2017/05/13 月刊「UMAJIN」編集長・山田「月刊「UMAJIN」編集長・山田の重賞「穴ライズ」」
[ヴィクトリアマイル(GI)]福島牝馬S好走組が侮れない理由
先週のNHKマイルCは牝馬2頭がワンツーを決め、改めて今年の3歳牝馬の強さを思い知らされる結果となった。今週は一転して古牝馬の頂点を決めるヴィクトリアマイル。一昨年にはGIの3連単最高配当を記録するなどまさかの大荒れも見込めるレースで、その原因は前走と本番の成績がリンクしない点にある。過去10年の3着以内馬30頭のうち16頭は前走4着以下に負けていた馬で、うち5頭は前走フタ桁着順だった。これは、主要ステップレースが東京マイルと直結しづらいコース設定というのが要因のひとつで、施行距離がマイルへ変更された阪神牝馬Sを除けば、牡馬混合の中距離戦やスプリント戦などバラエティーに富み、加えて昨年のストレイトガールのように年明け初戦惨敗からの巻き返しVも多い。これがヴィクトリアマイル攻略の難易度を上げる要因だ。
一方で、前走好走馬が堅実に走っているのは、意外なことに福島牝馬S組。馬券圏内のサンプル数は3頭と少ないものの、2009年11番人気2着のブラボーデイジーは前走1着、2013年5番人気3着のマイネイサベルは前走2着、一昨年の波乱の立役者となったミナレットも前走5着。また、掲示板まで広げれば、2008年13番人気4着のヤマニンメルベイユが前走4着、2014年13番人気5着のキャトルフィーユが前走2着と、前走・福島牝馬S上位馬が人気以上の健闘を見せているのがわかる。
ローカル開催で出走メンバーのレベルも低いと思われがちな福島牝馬Sだが、いくつかの観点から見ると、ほかの前哨戦に劣らない長所がある。まず、そのコース形態。福島はアップダウンが連続する起伏に富んだコース形態で、最後の直線には坂もあり、それでいて直線が短いため、テンから終いまで各馬、早め早めの競馬をしてくる。福島牝馬Sの勝ち時計は例年、良馬場なら1分46秒台。つまり、相当にタフな競馬を強いられることになる。加えて、阪神牝馬Sのように実績馬が叩き台として挑んでくるケースは皆無で、おのずとハイレベルの一戦が繰り広げられているというわけだ。また、本番まで中2週という出走間隔も逆に好材料で、中山牝馬Sや高松宮記念と比べて好調をキープしやすい。これが、福島牝馬S上位馬がヴィクトリアマイルで連続好走できる要因だ。
GIの前哨戦として好条件の揃った福島牝馬Sだが、その存在感は薄い。牝馬トップクラスが牡馬混合重賞・GIや阪神牝馬Sを使ってくることで、そちらに注目が集まるのは仕方のないことだろう。今年も阪神牝馬Sからはミッキークイーンやクイーンズリング、牡馬混合の重賞・GIからはルージュバックやレッツゴードンキといった牝馬ビッグネームがズラリ。しかし、ただでさえ好不調の波がある春の牝馬戦線。実績馬の巻き返しに賭けるならば、本番と直結しやすいわりに“盲点”となる福島牝馬S上位馬を、シンプルに押さえておいて損はないはずだ。
【ヴィクトリアマイルの“穴”ライズ特注馬】
注)ウキヨノカゼ
前走は勝負どころでスムーズさを欠く場面がありながらキッチリ差し切る強い競馬。7歳牝馬ながら衰えは見られず、3度目の好調期を迎えた感がある。少し時計のかかる馬場のほうが持ち味を生かせるだけに、土曜の雨が残ればチャンス大。
注)フロンテアクイーン
追って味のある息の長い末脚が持ち味で、小回りでも実績はあるものの今一歩勝ち切れない。前走も直線で一旦先頭に立ってはいるのだが、エンジンが掛かり切る前に勝ち馬にしてやられた。長い直線を使った追い比べなら出番がある。
注)デンコウアンジュ
向こう正面でマクる積極策から4着に粘った前走が“負けて強し”の内容。スランプが長かったもののここに来て一皮向けた印象だ。2歳時にメジャーエンブレムを下した東京マイル替わりも心強く、大幅に減った馬体さえ戻れば侮れない存在。
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