2017/02/11 月刊「UMAJIN」編集長・山田「月刊「UMAJIN」編集長・山田の重賞「穴ライズ」」
[共同通信杯(GIII)]急坂コース→東京替わりで浮上する伏兵は?
断然の1番人気サトノアーサーが2着に敗れた先週のきさらぎ賞。渋った馬場の影響もあったとはいえ、勝ち馬からコンマ3秒差を付けられ、内容的には完敗だろう。今年の3歳牡馬路線では、いまだに「クラシック当確」と呼べる大物は見当たらず、例年以上の混戦と言ってよさそうだ。今週の共同通信杯は、過去5年でディーマジェスティ、ドゥラメンテ、イスラボニータ、ゴールドシップら4頭の皐月賞馬を輩出している“出世レース”。それだけにメンバーレベルも高く、人気上位がそのまま馬券圏内を独占することも多い。しかし、世代レベルに疑問符の付く今年の情勢を考えると、思わぬ伏兵の激走があってもおかしくないはずだ。
「稍重」の発表以上に馬場が悪かった昨年を除き、例年は良馬場のキレ味勝負が一般的。過去5年の前後半3Fの平均ラップを比較すると、前半3Fは35秒9で、後半3Fが34秒5と、後傾ラップの傾向が出ている。クラシック王道路線を歩む中距離馬が駒を進めてくるだけに、短距離寄りのハイペースにはならず、瞬発力が問われる展開になりやすいということだろう。今年は、金曜に降雪があったものの、土曜開催や当日の天気予報を見る限り、良馬場での開催が見込める。加えて、前走マイル以下で逃げているような快速馬も見当たらず、いつも通りの瞬発力勝負になる公算は高い。
その前提を踏まえ、もう一度過去の結果を分析すると、確かに3着以内は人気馬が大半だが、僅差の4着にはたびたび人気薄が入線していることに気付く。例えば、2015年8番人気4着のミュゼエイリアン。2番人気の前走・葉牡丹賞は、急坂を上りきったところで力尽き、後続の決め手に屈して6着に敗れていた。この敗戦で一気に人気を下げたが、2走前の百日草特別では1着ルージュバックとコンマ5秒差、2着ベルーフとコンマ1秒差の3着と、後の重賞ウイナー2頭を相手に健闘しており、後から考えれば8番人気は過小評価だったとも捉えられる。また、2014年7番人気4着のマイネルフロストも、稍重の阪神で行われたラジオNIKKEI杯2歳S(現:ホープフルS)で7着に敗れていたが、共同通信杯ではイスラボニータやサトノアラジンらを相手に健闘した。
2頭に共通するのは、前走で坂のあるコースで伸び負け、人気を落としている点。2歳秋から3歳春にかけては、競走馬はまだまだ成長途上の段階であり、ただでさえ馬場の痛みがひどくなる年末年始の中山・阪神は、馬体が完成しきっていない若駒には厳しい舞台だ。加えて、ゴール前に急坂が待ち構えるとくれば、あっさりと凡走しても不思議はない。前述のマイネルフロストも、東京の新馬戦を圧勝した経歴があり、コース替わりで巻き返す余地はあった。つまり、今回の穴馬候補は、前走は急坂が原因で力を出しきれず負けた馬。なかでも良馬場の東京や京都など、瞬発力を要する舞台に実績のあるタイプが巻き返すと見た。なお、先週に続き今週も少頭数のため、特注馬は2頭まで。
【共同通信杯の“穴”ライズ特注馬】
注)アサギリジョー
東京の未勝利戦で、後にホープフルS2着→京成杯3着の実力馬マイネルスフェーンを抑えて勝利。近2走は中山で伸び負けているが、それぞれ出遅れ&展開不利のなか掲示板確保と、水準以上の実績は挙げている。コース替わりで前進の見込める今回が狙い目。
注)ビルズトレジャー
東京の新馬戦と500万下でどちらも上がり最速を計上。いかにも追って味のあるタイプだ。前走ホープフルSはあおり気味のスタートが響いたほか、直線の進路取りにもたつき、脚を余す形で7着。コースの広い東京なら不利を受ける可能性も少なく、巻き返し必至。
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