2017/03/18 月刊「UMAJIN」編集長・山田「月刊「UMAJIN」編集長・山田の重賞「穴ライズ」」
[スプリングS(GII)]3歳牡馬路線で“ヒモ荒れ”が多発するワケ
皐月賞へつながる牡馬クラシック路線の主要重賞も大半が終了。今週は弥生賞と双璧をなす重要トライアルのスプリングSが施行される。ブレスジャーニーの離脱やレイデオロの直行プランもあり、例年以上の混戦と目されている情勢だが、世間で言われるように現3歳牡馬は本当に低レベルだろうか。近年、クラシック本番前に「混戦」と言われたのは、意外にも3冠馬オルフェーヴルが出た2011年クラシック世代。だが、後にマイルGIを制覇するトーセンラーやサダムパテック、ダートへ転向してスターダムに登りつめたベルシャザール、そしてクラシック路線ではないが歴史的短距離王・ロードカナロアを輩出したように、むしろハイレベルの世代だった。世代レベルが明確になってくるのは、古馬混合戦が始まる安田記念週以降で、それ以前に実力を測ることは難しい。
確かに、今年の牡馬クラシックが主役不在の混戦であることは事実。だが年初からの3歳牡牝混合重賞を振り返ると、ここまでの6レースのうち1番人気の優勝は3回。1?3番人気のうち2頭が馬券圏内に来たのも4回と、イメージほど荒れていない。要するに、現時点で「低レベル」のレッテルを貼ることは早計ではないか。ただ、人気上位馬の好走が多い反面、穴馬の台頭も少なくない。6番人気以下の伏兵が馬券に絡まなかったことはなく、最低でも中荒れ以上の決着となっている。つまり、今年のトレンドは「ヒモ荒れ」。いかに穴馬を効率よくピックアップできるかが馬券ゲットのカギだ。
ここまでの3歳牡牝混合重賞の6レースを分析すると、人気と結果のバランスに明確な傾向があることがわかる。まず人気で飛びやすいのは成績のキレイな馬。例えばシンザン記念で2番人気6着のアルアインや、弥生賞で2番人気9着のダイワキャグニーは、どちらも新馬→500万下を連勝。上位人気に推されたがともに掲示板にすら載れなかった。また連勝中でなくとも、共同通信杯のエアウィンザー(3番人気6着)や弥生賞のコマノインパルス(3番人気6着)のように、オール連対で重賞を迎えた馬も、期待に応えられないシーンが目立つ。
一方、穴を開ける伏兵の共通点は、過去に重賞・オープン、500万下で完敗していること。わかりやすい例は、きさらぎ賞を6番人気で制したアメリカズカップと、アーリントンC6番人気2着のレッドアンシェル。ともに連勝で朝日杯FSへ駒を進め、それぞれ9着、8着に敗退。次走は人気を落としたが、一転して結果を出した。このほかシンザン記念8番人気1着のキョウヘイ、共同通信杯6番人気2着のエトルディーニュ、弥生賞8番人気2着のマイスタイルなどは、500万下?オープンで強い競馬をしていながら、キャリアのどこかで大きく負けていたため、相対的に評価が低かった。
人気のギャップが生まれる原因は、馬券を買う側の心理にある。成績のキレイな馬は過剰に期待され、逆に一度でも完敗している馬は、展開や条件がハマれば強いとわかっていても半信半疑の評価となりやすい。しかしながら、好走続きの馬が人気でコロッと負けるのは、今年に限らず2?3歳戦でよく見る光景だ。つまり穴馬発掘の秘訣は、臨戦過程から人気を下げるであろう隠れた実力馬を探すこと。とくに今年の傾向から、重賞敗退歴などは思い切って無視してもよく、むしろ人気薄の要因になってオイシイくらいだ。
【スプリングSの“穴”ライズ特注馬】
注)オールザゴー
2走前の千両賞は惨敗したものの、ゲートで大きく出遅れて自分の競馬に持ち込めなかった不完全燃焼の一戦。マイペースで運んだ前走の白梅賞では見事な逃げ切り勝ちを披露した。ゲートさえ決めれば重賞でもいきなり通用する可能性はある。
注)プラチナヴォイス
3走前の萩Sで後の京都2歳S2着馬ヴァナヘイムを相手に完勝。ここ2戦の重賞は結果が出ていないものの、前走は渋った馬場に脚を取られ、前々走は得意とは言えないスローの上がり勝負に屈した。キレキレのタイプではないだけに、しぶとさを生かせる展開なら。
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