2017/08/12 月刊「UMAJIN」編集長・山田「月刊「UMAJIN」編集長・山田の重賞「穴ライズ」」
[関屋記念(GIII)] 攻略のカギは中京記念“差し届かず組”の逆転現象
7月の中京記念に続くサマーマイルシリーズの第2戦・関屋記念。出走間隔の関係で連続参戦する馬も少なくないが、この2レースの直結度自体はかなり低い。中京記念の1?3着馬は改修のあった2012年以降で【0.0.0.8】と散々な成績に終わっており、もはやこの組の上位馬は軽視が正解と言ってしまっていいほど。その理由は過去のコラムでも書いたとおり、両レースのメンバーレベルの違い。マイル路線のローテーションの関係から、秋GIを狙う一線級の多くが始動戦に選ぶのは関屋記念で、同じGIIIでも空き巣になりやすい中京記念とは必然的にレベル差が発生するのだ。
しかし、メンバーレベル以外にも直結度が低下する理由はある。その証拠に、中京記念で4着以下に負けた馬の挽回例は意外と多い。例えば昨年7番人気ながら2着に好走したダノンリバティは、前走5着からの巻き返しだった。そのほか2015年2番人気1着のレッドアリオン、2014年4番人気1着のクラレント、同年6番人気3着のサトノギャラントなど、過去5年で4頭が中京記念敗退→関屋記念好走という経歴をたどっている。このような逆転現象が起こる原因は、コース形態の違い。中京記念が行われる中京芝1600mは向こう正面から4コーナー出口まで下り、残り2Fの直線で一気に急坂を登る形状をしている。一方、関屋記念の舞台である新潟芝1600mは、3コーナー手前まで登り、そこからゴールまで緩やかに下りが続くため、起伏の形がほとんど真逆になっているのだ。
攻略のカギは、“下って登る”中京と“登って下る”新潟で求められる適性の差。中京ではコーナー部分で飛ばしすぎると急坂で苦しくなるため、自然と残り2Fのキレ味比べになりやすい。対して新潟は残り3Fから、場合によっては残り4Fからのロングスパート戦に突入するため、好走には長くいい脚を使う持続力が必要だ。この事実を裏付けるように、前述の4頭は、中京記念で中団以降のポジションから差し届かずの競馬をしている点で共通していた。つまり、瞬発力勝負の中京記念で一歩およばずとも、持続力勝負の関屋記念では長くいい脚を使って巻き返したというわけだ。ちなみにこの4頭、中山のキレ味勝負が苦手という点で一致しているのも興味深い。下って登る中山のコース形状は、やはり新潟と正反対。とすれば、中京記念の差し届かず組に限らずとも、中京・中山で実力を発揮しづらい持続力タイプがここでは狙い目となる。
【関屋記念の“穴”ライズ特注馬】
注)ダノンリバティ
中京・中山では一度も馬券に絡んでいない反面、新潟芝では3戦全連対という典型的なコース巧者。エンジンのかかりの遅さが直線の長い新潟で相殺されるため、しぶとい末脚が存分に生きるのだろう。最終追いで見せた躍動感は2着だった昨年以上。今年はもうひとつ上の着順も狙える。
注)ショウナンバッハ
スパッとキレるというよりは、息の長い末脚で前を交わすタイプの差し馬。中山のAJCCで好走経験があるものの、当時は残り4Fからペースが速くなる持続力比べの一戦だった。長いスランプを乗り越えてここ3戦は本来の決め手が戻っており、復活気配のある今ならまさかの大駆けも。
注)ヤングマンパワー
とにかく豊富な持続力が何よりの持ち味。クビの高いフォームはいかにもキレ味勝負に向かない代わりに、新潟ならその短所は大目に見られる。GIでは大敗続きも、重賞3勝の実績はトップクラス。中間も好調時と変わらない状態をキープしており、昨年の優勝馬がここまで人気落ちなら絶好の買い時。
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