2017/07/15 月刊「UMAJIN」編集長・山田「月刊「UMAJIN」編集長・山田の重賞「穴ライズ」」
[函館記念(GIII)]猛暑の北海道開催は“夏馬”がアツい
例年涼しいはずの北海道が今年は猛暑に見舞われ、先週7日は音更町でこの日の全国最高気温36.1度を観測したほか、今週も道内各地で35度以上の猛暑日を記録。最低気温、最高気温とも例年より4?5度ほど高い状態が続いており、本州と同じかそれ以上の“暑い夏”が到来したようだ。この異常気象は競馬にも影響を及ぼす可能性が高い。競走馬は暑さに弱いと言われるだけに、この猛暑で体調を崩す馬が出てくるかもしれない。
となると、函館記念の予想をする上でも、出走馬の夏競馬における実績を重視する必要があるだろう。実際、過去10年の結果を分析すると、7?8月の実績が豊富な、いわゆる“夏馬”が頻繁に穴を開けていることがわかる。例えば昨年13番人気2着のケイティープライドは、当時のキャリアハイだった準オープン勝利が8月で、7?8月に限ると【1.1.1.1】の好成績を収めていた典型的な夏馬。同年9番人気2着のツクバアズマオーも夏場は【2.2.2.2】と抜群の成績で、他にもヤマカツエース、アスカクリチャン、マヤノライジン、アクシオン、エリモハリアーなど、夏馬の激走例は枚挙にいとまがない。
一方で、夏に実績のない人気馬が時としてコケるのも興味深い事実だ。象徴的なのが、2013年と2015年に、ともに1番人気を裏切ったエアソミュール。生涯で10勝を挙げ、うち重賞2勝の実績馬だが、7?8月は計4戦して1度も馬券に絡んだことがなく、しかも4戦のうち3戦で1秒以上の大敗を喫していた。ほかでは2012年2番人気9着のネオヴァンドーム、2011年3番人気5着のコロンバスサークル、2009年1番人気12着のマイネルチャールズなども夏場の実績に乏しかった馬か、そもそも7?8月に出走経験のない馬だった。
例年の函館ですら明確な傾向が出るのだから、猛暑の今年はなおさら夏馬に注目が必要だ。夏場の成績に重きを置くとして、あとは穴馬の選定方法。過去のコラムでも触れたように、函館記念では近走の実績は度外視できる。「函館の申し子」と言われたエリモハリアーだけでなく、前述のケイティープライドやアスカクリチャン、アクシオンといった面々には、前年の夏ごろまで好走歴がなかった。さらに、もう一歩踏み込んで分析すると、これら夏馬は前走と同じかそれ以下の斤量だった点もポイント。調子の上がらない冬?春の成績をもとにハンデが設定されるため、比較的軽い斤量で戦うことができるのだ。ちなみに、前述のエアソミュールは対照的に、2回とも前走より重い斤量で出走し、ともに凡走していた。つまり、前走以下の斤量で出走でき、かつ近走不振の夏馬は、二重の意味で“オイシイ”狙い目となる。
【函館記念の“穴”ライズ特注馬】
注)ケイティープライド
昨年の2着を含め、準オープン昇格後に馬券になった4戦中3戦は7?8月。近走の成績はパッとしないが、着順ほど負けているわけではないので力落ちはない。52キロを背負った重賞では大抵堅実に走っている点も心強く、昨年同様ハンデに恵まれたここは要注意。
注)アングライフェン
夏の小倉で未勝利、500万下と連勝したほか、準オープン勝ちも7月の中京。オープン入り後は結果が出ていないが、GII京都記念でも大崩れしておらず、ハンデGIIIならば通用する力はある。前走・巴賞の内容から洋芝適性は証明済みで、冬?春の成績が目くらましになれば妙味十分。
注)ヤマカツライデン
昨年7月に1000万下を突破すると、格上挑戦だった次走の丹頂Sを逃げ切って一気にオープン入り。重賞ではハナを切って粘れずのレースが続くものの、どれもGI級の強豪に早めに競りかけられるキツイ競馬。天皇賞・春からハンデマイナス3キロなら前進の余地あり。
■[お友だち4万2000人突破!]UMAJIN.net LINE@公式アカウント【限定無料配信】
■【重要】登録ができない、メールが届かない会員様へ
■“Mr.パドック”はどう見る!?【吉岡司の馬体診断予想「函館記念」】はコチラ
■【七夕賞3連単2万1540円ズバリ!】函館記念のレース攻略もお任せ!特別メルマガ「週刊UMAJINゴールド」はコチラ!
■【あの大人気競馬マンガが電子版で登場!】やまさき拓味『優駿の門アラブレッド』はAmazonにて絶賛発売中!