったし、気性的にも初戦から動けるタイプに見えた。デムーロ騎手が跨った時は、左手でタテガミをなでてスキンシップを図っていて、テンションが上がることもなかった。返し馬でもスナップの利いた走りで、いかにも切れ味がある走法なのがひと目でわかった。
レースでは、スタートで出負けして1コーナーは殿からの競馬。4コーナー手前から差を詰めて、直線ラスト1Fから一気に加速して抜け出しての勝利。勝ち時計2分4秒1も、着差3/4も威張れたものではないが、今回は勝てばいいだけのこと。馬っぷりは抜けているし、将来性は高い。来年の春が楽しみな逸材だ。
▽【シルヴァンシャー】
父ディープインパクト
母アゼリ
母父Jade Hunter
※母は北米でGI11勝、2010年にアメリカ競馬の殿堂入り。全兄にロイカバード(中央4勝)ら。
■【UMAJIN POG】2017-2018シーズン 期待の新馬ぞくぞく登場! 参加受付中!
■[お友だち4万4000人突破!]UMAJIN.net LINE@公式アカウント【限定無料配信】
■“旬”の競馬情報を配信中!メルマガ「週刊UMAJINゴールド」はコチラ!
■【あの大人気競馬マンガが電子版で登場!】やまさき拓味『優駿の門アラブレッド』はAmazonにて絶賛発売中!